21日、外国の国籍を取得し日本国籍を失った人たちが、日本の国籍法の規定によって二重国籍が認められないのは憲法に違反すると訴える裁判が、東京地方裁判所で判決を言い渡された。二重国籍を認めない規定をめぐって初めての司法判断となった。
国籍法:
第十四条 外国の国籍を有する日本国民は、外国及び日本の国籍を有することとなつた時が二十歳に達する以前であるときは二十二歳に達するまでに、その時が二十歳に達した後であるときはその時から二年以内に、いずれかの国籍を選択しなければならない。
2 日本の国籍の選択は、外国の国籍を離脱することによるほかは、戸籍法の定めるところにより、日本の国籍を選択し、かつ、外国の国籍を放棄する旨の宣言(以下「選択の宣言」という。)をすることによつてする。
第十六条 選択の宣言をした日本国民は、外国の国籍の離脱に努めなければならない。
判決では、東京地方裁判所の森英明裁判長は「憲法は国籍を離脱する自由は定めているものの、国籍を持ち続ける権利については何も定めていない。国籍法の規定は二重国籍の発生をできるだけ防ぎながら、国籍を変更する自由も保障していて、立法目的は合理的だ」と指摘した。
非常に難しい問題だ。なぜならば、日本に住んでいる日本人にとっては、ほぼ関係のない話題なので世論喚起は難しい。
子供達が在ミラノ日本語補習校に通っていた頃、長女のクラスメートの保護者の方が発起人となり、複数国籍を容認する請願として補習校の保護者を中心に署名を集め、国会議員を通じ国会に提出していた。しかし、結局国会に提出したところで、内閣が変わるたびに、議会に取り上げらてもどうなっているのかわからない現状だった。
ところで、テニスプレーヤーの大坂なおみ選手の二重国籍について、多くの人たちが彼女に二重国籍を与えるべきと思っただろう。なのに、国会議員の蓮舫議員の二重国籍については批難する人が多かった。不思議だ。一般人と政治家の問題か?それともその人のバックグラウンドとなる国との歴史の問題か?
二重国籍について考えられるのは、以下のパターンが考えられる。
1)日本人が意図的に外国籍を取得したケース。
2)日本人が国際結婚などで自動的に相手の国の国籍を得た場合。
3)外国人が日本国籍に帰化した時。
4)国際結婚の子供など、未成年のうちに複数の国籍を持つケース。
我が家は日本人家庭であるが、私自身、イタリア国籍を取ることは毛頭考えたことはないし、永住するつもりもないが、子供達の場合は別問題。特に長女の場合、まあ日本人と結婚することはないだろうし、きっとイタリアにこのまま住み続ける際、外国人としてずっと滞在許可書を持ち続けるというのもどうなのだろう?と思う。半永久の滞在許可書とはいえ、原則10年に一度更新であるし、住所やパスポートの変更云々の度に変更届を出さなければいけない(ことになっている)。意外に彼女はあっさり、日本国籍を放棄するかもしれないが、とは言えそれはそれで仕方がないと思っている。
それにしても、二重国籍の場合の取り締まりも、法的な罰則もない。蓮舫議員のように話題に上がらなければ、外国の国籍を放棄することは「努力義務」で終わり、強制されない。それに伴うチェック機能もなければ、離脱に努めていない時の実際的な罰則も何もないのが現状。とはいえ、イタリア国内での滞在許可証も似たようなものだが...苦笑
何れにしても、「権利」があれば「義務」も生ずる。出入国管理や外国人保護権にも関係してくるので、二重国籍を認めている国も実際それを支持しているか?といえば、難しいところだろう。
二重国籍者が国籍を持つ一方の国にいる時は、その国の要求が優先するが、もう一方の国で困難に遭遇した場合、援護できる範囲が狭まる可能性も出てくるかもしれない。必然的に国際的な制度でもある。
だからこそ、治安や安全保障の確保のためには、国籍は複雑でないほうが管理しやすいのは確か。無制限な容認は、思わぬ弊害を産むことが多いからだろう。
「すべての者は、国籍をもつ権利を有する。何人も、ほしいままにその国 籍を奪われ、又はその国籍を変更する権利を否認されることはない。」 ~ 世界人権宣言第15条
しかし、国籍問題は根が深く、簡単に決められないし、慎重であるべきだと言いつつ、まだまだ論争は続きそうだ。


