聖母被昇天とドウモ見学 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

 

今日8月15日は、カトリックでは「聖母被昇天」の祝日であり、イタリアは国の祝日。クリスマスや元旦同様、お店はほぼどこも閉まっており、今朝は物音しないほど静かで思わず9時まで寝てしまった。

 

ミサの参列者も数えるくらいの高齢者ばかりであった。

 

ミサのお説教中に、誰かの携帯電話が鳴りだした。あまりにもなったままだったので、さすがに司祭もお説教を中断し、「主からの連絡かな?」といって笑いを誘ったが、あとからわかったが、友人の92歳のお母さんで、いきなり鳴った携帯電話に対処できず、慌てふためていたようだった。

 

ところで、「聖母被昇天の祝日」は、聖母マリアがその人生の終わりに、肉体と霊魂を伴って天国にあげられたという信仰で、キリストが自らの力で能動的に「昇天」(ascensione、アッシェンスイオーネ)したのに対し、聖母マリアは聖霊の力で受動的に昇天したので、「被昇天」(assunzione、アッスンツィオーネ)と呼ばれる。

 

また、「聖母被昇天」といえば、「フランダースの犬」に出てくるルーベンスの絵画「聖母被昇天」が有名。

 

ルーベンス 聖母被昇天 | だまけん文化センター

また、ティツイアーナも2点、同名の作品を描いている。

  
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しかし、ミラノにいるのならば、「聖母被昇天」といえば、ドウモのステンドグラスだろうか?それは、ドウモ、正面中央入口上部にあり、「三位一体」の場面の下に位置する。
 
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こちらは正面祭壇。
 
先日、一時帰国中の司祭と珍しくミラノ観光をした。正面左側、祈りや告解のための入り口から入り、係員に頼み、正面祭壇の前まで行かせてもらった。また有料ではあるが、地下礼拝堂と遺跡エリアに初めて入ってみた。ちなみに司祭は無料であり、案内して頂いた!
 
そこには、ミラノの大司教であり、偉大な聖人である聖カルロ・ボッロメーオの遺骨が安置されている。

 

 
 
そして、↑こちらは4世紀後半に、ローマ帝国の神学者「アウグスティヌス」が、聖アンブロジウスによって洗礼を受けた洗礼堂跡。お風呂のように大きいのが特徴。一緒に行った方の洗礼名が「モニカ」で、貴女の息子が洗礼を受けた場所よ~っといって笑った。

 

ミラノのシンボルであるドウモは聖母マリアに捧げる大聖堂となっており、最も高い尖塔にはマドンニーナと呼ばれる、黄金のマリア像が奉られているが、実はドウモは、現在のドウモ地下にある2つの聖堂と礼拝堂を包み込むように建てられているのだ。

 

余談だが、聖フランシスコ・ザビエルは1549年8月15日に鹿児島に上陸した。その日が聖母の被昇天の祝日だったので、ザビエルは日本を聖母マリアに捧げたとされている。

 

聖母マリアの謙遜さ、他者を思いやる心、神にすべてを委ねて生きる生き方...マリアを模範としたいもの。

 

聖母マリアのとりなしによって、皆様の上に、神様からの豊かな祝福がありますように。