教皇レオ14世は、5月10日土曜日の終わりにスイス衛兵とお会いになられたという。
教皇が、選出直後にスイス衛兵と会われることを求めたことは過去になく、ましてや衛兵とだけで会うことなどあり得なかったそうだ。
クレメンタイン・ホールで、衛兵達は静かに隊列を組み、厳粛で緊張した面持ちで教皇の到着を待っていたと言う。
ドアが開き、白い教皇服の教皇が、疲れたような、しかし温かみのある身振りで入って来られたそうだ。
面会の目的は、「教皇レオ13世が教会を守るために大天使聖ミカエルに祈りを捧げさせたことを伝えるため」だったと言う。
ところで、教皇庁のスイス衛兵は、1506年に教皇ユリウス2世がスイスの傭兵を雇って護衛として採用したのが始まりだという。
1860年のイタリア統一以降、教皇領が解体、消滅するとスイス傭兵を雇用する財源がなくなったためにスイス傭兵はレオ13世に対して反乱を起こしたこともあったと言う。その後ピウス10世の頃にはスイス傭兵のイタリア軍と統廃合が検討されたが、教皇庁との関係を重視したスイス政府の運動によってスイス傭兵は維持され現在に至っている。
余談だが、大天使聖ミカエルへの祈りとは、1884年、教皇レオ13世が教会を悪から守ることを願い、記したもので、次のように祈る。
「大天使聖ミカエル、悪との戦いにおいて、私たちを守り、凶悪な企みに打ち勝つことが出来ますように。神の命令によって悪魔が人々を害することが出来ないようにお願い致します。天軍の総帥、人々を惑わし、食いつくそうと探し回っているサタンと他の悪霊を神の力によって地獄に閉じ込めて下さい。アーメン。」
出典:カルメル修道会編『祈りの友』(出版:サンパウロ)
※2018年10月10日追加
San Michele Arcangelo, difendici nella lotta:
sii il nostro aiuto contro la malvagità e le insidie del demonio.
Supplichevoli preghiamo che Dio lo domini e Tu,
Principe della Milizia Celeste, con il potere che ti viene da Dio,
incatena nell’inferno satana e gli spiriti maligni,
che si aggirano per il mondo per far perdere le anime. Amen.
かつて1964年9月26日に廃止されるまでカトリック教会のミサの終わりに唱えられていた祈りでもあり、「レオ13世の祈り」とも呼ばれるのだそうだ。
話は基、教皇レオ14世は、教皇に選出され、初めてバルコニーより挨拶をする際、信者からの呼びかけに重みを感じたという。そしてまた、歴史の重みも感じ、福音を宣べ伝えるという義務をより強固なものにしたい、と語られたと言う。
また「自分たちが生きている瞬間を意識して動く者はいなかった。 今日、カトリックであるということは、十字架を受け入れるということ。」と言われたという。
そして「聖ミカエルの祈りを思い出した時、私は今日、私たちに霊的な武器を振るってほしいということを皆さんと分かち合いたいと思いました。 」教皇は、衛兵たちのハルバード(斧のような形で長い棒についているもの)を見て、祈りを唱え始められたという。
教皇は衛兵たちに近づき、「私たちはレッテルを貼られることを恐れていますが、前教皇フランシスコは私たちが恐れてはならないと教えて下さいました。今日から大天使聖ミカエルの祈りで教会を守り、日々の礼拝の一部としましょう。」と仰られたのだそうだ。
教皇は、祈りとスイス衛兵と共に、使命における孤独を感じることがないことだろう。
前教皇フランシスコも10月の「ロザリオの月」では、ロザリオの祈りの最後に、古来聖母への祈り”Sun tuum praesidum”と「大天使聖ミカエルの祈り」を唱えるよう勧めておられた。
大天使聖ミカエルに保護を祈りつつ、信仰を守っていけますように。
キリストは私たちとともに、目には見えないが、不可侵の存在として進んでいく!


