空手の師範が本帰国され、黒帯でイタリア本部を運営し始め早2カ月。
もう二か月?まだ二か月?そんな感じだ。早いと言えばものすごく早い。私は黒帯の方でも下っ端なので、上が言うことに従い、サポートするのが役目。
以前から週に3-4回は稽古に出ていたが、今までは自分のためだけであったが、今や目を360度に光らせ、まずは怪我がないように、そして、ゆるみがちの人をどうひっぱっていくか、そして、どうすれば全体が気持ちよく、前向きになれるか頭をひねる。
来月、師範が来伊されることになり、普段の稽古の合間を縫って、特別稽古が催され、最後の日に毎年秋に行われている秋の大会、「華厳の陣」が行われる。
華厳といえば、日光の華厳の滝を思い出すが、本来は、仏教用語で、多くの修行、功徳を積んで徳果が円満に備わり、仏になることをいうらしい。その修行を華にたとえ、その華で仏の位を飾るというもの。
秋の大会の目玉は、型のペア型は、親子や兄弟型のみならず、友達型も可能。3年前、師範に勧められ、当時66歳のM と組んだ。当時の日記を読み返すと、大会前2週間前に100回は練習を重ねたというから、驚いた。一勝もできなかったと記憶しているが、それでもMはぐっとうまくなった、がペア型でよくあるのは、普段、伸び悩んでいる子(大人も)が、ペアを組んだ人の引き上げる力が上手く発揮され、ぐーんと引き延ばされること。そのまま続行してほしい!と思うが、結局はしゅーんと風船がしぼんでしまうようになぜか元に戻ってしまう人がほとんどなのだが、Mもご多聞に及ばず。
それでも、それ以降彼は私に対し、絶対の尊重を示してくれ、何かあるたびに、「また組もう!」と言われていた。笑
今回の大会は、一応全員参加といわれているので、個人戦にさっさと出てしゅーりょー!と思っていた。
それでも、誰かいれば組んでもいいかな…と思っていたのに、大会の発表があった日に発熱し休んでしまった。タイミングを逃したな…と思った。次にMに合った時、「Hと組むことにしたよ!」と言われ、あちゃ~ふられたわ~と思ってしまった。苦笑
今回はかなり面白いペア型が組まれていると聞いた。何人かに「やらないの?」と聞かれたが、相手がいないし…というと、数日前の夜、黒帯のメンバーとチャットしており、やはり誰とも組まないのか?と聞かれ、相手がいないし、と答えると、誰それと誰々が残っている、と言われた。うーん、やるとした後者かな?というと、早速相手に聞いてくれたらしい。はじめは乗り気ではなかったらしいが、私が彼を嫌でないのなら、喜んで!ということだったらしい。では「いいですよ」と答え、決定。
今日、稽古で顔を合わせた。私より数年年上の緑帯。夏の内輪の稽古後、何度か一緒にピッツァを食べに行った。ぶっきらぼうに見えたが、気さくな人だと分かった。
とにかくペア型は、技はもちろん、呼吸、歩幅、全てにおいてシンクロしていないといけない。大抵親子型の場合は、子供が前に立ち、親が後ろに立つケースが多いが、裏正面になれば合わせるのは逆になる。選択した型・ワンスーは四方に動くが、基本彼が前に立ってくれれば私が合わせるから、といったのだが、私が前になってくれ、という。
彼の型を見せてもらい、本当に自分のことは棚に上げられないのだが、うーん、最低限どこを直そうか?とりあえず、ビデオを門下生の見学者にとってもらいこれからチェック。まだ丸まる3週間は時間がある。彼とは週に2-3回稽古が重なるので、どうにかできるところまで持っていきたいが…
勝ち負けよりも、たとえ、股関節が硬いとか、覚えが悪いとか、問題があっても、ちょっとしたタイミングやら技の見せ方でキレが出てきたり、今までにない表現が出てくる。
気持ちが変わり、型が良くなることで、稽古に対する心の持ち方も変わってくることだろう。そして何よりも私のモチベーションがアップする↑。
「空手は湯の如し 絶えず熱度を与えざれば元の水に還る」。 日々怠ることなく稽古に励まなければ大成は難しく、怠れば後退を余儀なくされてしまう。稽古とは技を磨くのみならず、やる気や集中力、忍耐力、継続力。そして常に向上心を持つこと。
空手ばか主婦。いくつになっても空手好きで情熱を失わないようにしていたい。

