友人のお子さんの初聖体のお祝いでパヴィアまで出かけてきた。
考えてみたらパヴィアは修道院のあるチェルトーザ・デイ・パヴィアにはかなり前に行ったことがあり、またパヴィア郊外在住の方の広大なお庭で家庭ミサを上げさせていただいたことはあったが、パヴィアの町街自体へ出かけたのは、初めてだったようだ。
ミサは午後15:30から。お昼過ぎに着いて、軽く食事をしてから行きましょう、と友人と約束し下勉強をせず出かけてしまった!迂闊だった〜!あまりにも素敵な街で、もっと予習をし、朝から出かけるべきだったと後から反省!
パヴィアは、ミラノの南約30km、ポー川との合流点にほど近いテイチーノ川の河畔にあるこの都市には、東ゴート族やランゴバルド王国が首都を置いていた。中世においてはイタリア王権の首都とみなされており、神聖ローマ皇帝は12世紀に至るまでイタリア王としての戴冠式をこの都市で挙行していた。
1361年に設立されたパヴィア大学を中心に学問の風土を持つ、閑静な都市である。
雄大なティチーノ川。
コペルト橋
1354年にかけられ、1944年9月の大空襲で大打撃をうけ、1947年には一部が崩落。1951年に現在の形が完成。
工事中だったPiazza della Vittoria。この脇で昼食。
窓の向こう側に聖母子像が...。
ドウモ(パヴィア大聖堂)。 ただただ圧巻!
ドウモ・パヴィア大聖堂は、15世紀に建設が始まったパヴィア最古の教会であり、パヴィア教区の司教座教会。2025年聖年の巡礼指定教会・聖堂である。この大聖堂には、パヴィアの初代司教である聖シロスの遺骨と、キリストがかぶった茨の冠のものとされる棘が納められている。
ドームの高さは97メートルで、イタリアで4番目に高く、ローマのサン・ピエトロ、パンテオン(高さは小さいが幅は広い)、フィレンツェのサンタ・マリア・デル・フィオーレに次ぐ大きさなのだそうだ。
13日の「ファテイマの聖母」の祝日を目前に聖母に祈りを捧げる。
サン・ミケーレ・マッジョーレ教会
こちらも聖母像
歴史を感じる細い石畳みの道。高い塔もあちこち覗けた。
青い空、緑の大地と綺麗(かどうかはわからないが)な水。それだけで小さなことに拘らず、寛大に、豊かに生きようとさえ思える風景。(Naviglio Pavese)
サン・ピエトロ・イン・チェル・ドーロ教会 (San Pietro in Ciel d'Oro) こちらも聖年のパヴィア教区の巡礼指定教会。
こちらに聖アウグスティヌスが眠っている。アウグスティヌスは5世紀前半に活動した北アフリカ出身の著述家で、キリスト教の聖書解釈に大きな影響を及ぼし、教父とみなされるひとりである。
アウグスティヌスの墓は1695年10月1日、サン・ピエトロ・イン・チェル・ドーロ教会の床の敷石の一部を取り替える作業を行っていた職人たちによって再発見されたという。
亡くなるまで北アフリカにいたというので、すっかりお墓はアフリカにあるものだと思っていた。
アウグスティヌスと母モニカ。
モニカはキリスト信者の母親の模範、また保護者とされているが、モニカはアウグスティヌスとその回心のために祈り続けた。そして、アウグスティヌスが信仰に立ち帰って聖アンブロジアウスより洗礼を受けるが、聖モニカの「涙の賜物」と呼ばれている。
地下には、アニキウス・マンリウス・トルクアトゥス・セウェリヌス・ボエティウス(古代ローマ末期のイタリアの哲学者、政治家、修辞学者。)のクリプト(地下墓地)があった。
ブックショップへ入る手前の聖具室。思わずウロチョロしたくなったが、修道士がいたので我慢。携帯電話を見ていたようだけれど...。笑
去るコンクラーヴェで選出された新教皇・パパ・レオーネ14世は聖アウグスチノ修道会出身。修道会のトップでもある総長も経験されておられる。その彼のために祈りが捧げられていた。
このバジリカに眠る聖アウグスティヌスが、聖なるカトリック教会を導くために教皇レオーネ14世を守り、助けて下さいますように。
聖アゴスティヌスの石棺。
2007年、前々教皇べネディクト16世が、こちらを訪問された際、当時総長でおられた現教皇との記念写真がアルバムごと展示されていた。
また、こちらは聖リタに捧げられた祭壇。
聖リタの指の骨。聖リタも聖アウグスチノ修道会出身の聖人だ。
聖リタは、絶望的状況、必死の状態、望みがない時、不可能な願いを抱く人、病気、怪我、母、結婚問題、不妊、虐待、子育てに悩む人々の守護聖人。
壁に沢山の教会返礼であるVotoと呼ばれる、願い祈り叶った際や巡礼時に教会にお納めする品が、所狭しと飾られていた。きっと悩みを抱える方々が、聖リタに祈りを捧げ続けていたのであろう。
余談だが、私も95年ローマに住んでいた頃、婦人科系の病気でいきなり入院し、言葉も状況も全く理解できず、夫は出張中でまさに1人きりで不安いっぱいの時、誰かがベッドに聖リタのお札を置いて行って下さった経験があり、見知らぬ人が祈りを聖リタに委ねられたのだという救いの思い出がある。
ちなみに5月22日は聖リタの祝日でバラの花の祝福があると言う。教会周辺にバラの花の出店がいっぱいとなり、一日中たくさんの人が花を持って祝福してもらいに来るのだと言う。また、花束を祝してもらい、友達に一本づつプレゼントするのだそう。調べてみたら、ミラノのサンタ・リタ教会でも記念ミサが午前、午後と5回行われ、参列者にはバラの花が配られるようだ。
帰りの電車を気にしつつ、巡礼するにはあまりにも時間が足りなかった。しかもあまりにも行き当たりばったりの訪問だったので、できれば8月の聖アゴスティヌスの祝日にもっと予習復習してから再びパヴィアを訪ねたいと思った。


































