Oratorio Estivo 2021 オラトリオ 〜 その2 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで32年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

6月をもって2021年度夏のオラトリオが終了した。
 
オラトリオ担当の司祭がサンシーロ小教区のもう一つの教会のオラトリオも取り仕切っているので、別の責任者のシスターから、司祭館へ出向くようメッセージをもらった。
 
なかなか時間が合わず、日曜日のミサのあとに主任司祭に会いに行くと、お御堂の奥のサグレスティア(香部屋、聖具が置いてあるところ)から、オラトリオを手伝ってくれたお礼に好きな花をとっていいよ、と言われた。
 
多肉植物の割には可愛い花を咲かせるカランコエだ。いろいろな色があったが、迷わずフクシアをいただいた。
 
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とはいえ、お礼だなんて...よくイタリア人は、「ありがとう」というと、"di che?" 何が?何に対して?というようなことをいうが、まさにそんな感じ。たまたま空いていた時間に、出来ることをしただけなのだ。以前は毎日時間が有り余るほどあったから行けていたが、中には仕事の昼休みを利用して手伝いに来ているパパさんもいたりして頭がさがる想いだった。
 
ただ、一つ言えることは、いつも折り紙や切り紙を教えてきていたが、要領のいい子、扱いやすい子、またその逆で悩みながら時間をかけて進んでいく子、全く興味もなく人の邪魔をしてはヘラヘラしているような子も沢山いる。学校の先生は本当に大変だろうなあと思う。
 
特に、外国人の多いミラノは、子育てを放任している家庭もかなりいるし、中学に入り、留年、留年を繰り返し、やっと卒業しても、年齢的には義務教育が終了しており、何をしているかわからないような子たちが午後のオラトリオに来てはなにかと問題を起こすことも多かった。
 
特に、サンシーロ地区は貧富の差があり、こういった「学業不振」問題、さらに親の失業や生活保護を受けている家庭、子沢山、ひとり親世帯...などが混在しており、意外に宗教関係なく夏のオラトリオに来ている。
 
確かに、扱いやすい子たちが多ければ、いろんなことを教えられるだろうし、打てば響くのは面白いかもしれない。しかし、一筋縄ではいかない子たちにどう心を開いてもらうか、素直に向き合ってもらえるか、それは忍耐と愛情がなければできないことだと実感したものだ。
 
以前、オラトリオで一緒だった子たちが今年は、まだちょっと頼りなかったが、リーダーになっていた。数年後もっとしっかりすることだろう。
 
ところで、いただいた花の「カロンコエ」の花言葉は、日本では「幸福を告げる」、「たくさんの小さな思い出」、「おおらかな心」、「あなたを守る」という意味があるという。それは、カランコエが星の形をした花を無数に集合して咲かせることや、花の形が釣鐘状に咲いて幸せを運ぶベルに見えることなどに由来しているのだそうだ。また、ヨーロッパでは、では、「人気」や「人望」という意味なのだそうだ。
 
カランコエは、日当たりの良い場所で育てるのが理想だが、夏の強い日差しに浴びせてしまうと葉焼けを起こすことがあるため、真夏は直射日光を避け、明るい日陰の場所に移すのが良いそうだ。乾燥に強い多肉植物なので、水のやりすぎは良くないそうで、また冬の寒さにも弱いのだそうだ。意外に繊細なのね。
 
過去にオラトリオから頂いたお礼の中で、花は初めて。カランコエを育てながら、オラトリオの子供達を思い出すことだろう。