「異端児、常識を疑う」 -23ページ目

レベル7

原発事故当初、レベル4か5としてされてたが、レベル7になった。

いよいよ、東電が悪いと言ってるだけでは事態はよくならないところまで来た。
すなわち、国民ひとりひとりが事態を把握して、防衛し、生活を送らなければならないところまで来たといえる。

テレビに出てる原子力政策推進派以外の専門家の意見はほとんどが、原子炉が大変なことになっていると公言している。
原子炉の破損がひどく、作業員が近づくと即死するほど高い放射線が出てるところもあり、やりたくても出来ない作業が山ほどあるらしい。
地震後すぐの爆発で実は、チェルノブイリの半分近くに相当する放射性物質が飛び散ったとも言われてる。

チェルノブイリでは200キロ以上離れた場所(福島─東京は250キロ)でものすごい汚染地帯があった。
たまたま雨で汚染が集中するホットスポットとなったからだ。
つまり、放射性物質は距離に比例して汚染は薄くなるとは言い切れない。

だから細かく観測してどこでどれくらい汚染があるかを発表しなければならないが、それは忘れられてるのか、あえてしないのか、ほとんど誰も知らないまま生活している。

一時、花粉予報と同じように放射能予報を天気予報で出せと、放射能を測定するSPEEDI(スピーディー)というシステムで発表するという話もあったが、いつの間にか消えた。
一回だけSPEEDIで発表されたが、その値は汚染状況が相当悪いデータだったと武田邦彦教授はおっしゃる。

そして現在、発表は大きくされてない。

ところが法律上、そして国際基準上では、年間1ミリシーベルト以下は安全とされていて、今のところその基準以下だから、政府としては避難命令は出さない。わずかだが死ぬかもしれないが、基準を設けないと半径100キロも200キロもすべてに避難をださなければならないという、現実的でないことになる。交通事故死で例えると、事故死する人がいる限り自動車の運転を禁止するというようなことになる。
だから、パニックを避ける意味でも基準という線引きがある。

つまり、SPEEDIで悪いデータが出ても、基準を超えるまでは、特に避難や待避を命令としては出さない。そしてそれは合法ということになる。


─これからはどうなるか─

人類史上で大量の被ばくを経験したのは広島・長崎の原爆とチェルノブイリ、そして福島原発になる。

チェルノブイリと福島原発の大きな違いは、福島原発は大爆発が避けられてるということのようだ。
もし大爆発が起こると今の100倍ほどの放射線が飛び散るらしく、茨城県なども避難対象になる。

武田邦彦教授の見立てでは、「まだ安全です、安全です」といわれながらも、原子炉は大変な損傷を負い続け、建屋の爆発、高濃度汚染水流出となってしまったことによって、結果的に大爆発を避けられつつあるところまで既に来ていると。
ただし、今後数ヶ月は放射能を出し続け、放射能を浴び続ける長期戦になると。
だから年間の蓄積量1ミリシーベルトなりの数値を個人で確認してゆかなければならないと。

「ヨウ素8日、セシウム30年、プルトニウムは2万4千年」

これは各物質が放射線を発する能力だが、これから飛散し続けるとなると、半減期の短いヨウ素でも、実質ずっと放射線を発することと変わらなくなる。

チェルノブイリの現在の人口分布は、25歳前後の世代が圧倒的に少なくグラフ上ではぽっかり開いている。これは25年前の原発事故のときに当時0歳から5歳くらいの多くの乳幼児がガンで亡くなったかららしい。実は大人はそんなに死んでない。

当然、同じレベル7でも福島とチェルノブイリは様々な状況で違う点は確認されなければならない。

福島原発から30キロ以上離れた比較的安全とされてる福島県いわき市などでも、SPEEDIで見ると放射線濃度の濃い地域になっていて、そこの子供たちは新学期で現在普通に通学している。

誰にも避難指示や適切な処置ができない以上は、何もないことを祈るしかないのか。

もう一つの風評被害

震災、津波、そして原発事故で被災地や避難所には多くのテレビカメラや新聞記者が現地に入ってる。
だが、テレビカメラはおろか運送業者すら誰も寄り付かない場所がある。
それは「福島県南相馬市」、原発事故現場から半径30キロ圏内の場所だ。

原発のない被災地には、多くのテレビ関係者や記者が入り、被災者にマイクを向け「今、必要なものは何ですか?」とやってる。
しかし南相馬にはNHKをはじめ日本のメディア人は一切入らず、市長に対して電話インタビューだけ。フランスのメディアと田中康夫氏が入っただけだとか。
東電関係者は原発事故後、10日以上も南相馬に電話の一本すらなかった。

