サンタルチア 2023 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

 

今日12月13日はサンタルチア、つまり「聖ルチアの祝日」。

 

『ルチア』とはラテン語で光を意味するLuxまたはLucidから派生した名前。304年にシチリア・シラクサで殉教。

 

ルチアは拷問で両目をえぐり出されたが、奇跡が起き、目がなくとも見ることができたという。故に、絵画や像では、彼女はしばしば黄金の皿の上に自分の眼球を載せた姿で描かれている。というわけで、彼女は、目、及び視覚障害者、そしてシラクサの守護聖人及び、ナポリの船乗りたちの守護聖人でもある。

 

ところで何度も書いているが、北イタリアのベルガモやクレモナあたりでは、バッボ・ナターレ(サンタクロース)ではなく、サンタルチアが真夜中に(12日の真夜中)ロバに乗り、煙突を通って暖炉から家の中に入り、プレゼントを持ってくると信じられている(?)伝統がある。子供たちは暖炉の中にロバのエサ用に藁や人参を準備すると言う。

 

サンタルチアは、早く寝なさい!と言う親の言うことを聞かずに自分の姿を一目見ようと起きている子供たちには、目に灰を投げつけ、プレゼントは置かずに去ると言う恐ろしい魔女?!

 
余談だが、ファシズムの時代、ムッソリーニは「サンタルチア」の名を借りて、子供たちに衣類、木靴、菓子類などのプレゼントをしていたという逸話が残っているらしい。
 
前置きが長くなったが、シッター先の両親はまさにベルガモとクレモナ出身なので、このサンタルチアの伝統で成長したと言う。しかも教会にサンタルチア宛用のポストがありママさんは手紙も書いたこともあると言う。
 
ツインズたちは、ミラノで生活しているため、周りでこの伝統にそってプレゼントを一足早くもらう子はそうそういないと思うのだが、ママさんが子供たちに伝統を継承させようとしているので、サンタルチア宛の手紙を準備したのだと言う。

 

そして今朝行くと、届いていたプレゼントがこちら。

 

 

 

(これは私から。爆)

 

 

他にも色々あったが(多分ノンニ(祖父母))からかなりの量。しかもどれが誰宛、というのではなくてざっくり3人用。爆 しかし、少なくともツインズは同じ電動ノコギリと、電動ドライバーを欲しがり、1人一個ずつ順番!と言っても2人とも一度に2つ遊びたいわけで大喧嘩になる。

 

今日も長男と三男は体調不調で1日家におり、私も朝からフルタイムであったが、長男は1日自分の好きな物を独り占めにした癖に、次男の帰宅で案の定大喧嘩。(きっと次男は今朝サンタルチアがおもちゃを持って来た!と幼稚園中で喋りまくっていたことだろう。笑)

 

それにしても、工具のおもちゃは小さなネジ系が多いが、半分以上は無くすことであろう。床に這いつくばって探し続ける日々なのかと思うとゾッとする。勘弁して〜。

 

とはいえ、おもちゃもいいけれど、サンタルチアのお恵みも考えたいものである。

 

自分は目に見えないものは信じない、という人がいる。でも心の目で見ないと見えないものも沢山あるのだ。

 

星の王子様でも「たいせつなものは目にみえないんだよ。かんじんなものは心の目で見なくちゃ」と言っている。
 

また、聖書には、あなたは、兄弟の目にあるおがくずは見えるのに、なぜ自分の目の中の丸太に気付かないのか」(マタイ7ː3-4)という言葉がある。人は、自分を棚に上げ、人は他人を批判し、捌きがちだ。下手したら、その人の中に自分を見ることだってあるかもしれないのに…(私自身、他人を批判し、あとからヒヤッとすることがしょっちゅうある。)

 

いずれにしても、自分の中にある「不寛容さ」という丸太が目の中に現れてしまう。それを完全になくすことができないとしても、丸太が入っていることを自覚して生きていくことは大切かもしれない。

 

また、心の目がドライアイになったり、濁らないよう、心がけていこう。