今日久々中華街へ出かけてきた。
先週何かと忙しかったので、出かけられなかったが、それでも10日ぶりだっただろうか?
知人の中国人のじいちゃんのお店によると、じいちゃんの息子(中国人とイタリア人のハーフ)に「ちょうどT子の噂をしてたんだよ。最近来ないな...」と。すると、じいちゃん、「中国コレアが怖いか?」というから「コロナウイルスでしょ?」といって笑った。
確かに中華街のメインストリートは人が普段より少なく、特に食品を扱うお店はガラガラ。「スーパーにはお客が全然いなかったね。」というと、「あーみんな病気なんだよ。ここがね。」といって頭を指差した。確かに、安全のために...と思う人がいるのだろうが、安全って何?中国から発生し、イタリアでも発覚したのは中国人だったということもあるが、全ての中国人がウイルス保菌者なわけがなく、ましてやアジア系全体が「悪」のような見方をするのはどうなのだろう?
商売にも打撃を受けていることだろう。TV局のカメラが来ており、インタビューされている人がいた。
ところで、現在、イタリア人の友人宅に間借りしている日本人大学生も今月ヴェネチア旅行に行くことになっており、宿泊先も全て決まっていたというのに、名前がアジア系だとわかったのだろう。お断りの連絡が入ったのだそうだ。
偏見と人種差別としか言いようがない。
「イタリアにおいて現時点で特定された二人以外の新たな症例は記録されていないにもかかわらず、偏見と不確かな情報は、コロナウイルス以上の大きな損害といえよう。このところ、日々のニュースではイタリア在住の中国市民や観光客に対する不寛容な行為が報告されている。この状況を鎮圧させるためにあらゆる注意を喚起させる必要がある。」と元ミラノ市長のピサピア氏がフェースブックにおいて警告していた。
いや、中国人だけに限らずアジア系全てであろう。日本人とのハーフの友人も現在ともに、空手の夏の合宿を企画しているが、宿泊所を予約する際、自分の名字に反応する人はいるかしら?だったら夫の名字で書いた方がいいかしらね?などと冗談半分に話していたが、どこでどういう人に会うかわかったものじゃない。
結局無知の無知なのだ、と思う。
上記じいちゃんは、コロナウイルスだけに限らず、普通のインフルエンザだって年寄りは死ぬ時は死ぬんだ!という。補足をすれば、お年寄りに限らず、乳幼児や免疫力の低い人は、全てに対して気をつけなくてはならない。
「今日、Yは学校か?」というので、今朝出かけたけれど、気持ちが悪いと言って帰宅して今家にいるんですよ、というと、「あーそれは中国コレアだな」と笑う。だから、コロナウイルスでしょ?
また、中華街の旧正月のパレード見られなくって本当に残念!というと、また来年があるよ。旧正月は逃げないからね!とじいちゃん。
それにしても、無知、レイシズム、偏見に対するワクチンはないのだろうか?
ミラノの日常 「コロナウイルスと人種差別」