福島県に出されてる避難勧告は、原発から半径20キロ以内の住民に対し「避難命令」、つまり今すぐ逃げろと。
しかし南相馬市の位置は、半径20キロから30キロまでの住民に対する「自宅待避」になってる。

「自宅待避」(屋内待避)とは逃げるか逃げないか、各自の責任に任せるという意味。
しかし命令ではないのだから、逃げる場合の費用や手配も各自に任せる、というわけだ。

住民は毎日の仕事もあるだろうし、いつ帰れるか分からないような行くあてのない流浪の旅になど誰も出たくはない。

だが、町が汚染されてるかも知れないという風評被害で、救援物資は入って来ない、銀行は閉まっていてお金はおろせない。
お金をおろせたとしても、店はどこも開いてない。
店が開いてないから車で遠くに行こうとしてもガソリンを入れるところがない。

まさに身動きできず、兵糧攻めに合っていると。

もうどうしようもなく仕方ないから、南相馬の桜井市長はYouTUBEで世界に向けてメッセージを発信した。

「助けてください」と。日本人だけど日本政府はもうあてになりませんと。

野菜や魚の風評被害は何とか誤解を解きほぐそうと連日呼びかけを行っているが、南相馬市への立ち入りは危険だという風評被害に対する呼びかけはほぼ聞かない。違和感を感じる。

しゃーねーか。

今日も明日も野菜を買いに出掛けるけども、南相馬市には出掛けねえもんな、こっちの人は。

そして数日前から高濃度の汚染水が原発から出ているが、これ、メルトダウンしてるよな?
もうすぐ発表するんじゃねえの、たくさん放射能飛び散ってますよって。

「メルトダウンしてしまい、放射能は“ただちに影響があります”スミマセン!!」
そう言う前に早く南相馬市に避難命令出したらどうだ。

シビアアクシデント

原発事故の経過報告が遅い。菅直人が出てこない、親分が。

いや、何が起こってるのか現場も分らないのか、それとも実は深刻で実情を隠してるのか、何も見えない。
原子力に詳しい人からは核心の部分を報じないとの指摘がある。その意味は深刻な事態を隠してるということか?

ジャーナリスト広瀬隆氏がYouTUBEで論じた動画が、数日で100万回以上再生され波紋をよんでる。
その意見に賛否両論あるが、今正しくパニックを起こすべきだと大胆な主張をしている。原発事故はシビアアクシデント(過酷事故)の段階に入ったのだと。

広瀬氏によると、東電社員自身ですら事故の内容が分からないというのは無理もないと。
東電はあくまでも原子力発電の装置を納品された側の運用者(装置を使う人)であり、装置を作ったのは東芝や日立のエンジニアである。
単に故障した箇所の設計図からだけでは判断できない勘所のようなものは、今現場にいる人ではつかみきれない部分が多くあると。
そして、数十年前にこの装置を作ったエンジニアはもう引退していて、現在7~80歳くらいの人々・・・おじいちゃんになってしまっているのだと。
これが本当なら、悲しいかな老人ホームから出動願うわけにもいかない。

そしてシビアアクシデントとは作った人の設計基準を大幅に超える事故のことなので、これからの被害は原理的に誰にも予測できないことになる。

「原発は絶対に安全」と掲げてきた危機管理は本当だろう。
ただし、人間が勝手に想定した設計基準の範囲内の限りにおいて。
しかし自然の方から津波の高さは10メートルくらいですよと予め決めてくれるはずもなかったわけで、本来の危機管理とは管理できないものを管理しようとする矛盾をはらんでいることは誰も気には掛けなかった。

菅や枝野はそういう矛盾が生んだ状況の中で何もなすすべがなく原発事故の経過報告が遅れてしまってるだけであって、ただただ不安をあおりたくない、パニックを起こしたくない対応しかできず「リーダーシップ欠如」として態度にあらわれてるのだろう。情けない。

それにしても最近、菅直人は出てこない。何をしてるのか?

「総理はただいま、原子炉についてお勉強中です」

野球部の監督自らが、守備練習してるようなもんです・・・ダメだこりゃ。

東電社長は体調不良で入院だと。このくそ忙しいときに。

これが世の主導者層やエグゼクティブと称する方たちの正体だとは・・・がんばろうよ、日本!

首都圏がメルトダウン

水を飲んで大丈夫なのか?ほうれん草は食べたらやばいのか、関西に逃げた方がいいのか?

官房長官は「飲んでも直ちに問題はない、でも乳児は飲ませないよう」と意味不明なことを言う。
テレビに出てる大学教授は原発開発者の知り合いだったりするので発言内容が偏ってる。

どの情報を、誰を信じていいのか分からない。

一応フェアーな立場にある有識者の意見をまとめると、
「放射能で死ぬというのはデマ」
「原発の事故自体はこれからも深刻」
ということに集約される。(と思うがどうでしょう?)

