タータ日記 〜 その30 スキンシップとオキシトシン  | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

早速今日から仕事復帰。

 

昨日グリーンパスの内容が書き換えられた。そして、本来はロンバルディア州から治癒証明書がないと仕事に戻れないのだが、早朝にその旨シッター先のパパさんに連絡すると、一切問題なし、と返事が来た。とは言え少し遅れて午前中証明書が出た。

 

パパさんは今朝ほど薬局にて陰性。ママさんはこれから3度目のワクチンという時の出産だったので、10日間の隔離となりいまだ隔離状態。それでも今日、家で検査キットで検査したら陰性であった。新生児は病院で2度も検査されたそうだが2度とも陰性。ツインズは結局検査はしておらず。出産時、パパさんが陽性が判明したが、ツインズを義妹夫婦に預けて病院を行ったり来たりしたそうだが、義妹夫妻は陰性だったという。しかし、ママさんの祖父母が毎日通いでツインズの面倒をみていて陽性になってしまったそうだ。肝心な私があてにならずもう踏んだり蹴ったりだったようだ。とはいえ、噂通り、皆軽傷だったが、その感染力は恐ろしいものだ。義妹夫妻や我が家の次男がもずっと陰性であるというのも、もしや既に症状なしでかかっていたのだろうか?不思議でたまらない。今やかかっていない人を探す方が難しくなってきた。

 

そしてついに、生後一週間の三男君に会った。新生児ってこんなに小ちゃかったっけ?それでも見事に大きな声を出して泣く。「チャオ〜っ!」といって体に触れると、ふと泣き止んだ。矢張り触れられると安心するのだろう。ツインズたちは金髪で、一人の目はグレーがかったブルーで、一人はブルーと緑が混ざったような色。しかし三男は髪も目も黒く、肌も浅黒い。本当に不思議だ。

 

ツインズたちは、新しくやってきた弟に対し、まだジェラシーもないのか?逆に兄弟で仲良く遊んでいた。出産前のようにママさんを追いかけることもなかったが、逆に私が行ったことで、二人とも交互にずっと抱っこか膝にいて、トイレに行ってもママーといって追いかけてくるくらいだった。

 

私が休んでいる間、つまり一週間中一度しかお風呂に入れてもらっていなかったようで、久々のお風呂は気持ちよさそうだった。毎回真っ白な泡を顎や顔の周りに付けて、”babbo natale"バッボナターレ、サンタさんといっては嬉しそうな顔をする。

 

それにしてもソファの下やら居間の大きな棚の下から大量の小さなおもちゃ(木製のドミノやパズル)や本までが出てきた。流石におじいちゃんおばあちゃん、床に這いつくばってまでおもちゃを取り去ることは出来なかったようだ。

 

ところで、我が家の子供達の絵本を数冊持って行っているが、レオ・レオニの絵本"Piccolo Blue e Piccolo Giallo"(邦題「あおくんときいろちゃん」)はツインズ、特に弟のお気に入り。これはレオ・レオニが自らの孫のために作ったという話しなのだが、仲良しのあおくんときいろちゃん。ある日、お留守番を頼まれたあおくんは、どうしてもきいろちゃんに会いたくて、遊びに出かけてしまうのだが、留守だったきいろちゃんを探して探してやっと見つけた時、嬉しくて嬉しくてたまらなくなって抱き合うが「みどり」になってしまう。

 

読み聞かせをし、そのシーンになると、必ず我先と、ツインズは私の首に腕を巻き抱きついてくる。一度は離れるのだが、お父さんにもお母さんにもあおくんときいろちゃんはうちの子じゃない!と言われ、大泣きをする。青と黄色の涙を流し、涙がなくなると、彼らは元の色に戻れるのだ。これで信じられるでしょう?と両親にいってあおくんときいろちゃんは再び抱き合うのだが、またそのシーンになるとツインズ達は私に抱きついてくるのだ。

 

嬉しい時は、私にバッチョ(キス)までしてくる。自分の子供たちはどうであっただろうか?やはり体で表現する心と体のバランスの重要さを改めて感じる。

 

ママさんは子供を抱くことを「抱き癖がつく」といって嫌がるが、子供が抱っこを求めるのは自然な欲求ではないだろうか?我が家は3人ともずっと抱っこして育ててきた。その分腰痛がひどいのだけれど..

 

オキシトシンは抱っこしてあげる側にも安らぎやストレス解消といった恩恵を与えてくれる。母親が抱かないのならば、タータの私が抱っこしてあげればいいだろう。本来母親のスキンシップは子どもの情緒を安定させるものだ。

 

スキンシップは子育ての基本。肌のふれあいはタータも癒される。きついけどいい仕事だと思う。