毎年帰国の度に、「食べたい物」リストがあったが、そう言うものもすっかりなくなった。
日本のイタリアンのレベルもかなり高くなってきているのだろうが、そもそもミラノにいても外食でイタリアンを食べたいと思わなくなった。また、年のせいだろうか?肉、肉...という気分でもない。
外食よりも出来たら、おうちご飯。夕飯何にする?と母と話しながら買い物。食事の準備...いまさらながら貴重な時間だ。
ミラノにいると、次男との二人の食事が多く、品数も少ないが、実家で、あれとこれと...と献立を考えるのが楽しい。(だからといってミラノに戻ったら元の生活に戻ることだろう)
長女は4年も家を出て自炊をしているが、日本食はほぼ食べないので、母の料理にいちいち感動する。小さい頃、おばあちゃんの家で食べたの覚えてる~!という。味覚の記憶は大事だと思う。
母の料理の中で一番好きなのは、「おから」。母も祖母のおからが好きだったようだ。ただ、ミラノにはおからがないので、おからパウダーを購入していくが、どうも味気ない。数年前家でひよこ豆を使ってお豆腐を作ってみた。そして大量のおからがでたので、おからやおからコロッケを立て続けに作り、当分食べたくない!と言う位作った。
余談だが、おからとは、豆腐を作る際の副産物で、大豆の汁を絞って出てきた水分が豆乳、搾りかすがおから。豆乳はそのまま豆腐になるが、おからは産業廃棄物として処分されるか、豆腐店やスーパーなどでおからとして販売される。今度ミラノの中華街にあるお豆腐屋さんで、おからはないか聞いてみよう。笑
とにかく、食物繊維が豊富で栄養価が高く、カロリーが低いため、ダイエットや健康のためにも良い。
つまり、おからは、豆乳の「しぼりかす」なのだが、からは「空」などを連想し、縁起が悪いことから、特に関東地方などでは「卯の花」と呼ぶ傾向があるらしい。しかし、東京出身の母は、常に「おから」と呼んでいたなあ。
ちなみに卯の花の呼び名は、ウツギという植物が由来。初夏に咲くウツギの花は、卯の花と呼ばれる。卯の花は小さく真っ白で、白いおからの姿がそれに似ていることから、卯の花と呼ぶようになったのだそう。
子供たちも(母の)おからは大好き。これが彼らの「母の味」になるよう、私も精進しなければ...。
「超簡単ぷるるんひよこ豆豆腐」
「今度は豆乳で簡単豆腐」