「放射能で死ぬというのはデマ」というのは、チェルノブイリのように原子炉が爆発して濃度の高い放射能が飛び散っていないから今のところ死ぬような事態ではないから。だが、ふっとんだ建屋を見ての通り、少しは放射性物質が飛び散っているのは事実で、それが風に乗って飛んでは来て、特に雨で落ちてくると高い値で検出される。だから雨の降った翌日には東京の金町浄水場などで基準値を越えて記録されただけなのだと。

次に基準値というのも、数字の読み方をきちんと教えてない。「乳児は100ベクレル以下」と言って、200ベクレル検出したので大騒ぎしたが、実は1年間毎日100ベクレルを取ると体に影響が出るというのが正しい。だから今日200ベクレル取っても明日以降100以下なら年間の蓄積量は基準値以下なので問題ない。(もちろん一日に取ってもいい限度はあるだろうが)

一方、原発のプラントは予断を許さない。予想外の津波で電気系統がすべて使い物にならなくなって、新たに電線を引きなおしている。特に2号機のプラントは建屋が無傷で屋根が爆破されてないので、外から消防隊のホースで水を掛けられない。だから電気を通して冷却装置で冷やし続ける唯一の手段しかない。しかも事故が沈静化しても、数年単位で事故現場周辺には人が住めない。チェルノブイリなど後片付けに何十年もかかってる。つまり東日本はこれから数ヶ月、数年と、放射能と付き合って生活しなければならないのだと。

しかし東京電力というのはひどい。
予想外の津波をいいことに原発事故は天災だと。
これまで何十年も事故を隠したり、安全性のデータを改ざんして、他に競争相手のいない独占企業だからいい加減な運営をしてきたわけで、それを人災でなく天災という。そのつど福島県は原発建設に歩み寄りつつ、いい加減な点は指摘して戦ってきた。
そんな東京電力を政府は救済すると。損害賠償金を一部負担すると。
つまり“税金”で。
東京電力なんて莫大な資産と売り上げがあるから、自分で賠償できると池田信夫さんは言ってます。

そして関東人が使う電力なのに福島県の片田舎にだけ押し付けていたことすらも気づかず、大変なことになって「つながろう日本」だなんて、言う資格すらないのかも知れない。関東人よ・・・オレもか?

あわれな結末

東日本大地震、これは文明に対する自然からの警告だ。

被災地では物資が足りなくなり、次に輸送手段と燃料が足りなくなった。更に寒さをしのぐ暖房器具がない、手当てが必要な患者への人手、スタッフが足りない。
日頃は無縁に思われてた災害対策が、ぶっつけ本番ですることになり、物資も、輸送も、看病も、うまく回っていたはずの近代文明を自然は容赦なくすべての機能を奪った。

この警告は被災地だけにされたものではない。

都内では地震直後にすべての電車が止まり、足を断たれた多くの人は駅に行列するしかできず、帰宅困難者となった。徒歩で帰った者もいる、数時間かけて。
そして停電。計画停電と分っていても、普通の生活に多くの支障をもたらす。店は閉まって物は買えない、電気が使えず暖房は入らない、おまけに電気が使えないとお湯も出ないマンション設備もある。

そしてつくづく思う、「文明って怖いなぁ」と。

これが仮に自給自足の農家なら自宅前の田植えの手を止めて家に帰る。その生活に“帰宅困難”という概念すら存在しない。スーパーで米を買い占める必要もない。

ところが自給自足は稼ぐのに効率がよくない。だから近代文明の技術と進歩を選び、見事皆が豊かになった。電車に乗って皆で集まって生産すれば大きく稼げる。
これは便利だ、皆がハッピーになる、と。

そこで文明は万能だと過信してしまった。

しかし只今、現在、我々の生活はこの“文明”がないと全くもたない。電気、ガス、燃料がないと全く生活にならない。
もう戻れないのである。住宅ローンをかかえたサラリーマンは今さら農業などできないのだ。

被災地で助け合う人々、都内スーパーで物資を奪い合うおばさんたち。
果たしてどちらが本当の人の姿か?

無理はない。物資を買い占める心理も“文明”はつくづく危ないという危機感を直感で悟ってる行動と言えるだろう。
そして飢えから逃れ、最後に生き残るのはまぎれもなく買い占めていた者だろう。

もう一度言う、文明って怖い!

飢え死にする前にひとこと言わせてくれ、トイレットペーパーを6パックもかかえて苦しそうな顔したおばさん。
「どんだけウンコするんだい?」