昨日11月25日は「女性に対する暴力撤廃の国際デー」であった。
1993年の国連総会において、「女性に対する暴力の撤廃に関する宣言」が採択された。その内容は、「女性に対する暴力」とは「性別に基づく暴力行為であって、女性に対して身体的、性的、若しくは心理的な危害又は苦痛となる行為、あるいはそうなるおそれのある行為であり、さらにそのような行為の威嚇、強制もしくはいわれのない自由の剥奪をも含み、それらが公的生活で起こるか私的生活で起こるかを問わない。」すなわち肉体的、精神的、性的、心理的損害や苦痛を生じさせる性に基づくあらゆる暴力行為と定義され、女性に対する暴力の撤廃は女性に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約(女性差別撤廃条約)上の義務であるとされた。
過去に調べたら、2013年、イタリアでは毎7分にレイプまたは、レイプ未遂事件があり、前年度の2012年には124人の女性が、夫なり、彼氏なり、内縁関係にある男性の手によって殺されていた。
しかし、最近の検索によると2018年度(しかもまだまるまる1ヶ月以上残っている!)、ミラノだけも170人もの人間が女性に対する暴力で逮捕されているという。そのうち104人が告訴されている。
2008年に、このグローバルな課題に対応するため、”UNiTE to End Violence against Women"(団結しよう、女性への暴力を終わらせるために)というキャンペーンが立ち上げられた。それ以降、全世界のパートナーが、女性と女児の人権を守り、暴力のない生活を送れるようにするため、運動が行われている。
紛争地であれ、この近代社会においても、未だに女性や女児たちは世界で ジェンダーに基づく暴力にさらされ、最も弱い立場にあると言えよう。とはいえ、その暴力撤廃が、そうそう短期間で成し遂げられることはないだろう。
ところで、昨日のこの「暴力撤廃」に関する日にミラノの数カ所でデモストレーションが行われた。以前も紹介したことのある"Wall of Dolls"(人形の壁)でのフラッシュモブや「暴力撤退」のシンボルカラーでもる赤の靴やベンチなどが街中の広場に置かれたようだ。また女性の護身術クラスなども開催された模様。ただ、思うに、危険な目に遭う際、そうそう技術を身につけていても、それがとっさに出るのかどうか?また大声で叫ぶことができるのかどうか?疑問である。
また、昨日11月25日より「人権デー」にあたる12月10日に渡り、ジェンダーに基づく暴力に反対する16日間の「UNiTE女性に対する暴力撤廃キャンペーン(16 Days of Activism against Gender-Based Violence Campaign)」も行われている。
近年、#MeTooを初めとする様々な運動により被害者や活動参加者の声が挙げられてきた流れを受け、今年度のテーマ「世界をオレンジ色に:#HearMeToo ~私の声も聞いて~」が決定されている。オレンジ色は、「暴力」という甚だしい人権侵害と組織的に闘うため、その闘いに臨む決意の象徴なのだそうだ。また、オレンジ色を身につけることによって、意識の向上を図っている。
この「女性に対する暴力撤廃の国際デー」のキャンペーンを通し、全ての人々が女性と女児に対するあらゆる形態の暴力を予防し、食い止める思いを持ってくださいますように。
https://ameblo.jp/sofiamilano/entry-11729131686.html
https://ameblo.jp/sofiamilano/entry-11883730608.html
「女性に対する暴力撤廃の国際デー」に向けた、ユニセフ(国連児童基金)事務局長ヘンリエッタ・フォア、UNDP総裁アヒム・シュタイナー、UN Women(国連女性機関)事務局長プムズィレ・ムランボ=ヌクカ、国連人口基金(UNFPA)事務局長ナタリア・カネムの共同声明はこちら:



