働くということ 〜 その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

最近、日本にいる長男と電話で話す時は、大抵彼の仕事の愚痴聞き係だ。

 

以前引っ越しの仕事をしていた時は、きつくても愚痴一つ言わなかったのに、今回は飲食業。本来キッチンのアシスタントの募集で入ったが、バーテンダー、ホールにキャッシャー全てを任されるようになったと言う。勿論人が足りないようだが、たとえ人数はいても週に数回、とか後は状況に適応できない人が多すぎると言って怒っているのだ。

 

繁忙期であり、場所柄平日のランチはもちろんディナーに週末も、常に混み合っているお店のようだ。私も若い頃通ったことがある。

 

彼が言うには、ホールの仕事は目の前のことだけをすればいいわけじゃ無い。全てが流れ作業であるが、チームワークであり、360度見て動く事が大切だと言う。彼からそんな言葉が出るとは意外だった。以前の彼だったら口だけでスマートに動くなんて考えられない事だ。

 

その流れを乱されるとクレームになるから、結局自分に皺寄せがくる。「いいんだよ、全て自分の経験になるから」、と言いつつ、大変な状況、その空気が読めず、反省しない同僚に腹を立てている...わかるわ。学校じゃあるまいし、全てを教えてくれるわけではなく、そして誰もが失敗や経験から学ぶと思いつつも、学ばない人の多さよ。しかも高校生のバイトあたりなら仕方ない。しかし、自分よりずっと年上で社会経験もある人がそうであると、その仕事向いて無いんじゃ無いの?上はなぜそう言う人を取るのか?所詮数だけいればいいのか?と思うのも仕方ない。

 

先日の物産展でも、チームワークが重要なのに、いきなり違う事をしだす人。自分の権利だけ主張して仕事自体は適当にしている人も多々いた。要領がいい人、悪い人世の中それだけじゃ無いが、多忙な中で見えて来る人の動きにため息...

 

ただただ、長男には飲食業のみなく、どこにでもあることなんだよ。と言った。少なくともイタリア語や英語も使え、いい仲間もいるから今は辞めないとは言っていた。

 

とりあえず、すぐに投げ出すことはなく良かった。どんな分野であろうと人に揉まれると言うことは大切だ。世の中や自分の人生はそうそう思うようにならない。高学歴でエリート思考、折れた経験がない人ほど、人に揉まれながらも、人の動きを見ながら采配を振るうのは苦手かもしれない。若いうちから、苦労や経験は買って出ておいた方が良いと思う。

 

今はすべて勉強だと思い何事も経験すればいい。たくましく育って欲しい。

 

 

 

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