ミラノには冬に咲く並木道がある。
以前紹介したミラノのヴェルディの像があるブオナロッティ広場の近くではあるが、あれは11月の桜でまた種類が微妙に違う。今回は八重桜か?
自転車で信号待ちで、あれ桜?と思い引き返して画像を撮って来た。
桜の花 散り散りにしも わかれ行く 遠きひとりと 君もなりなむ by折口信夫
小学校を卒業する時に、担任ではなかったが、ある先生がサイン帳に書いてくださった桜の季節になると思い出す歌だ。
桜の花がはらはらと散りゆくように、君は別れて、遠い人になってしまうのだろうか。
正に、「惜別」の歌であり、人と人とが別れ行く、「卒業」という節目の情景を映し出す歌である。
日本の殆どの学校には「桜の木」があるのではないだろうか。卒業の3月、入学の4月、別れと出会いの季節を彩る花として、桜がある。父の眠る墓も春は桜が満開だそうだ。だからこそ、桜は日本人の心の琴線に響く。
そんな桜がイタリアでは卒業とも入学ともずれた時期に咲いても、やはり心が動く。ちなみに、桜の花言葉は品種に関わらず桜全般「精神の美」「優美な女性」なのだそうだ。
「精神の美」は春の到来とともに一斉に花開く華やかさと、潔くもはかない散り際の様子を連想させる。また「優美な女性」は桜の花の美しさを女性にたとえて付けられたと言われている。
また八重桜は「豊かな教養」「善良な教育」「理知」「しとやか」「理知に富んだ教育」とあった。
入学や卒業シーズンと開花時期が重なるので、教育に関する花言葉が多いのだろう。確かに教育機関に「桜」がつく名前が多いことに気がついた。




