夏至 2019 | ミラノの日常 第2弾

ミラノの日常 第2弾

イタリアに住んで30年。 毎日アンテナびんびん!ミラノの日常生活をお届けする気ままなコラム。

🎶西から昇ったお日様が、東〜に沈む〜...
 
と、バカボンのテーマソングを真剣に信じていた小学生時代。爆
太陽は夕方になると西に沈み、夜を迎え、そして明け方になると、温度は東から昇って朝を迎える。太陽が地平線よりも上に出ている時を「昼」と言い、出ていない時間帯を「夜」と定義する。
 
当たり前のことなのだけれど、昼と夜の長さが、季節によって異なると気づいたのはいつのことだろう?夏には、朝かなり早い時間帯に太陽が昇り、夕方もかなり遅くまで空が明るい。逆に冬になると日の出は遅くなり、日の入りは早くなる。どちらの季節でも、太陽はお昼頃には南の空で最も高くなるが、この時の地平線からの高さは、夏の方が高くなり、冬になると低くなる。
 
ちょうど真南を通過する時の、太陽の地平線からの高さを「南中高度」と呼ぶが、それは太陽が地平線から出る日の出の方向、地平線に沈む日の入りの方向と関係があるのですね〜。南中高度が高ければ高いほど、日の出入りの場所は北寄りになる。逆に南中高度の低い冬の間は、日の出入りの場所は、南寄りになる。
 
季節による太陽の動き

季節による太陽の動きのちがい

...と前置きが長くなったが、今日6月21日は夏至。上記の図の通り、一年で最も
昼が長い日のことを言う。ちなみに夏至と冬至では、昼の時間が約4時間から5時間弱も違うというから驚いてしまう。

ところで、前日郊外に食事にいくと、今日から週末まで「夏至祭」という垂れ幕が出ていた。




夏至祭というのは、もともとは自然崇拝のお祭りだったそうで、地球に対する月の支配権を太陽に引き渡す引継ぎ日とされ、一年の中で一番夜が短い日、つまり夏至の日に行われたわけだが、この祭は、この転換への不安に対して悪魔払いをし、邪気エネルギーに満ちていると考えられていたその一夜を無難に過ごすために必要な儀式で、山や丘の上でかがり火を焚き悪魔や魔女を追い払い、厄病を遠ざけるものとされていたという。

また、この時期には聖ヨハネの祝日(6月24日)もあるので、これに関連付けたお祭りが多いという。

 

サンジョヴァンニの日には、多くの人にとって魔術で使うためのハーブを摘む日でもあったそうだ。この日の朝露や夜露にさらされたハーブは新しい効力を持つといわれていた。しかも、この露はまさにヨルダンでジョヴァンニ・バッティスタによって授けられた洗礼を思い起こさせ、野や森に生えるハーブは、メシア出現の先触れとなる使命を果たす前、ジョヴァンニに課された砂漠での厳しい贖罪を想起させたという。また、24日の夜に摘むと良いとされている主なハーブは、別名サン・ジョヴァンニ<セント・ジョーンズ・ワート>とも呼ばれるセイヨウオトギリソウ、ディアナ(アルテミス)に奉げられているニガヨモギ、魔術から身を守る作用のあるバーベナと赤色のフサスグリがあり、その他にも人々はヤドリギ、ニワトコ、ニンニク、タマネギ、ラベンダー、ミント、セイヨウサンザシ、セイヨウヤマモモなどを探しに出かけたのだそうだ。

 

さらに24日の明け方、クルミの木を持っている農民たちはオオムギとからす麦の穂で編んだ縄をその幹に結びに行かねばならず、それによって美味しくて大量のクルミが約束されたという。

 

...自然崇拝とキリスト教が一緒になるってどうよ!苦笑

 

それにしても、夏本番はこれから、というがミラノの天候はこんな感じ。週明けから暑くなるか?