全建国保の偽装加入について
今回は障害年金から離れて日々の出来事にふれてみたい。
最近の話題のひとつに全建国保の偽装加入の問題がある。
建設業で働く人が公的な医療保険の給付を受けるために加入する全国建設工事業国民健康保険組合(全建国保)の偽装加入である。全国で加入者の15%にあたる約13,000人という大量の偽装加入の疑いが出ている。
原則としては、事業主と従業員合わせて5人以下の個人経営の事業所しか加入できない訳だが、会社をいくつかの個人事業所に分割したり、個人経営に見せかけたりした約3,000社の不正の疑いが発覚している。
国民健康保険組合は全国で165組合あり、もともと個人経営の店などで働く人しか加入できないため、保険料は個人が支払い、事業主が負担する義務はないが、国が毎年約3,000億円補助を行い、個人負担を軽減している制度である。
その組合のひとつの全建国保が、この制度を悪用する偽装加入をしていたわけだ。
全建国保は、国から年間約200億円の補助金を受けており、加入者の受診に関して医療機関に支払う医療費の約半分の額をまかなっているといわれている。
今後、加入資格のない人の組合からの脱退や、偽装加入防止のため組合員資格の確認の徹底を行ないようである。
この偽装加入に係っている方々は、生活状況はさまざまであろう。私見ではあるが、高収入の人、標準的な収入の人が多いと思われる。支出を少しでも減らそうという思いはわからないでもないが、やはり悪いことをしてはいけない。
この人たちは、もっともっと生活の苦しい人たちがいるのを忘れていないだろうか?
生活保護者や障害者の方たちが一生懸命頑張って生きていこうとしているのに比べて恥ずかしい限りだ。
世の中いろいろ考える人がいるわけだが、できれば自分の信念に基づき、胸を張ってお日様の下を歩きたいものである。
こう思っているのは私だけだろうか?
( 大 鷲 )
障害年金の「初診日」について
障害年金を請求するにあたり、「初診日」はとても重要な意味を持ちます。
・初診日に加入していた制度により、受けられる年金が決まります。
・保険料納付要件を見る基準日となります。
・年齢要件を確認する基準となります。
・障害認定日を決める起算日となります。
・年金額(厚生年金の場合)決定の基準となります。
このひとつひとつについては追って書いていくとして、今日は「初診日」とは具体的にどのような日をさすのかという話です。
初診日とはその名のとおり、障害の原因となった病気や怪我について、初めて医師または歯科医師の診察を受けた日をいいますが、ここにも実はさまざまな誤解があります。
たとえば精神疾患などの場合、最初に体調の全般的な不調で内科にかかったり、めまいや幻聴などで耳鼻科を受診することもありますが、こういった場合にはその日が初診日となり、必ずしも精神科や心療内科を受診した日ではなく、また、確定診断を受けた日でもありません。
また、障害の原因となった傷病の前に、相当因果関係がある傷病を発症している場合は、最初の傷病の初診日が、ここでいう初診日となります。
具体的に列挙すると下記のとおりです。
1. 医師の診察を受けた日(その傷病に関する診療科や専門医でなくともよい)
2. 健康診断により異常が発見され、療養に関する指示があった場合は健康診断日
3. 同一傷病で転医した場合は、最初の医師の診療を受けた日
4. 同一傷病で再発のもの、または旧症状が社会的に治癒したと認められた場合
は、再発し医師の診療を受けた日(※1)
5. 誤診の場合は正確な傷病名が確定した日ではなく、最初に誤診をした医師など
の診療を受けた日
6. じん肺症についてはじん肺症と診断された日
7. 業務上の傷病については、労災の療養給付の初診日
8. 障害の原因となった傷病に、さらに因果関係のある傷病で障害となったものは、
最初の傷病の初診日(※2)
(※1)「社会的治癒」についてはまたの機会にします。
(※2)脳出血については、原因が高血圧とされていても、脳出血または脳梗塞により
受診した日とされています。
また、糖尿病と脳出血または脳梗塞については、相当因果関係なしとして取り
扱われています。
他の疾患の因果関係の具体例については、また機会があれば書きますが、個別に判断されることもあり、判断が難しいため、社会保険労務士を活用して下さいね![]()
(加賀)
障害年金と保険料免除
障害年金と保険料免除について
長くなるので、今週は法定免除(保険料を納付しなくて良い)について。
障害年金(基礎、厚生、共済など)2級の受給権者は、国民年金保険料の法定免除の対象とまります。
収入要件はありません。
法文では、“・・・納付することを要しない”と書かれています。
納付しても良い。ということでしょうか?
法定免除は、当然に国民年金2号、3号の方は対象外です。
2号・3号は、厚生年金制度より納付された厚生年金の保険料から拠出金として保険料相当額が国民年金制度へ拠出(納付)されます。全額の納付です。
法定免除された障害年金2級の第1号被保険者は、免除期間1カ月が65歳からの年金額で老齢基礎年金1/2月として計算されます。年金額が半額となります。
ただし、受給資格期間としては1月として計算されます。
障害年金が回復して支給停止になった場合、老齢基礎年金(国民年金)は低額になってしまうなどの落とし穴があります。
障害年金の受給権は、65歳まで障害等級に該当しなくなっても受給する権利は失いません(年金は受給出来ないが)が、保険料免除は回復し障害等級3級不該当となってから3年間までとなります。その期限となれば国民年金第1号被保険者として保険料納付義務が発生します。
その場合、後日記載の申請免除(全額、半額など)が可能な場合もあります。
この法定免除には届出が必要で、遡って障害年金2級に該当した月から法定免除となります。
法定免除対象である生活保護(生活扶助)の方は、現在市役所などで自動的に年金機構に対し免除届が出されていますが、障害年金受給には収入要件はありませんので納付も可能です。
次週に続きます。