この10日ほどの間、ミラノでは元交際相手および元夫による惨殺な事件が2件も起きた。
性別を理由に女性を標的とした殺人をフェミサイド(英語: Femicide)またはフェミニサイド(英語: Feminicide)と呼ぶ。(イタリア語では Femminicidio) これらのうち、特に男性による殺人を表す場合もあるが、女性によるものを含める場合もある。 この言葉は1976年にフェミニストのダイアナ・ラッセルにより普及。
上記フェミサイドの一つは、29歳の女性が交際相手(52歳)に合い鍵で家に入られ、家のバルコニーで斬殺されると言うものであった。本人も近所の人も警察に電話をしていたが、間に合わず、近所の人が見ている前で30数か所刺され息絶えたと言う。
なんと、そこから数軒先に長女が住んでいるのだが、洗い物をしており、被害者の叫ぶ声は聞こえなかったようだが、後からやたらパトカーの音がすると思っていたらしい。家からもちょうど木があって事件の場所は見えないようだが、そうでなかったら精神的にも耐えられなかったかもしれない。
犯人の元交際相手は自分も首を切って自殺を図ったらしいが、重体で入院中。
長女は翌日、事件現場入り口に花を持って行ったらしい。そこで、取材者たちにインタビューをされたらしいが、「被害者の叫び声をききましたか?」「彼らのことは知っていましたか?」などと聞かれたらしいが、そんなことよりもいかに女性に対する暴力を撤廃できるか?建設的な事は聞けないのか?などと言って怒りまくっていた。
数日後の日曜日に事件のあった通りには、数百人がキャンドルをもって行進したそうで、その映像がニュースになって流れていた。
また、数日前に起きた事件は、別居(または離婚?)し既に3年以上経っている元夫の恨みを買い14か所、特に顔を刺された女性が重体で病院に運ばれた。被害者の女性は、上記事件の犯人と同じ病院に入院したが、後死亡。
元夫は、怒りと欲求不満解消のため、ただ脅かすだけだったと言う事であったが、一週間も元妻を張り込んでいたと言うし、路上の監視カメラに元妻を見つけ走って切りつけ、スクーターで逃げるところが全て納められていた。
反省している。終身刑にしてくれ、と言っているそうだが、いずれにしても、両事件の加害者である元恋人や元夫は常日頃からDVがあって、近所でも知られ渡っている人物であった。
後者のキャンドル行進には、ミラノの市長であるサラ市長も参列し、犠牲者を追悼した。
サラ市長は監視強化と匿名通報の促進を訴えたが、行進参加者から抗議の声が上がっていた。
千人以上の人々が、プラカード、キャンドル、そして怒りを抱えて、静かな行進に参加した。
告発しても、自由の身でいる加害者たち。日本でもストーカー行為があって、警察に届けても動いてもらえず、結局事件を食い止められなかった、と言うことが多々ある。
それは証拠不足、事件性への判断、被害届の受理のハードルなどが原因なのだと言う。警察を動かすには、証拠を収集して事件性や危険性を具体的に説明することが重要なのだそうだ。
ところで、イタリア・内務省の刑事警察中央局の発表によれば、2025年の最初の9か月間で女性殺害事件は減少しているという。(とはいえ、10月までに既に73件以上)特に 今年1月1日から9月30日までにパートナーまたは元パートナーによって犯された殺人は、2024年の同時期の55件から53件(4%減)に減少し、女性の被害者は48人から44人(8%減)となったと言う。
また、家族・親密な関係における犯罪も減少しており、事件数は2024年の最初の9か月間の122件から98件(20%減)に、女性被害者の数は79人から60人(24%減)に減少している、というが、人の命が奪われているのは確かだ。
また、家族・親密な関係における犯罪も減少しており、事件数は2024年の最初の9か月間の122件から98件(20%減)に、女性被害者の数は79人から60人(24%減)に減少している、というが、人の命が奪われているのは確かだ。
そして、毎年11月25日には、この問題に対する世論の関心を高めるために1999年に国連総会によって制定された「女性に対する暴力撤廃の国際デー」を迎える。
この日は、1960年11月25日にドミニカ共和国で独裁政権に反対したために殺害されたミラバル三姉妹を偲ぶのみならず、あらゆる形態の抑圧と暴力に対する闘争の象徴となっている。
また11月25日から12月10日の「人権デー」までは、「女性に対する暴力撤廃の16日間」とされている。
女性に対する暴力は、身体的、心理的、性的、経済的など、さまざまな形で現れ、あらゆる社会的、文化的、経済的階層に広がっている。
ジェンダーを理由とする殺人や、女性や少女に対するその他の暴力は避けられないものではないだろう。女性に対する暴力をなくす取り組みにコミュニティや社会全体を参加させることに重点を置いた一次予防の取り組み、早期介入およびリスクアセスメント、被害者を中心とするサポートや保護、そしてジェンダーの視点に立った取り締まりや司法サービスの利用によって防ぐことが出来得るだろうし、また防がなければいけない。
ちなみにイタリアでは最近、法改正で、刑法第577条の2が導入され、女性殺害罪が規定された。この罪は、「女性であること」を理由に、つまり差別やジェンダーに基づく憎悪、あるいは女性の権利、自由、人格を抑圧するために女性の死を引き起こした者を終身刑で処罰するものである。
今日の一句
声あげて 命を守ろう パープルリボン



