出かけ間際に鏡を見て、髪型が気に食わないと思った。以前お気に入りの美容師(中国人)がいたのだが、行きつけのお店の支店に移ってしまい、数回彼のいるお店に行ったが、不在の時もあり、時間をかけて行くわりに不在ではたまらない!結局地元の行きつけに戻った。
以前も書いたと思うが、私は髪の量が多く、髪質も硬いのだが、前下がりで後ろのトップにボリューム感を出すボブが好き。イタリアの美容室へ行くとどうしてもヘルメット型にされてしまい思うようなラインにしてもらえない。意外に中国人と頭の形が似ているのか?中国人の美容師の方が私の理想の頭に仕上げてくれる確率がかなり高いのだ。
ところで、在イタリアの中国人はイタリア風の名前を持っている。(といっても洗礼名のようではなく、ニックネーム感覚か?)皆わりに、よくあるイタリア人名をつけているのだが、その美容師は”ツッケロ”といった。ロック歌手の”ズッケロ”のつもりが、発音の問題で”ツッケロ”になってしまったのだろうか?唯一知っているのは、彼の苗字は「峰」”Feng”だったということ。
思い出して夏前に再び支店へ行って見るとまたまた不在。オーナーの奥さんは今、ヴァカンスで中国に帰国中なの。また帰ってくるから、と言われたが、何気にスタッフに聞いてみたら、そんな子はこの店舗にはいない、と言われた。結局辞めてたのか?
今まで行ってたお店は悪くはないが、カットがマンネリ化してきた。と言うか私の求めるカットのラインとは微妙に違う。思い切ってお店を変えたいがどこに行っていいかわからない。シャンプーを待っている間に、隣り合わせになったおばあちゃんと話していたら、どうもツッケロは地元デアンジェリ界隈の美容室にいるようだ、という噂を耳にした。とはいえ、今や中国人経営の美容室は星の数ほどある!しかも、おばあちゃんばかりが行くようなお店はやはり技術的に期待できない。
さあ、どうしたものか。長女に聞くと、ヴィア•ロマッツォあたりがいいんじゃないの?と言われた。何回か通った手打ちラーメンのお店とナスのはさみ揚げがおいしいレストラン、旺角がある通りだ。
中華街へ行き、誰かカットが綺麗な人はいないだろうか...とキョロキョロしながら歩いてみたが、そういう人には出会わず。数軒スーパーに入りゴボウやらお米を購入。キャッシャーにいるのは、どこも昭和のパーマ屋さんに行ってきたんですか?というようなチリチリパーマ頭のおばちゃんばかりだ。違うよな...と思った。そこで、そうだ!と思い、最近行きつけのスーパー兼カフェのあるムードマーケットへ行くと、欲しいものはなかったものの、キャッシャーにいた女の子は今時の金髪というかベージュのようなカラーでまっすぐなストレートヘアの若い中国人だった。「この辺でおしゃれな美容室を知っていたら教えて欲しいのだけれど」と聞くと、自分はこの先曲がったところのお店に行っているけれど、カットもカラーも上手ですよ、と言われた。そこってヴィア•ロマッツォ?と聞くと通り名までわからない、と言われたが、確かにロマッツォだった。
早速出かけてみた。あまりにも通りの両脇に美容室がありよりどりみどり。言われたお店を発見。外からまず値段をチェックすると、カット•ブローが20ユーロ。えっ普段行っているところの倍???もちろん、イタリアの美容室、ましてや日本人経営の美容室からしたら、半分以下の値段であろう。まっいっか。一度は試してみるか?と思い勇気を出して中へ入ってみた。
入り口にいたのは数人のスタッフ。なんだ、閑古鳥が鳴いてるの?ロッカーに荷物を入れるよう勧められ、シャンプー台に連れて行かれると、今まで行ったことのないくらいの広さの美容院で内装もおしゃれ。しかもシャンプー台もちょっと洒落ている!流石に中国語の音楽がかかっていたが、まあ許せる範囲。
スタッフは皆若い中国人男性でお客はほとんどが若い中国人で男性も女性も数人いた。悪くはないのかな?シャンプーもいきなり水をかけられたり、いきなり熱くなったり、ひえ〜っ!あち〜っ!と叫ぶこともなく、耳に泡が入ることもなく、そこそこに上手だった。カットの席に連れて行かれると、黒づくめのシャンプー係の男の子とは違い、茶のパンツにベージュ系のジャケットを来た男性が登場!(うーん、趣味じゃない!爆)中国語で話しかけられた。人差し指を左右に振り、わからない!というジェスチャーをし、「中国人じゃありません」とイタリア語でいうと、奥からイタリア生まれ?の中国人の女の子が出てきて、私の注文を聞いてくれ、それを美容師に中国語で説明をしていた。
髪を切る手つき...大丈夫かあ?考えながら切ってる?ちょっと不安になった。私の髪は左側の裾は内側にカールするように生え、右側は逆に外側に跳ねるように生えている。なので、顎を中心に左右の髪が同じ長さに見えるよう切っても、ブローをするとどうしても右側が短く見えてしまう。上記ツッケロは初めにそれに気づき、トリックとして右を長めに切ってくれた。今までの美容室ではマルコ?といったか?は濡れている状態で左右平等に切るので、乾くとどうしても右が短くなってしまいがち。違うよ...!!
やたら、後ろの生え際を丁寧にバリカンで切りそろえていた。大丈夫か?再び不安になった。切り終わった時の状態は、ちびまる子ちゃんのようであった。なんか違う!そのままブローに入った。やだな、やだな、やだな...切り直してもらおうか?一見だから今回は遠慮しとくか?どうしようか?頭の中でぐるぐると堂々巡り。
髪を乾かしてから、再びカットに入った。ボリューム感を見ているようだった。少しずつ裾が軽くなっていく。まあ、悪くはないか?普段、カット、ブローが終わると、鏡で左右、後ろの状態を見せてもらう。ジェスチャーで支持すると、彼は自分の携帯電話を取り出して画像を撮った。見せてもらうと悪くない。というか、ツッケロとは又違う表現法だが、いい感じかも。
20ユーロ支払い、紹介してくれたムードマーケットの女の子にお礼を言いに行った。カットをしてくれた人の名前を聞くのを忘れた!ちょっと冴えない若乃花チックのお兄さんだったな。顔は忘れないから大丈夫。
帰宅し、カットとお店のインスタを長女に送ると、悪くないじゃん!と言われた。
次回は久々カラーに挑戦してみるか???笑 チャレンジャーな私。爆

