シニア空手 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで33年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

2025/2026年度の空手の稽古が終了した。
 
ここ2週間ほど、猛暑のミラノ。
 
冷房のない道場での稽古は本当にきつかった。しかも、黒のTシャツの上に、道着。一度Tシャツを忘れ、道着だけで快適であった!
 
「無理しないで!」「限界に挑まないで!」同年代の友人たちに言われたが、決して「根性論」で挑んでいたわけではない。
 
とはいえ、やはり気温が35度(もしくは体感温度を設定すべき)以上の時は、稽古は中止すべきだし、黒帯でも道着の上着を脱いで、白いTシャツにするとか、全体的に稽古の強度を落とすことも全体として必要だとつくづく思った。
 
昨年は帰国しなかったと言うこともあるし、7月に入り、多少涼しくなったので、有志で自主練を続けてきたが、自分自身もいないし、この暑さで有志で自主練するメンバーはいないことであろう。
 
とはいえ、8月に横浜で全国大会が行われる。体力維持と自主練は欠かせない。
 
それにしても、空手を始めたのが、40代最後の年であったと言うこともあるが、流石にこの年齢になると、単なる力やスピードの追求ではなく「心技体の調和」、そして「効率的な身体操作」ばかり考えている。
 
まずは脱力。呼吸と軸をコントロールさせることで、生み出されるエネルギーがある。
 
その脱力と、身体操作のために太極拳を今年から始めたが、今やそちらの方が面白い。脱力しているつもりでも、まだまだ力が入っていると言われる。そして、軽い蹴りや回転など、スピードや勢いに任せているところがあると言うのだ。つまり、腕や足の力だけでなく、地面からの反力を腰の回転と体重移動に乗せるのだと言う。
 
ゆっくり動くことで、無駄な力を抜き、細やかな体を動きを深く観察できるのであり、正しい姿勢と気の流れを養うことが出来る。目から鱗のようであった。
 
ゆっくり動くことで、呼吸をコントロールでき、重心を落とすことが出来る。そうなれば体も安定すると、体がぶれなくなる。自然に丹田に意識が行き、全身を統制させるし、心の落ち着きを感じられる。
 
つまり、その訓練によって、平常心を養い、型を打っている時のみならず、相手の動きや出方に対応できる心構えが養われるのだ。
 
ところで、インスタグラムでフォローしている60代の空手家がいるが、彼は毎朝ゆっくり脱力しながら空手の型を打っている。こう言う練習もありだなあと思っていたのだが、偶然彼の道場のホームページを見つけた。
 
なんと門下生の平均年齢は60歳と言うではないか?なぜか?
 
無理のない空手を提唱していた。また昇級昇段も自由。モチベーションになることは大切だが、それは人と比べるのではなく、自分の成長を見るもの。それぞれのペースでやれたら良いと思う。
 
力強く、速さだけを求めると型がブレやすい。それは心も同じなのかもしれない。
 
9月からの道場では、既に5、60歳代の新規入会者が数名いるのだと言う。
 
力強さや瞬発力の「剛」と脱力、そして柔らかい動きや受け流す技術の「柔」が組み合わさってこそ、攻撃と防御力の両立、体感の強化、そして心身のバランス向上という、相乗効果を期待したい。
 
無駄な力みのない、しなやかで、それでいて強い心身でありたいものだ。