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ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

火曜日の夕方、いきなり左肩に違和感を感じた。

 

過去に数回外れかかったことがあるが、作業をしており立ち上がった途端、微妙にしっくりしていない感覚であった。思わず油をさして動きを滑らかにさせたいそんな感覚。

 

その後空手の稽古に行ったが、とりあえず動くが違和感が残った。

 

その夜、朝にかけて左側を向けて眠れなくなった。寝返りを打つにも肩を押さえて、肘を曲げないと痛みが走る。どゆこと?

 

周りで(特に空手仲間で)肩の異常を訴える人が多く、ついに私も来たか?と思った。今まで膝や脹脛に損傷はあったが、なんとか落ち着いて安心していたのに、今度は肩か...。私より一回りも若いのに、 腱板断裂で現在稽古を休んでいる仲間もいる。年始の初稽古で古武道の演武をする事が決まり、練習を始めたところだったのに、ドタキャンか?とさえ脳裏を横切った。

 

早速かれこれ20年来お世話になっているミラノの整体の先生に連絡をすると,翌朝診てくれると言う事で1日待った。その日は歩いていても左腕が肩からぶら下がっているようで、重さを感じるほどであった。

 

しかし、翌朝痛みも軽減し、腕の可動域が微妙に広がった。自然に治るのか?とも思ったが、放ってはおけぬ。予定通り整体の先生の元へ。

 

言われるがまま、歩いたり、前屈したり、壁に両腕をついた状態で腰を診て頂いた。

 

まず左半身が傾いており、腰自体が左右対象ではなく捩れている状況であると言われた。元々脊柱側彎症と高校生の頃わかり、色々リハビリを続けてきたが改善されてきておらず。ひょっとした時の姿勢が悪いのも自覚している。

 

よって空手の型でも、違和感を感じるくらい自分の中では、傾いた姿勢にすると正常に見える事も後からわかった。しかし意識が大切で、また定期的なメンテナンスをしないと体が捩れ始め、あちこち故障をする事がやっと理解でき、その体操を伝授してもらい、整体に行かなくてもなんとか維持できていると思っていた。

 

しかし、それはやはり素人見立て。加齢も加わり徐々に、徐々に現れて、ちょっとしたアクシデントで神経に指令がいかなかったのかもしれませんよ、と言われた。

 

まずうつ伏せになって腰から下半身を解して頂き、仰向けになって脚を折りたたむように捻り背骨をボキッ。

 

左腕を上げ可動域をチェック。みるみるうちに腕が上がるようになった。

 

ちなみに、五十肩の原因は不明で、癒着性肩関節包炎と呼ばれる事もあるが、必ずしも癒着が見られるわけではない。面白い事に五十肩は通常、片側に発症し反対側へあまり発症しないようだ。

 

石灰性腱炎、変形性関節症、腱板断裂、上腕二頭筋腱炎...などの病態が明らかな疾患はもちろん五十肩からは除かれる。又、頸椎の疾患や内臓からの関連痛やら腫瘍性疾患などから来る可能性もあるので、その鑑別は重要だが、秋からの検査では内臓関係には問題は一切なかった。

 

先生曰く、足首、股関節、そして肩甲骨は大切で、それを繋ぐ背骨全体のバランスを整えることが重要とのこと。体幹と肩甲骨の正常な動きがあってこそ健康が保たれる。

 

よくインスタでドヤ顔鍼灸師の動画を見るが、動かなくなった部分が一瞬にして動くようになるのは、マジックか?とさえも感じてしまっていたが、まさにそれ。

 

ちょっと引っかかりを感じる部分を訴えると、じゃあこれはどう?と体の一部分を施術するといきなり軽くなって動くのだ。自分で体験し、肩が変だから肩の問題、ではなく、いかに体がつながっているか、そして一般的な西洋医学や薬では直ぐには治せない領域があるのだと実感。

 

また通院を強要される事もなく、家庭で出来る体操を教えてくれる。ただ定期的なメンテナンスは必要だと実感。

 

そして、どんな強靭な体でも加齢には逆らえない。

 

ちなみに母が脊柱管狭窄症で、ヘパーデン関節症もあるので、私は遺伝するのでしょうか?と言うと、「貴女は大丈夫でしょう」と言われた。この言葉を鵜呑みにし、健康維持に努めたいと改めて思った。

 

その後も、空手の稽古で見る身体操作と足裏や骨盤の位置の関係性について、思い浮かんだ疑問などを先生にぶつけ、勉強させて頂いた。

 

体って面白い。

 

自分の身をもって正しく使わなくては、と思った数日であった。

 

今日の一句

五十肩 背骨と骨盤 整えよ