事業投資、M&A、投資銀行のあれこれ -11ページ目

移転・・・2

October 31, 2005

情報の価値

リアルオプション的考え方で情報の価値をお金に置き換える方法を学生に説明すると大好評でしたので、ちょっとお知らせ。

リアルオプションの実務応用において、ブラックショールズはちょっと難アリですが、デシジョンツリーはすでに充分に使われています。

デシジョンツリーは、良く広義のリアルオプションと紹介されますが、いまいち人気がないです。

使えない理由としては、
1.デシジョンツリーは将来を分岐点で描くのですが、担当者には当然のことをあらわすものであるという印象があること
2.分岐点の確率の設定が大問題であること
が意見として出されました。

しかし、

使いようではリアルオプションの次のステージの投資のGO/NOGOが判断でき、且つ次ステージの投資の決断に使える費用が算出できます。



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October 29, 2005

医薬産業は映画型産業に・・

製薬業に激震か?

第一三共は、期待の大型開発が中止
小野薬品も、期待のエイズ新薬が中止

その他時々中止の発表が報道される。

そんな中
日経産業新聞 2005年10月27日 26ページ
に印象的な記事があった。

スカイラインベンチャーズ代表の金子氏の言葉。
「これからの医薬品産業は、映画型産業になるのではないか?」とあった。

その心は、
大手映画会社は自分で映画を作るのではなく、ヒットするコンテンツを見分け買い付けてくるとのこと。
製薬業界では、大型新薬になる化合物をバイオベンチャーなどから買ってくることが主流になるだろうとのこと。

●●製作委員会ができたりしてね。


バイオベンチャーにも技術と資金力があるところにどんどん新薬の卵が集まっている。すでにそーせいやアムジェンは、バイオベンチャーという規模ではなくなっている。

トランスサイエンスがリクルートと提携し、ライフサイエンスでのキャリアを支援するという記事もなるほどだった。
VCも資金と経営者だけではなく、実務者を送り込むことを目指しているのか

パイプラインが細いベンチャーも実はポートフォリオマネジメントを考え中という興味深い話は、そのうち。


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October 28, 2005

割引率とハードルレート その2

さて先日の続き。

ハードルレートは、事業投資を例に考えると「将来が不透明(不確実性が高い)ということはリスクが高いから、その分利益は割り引いて考える必要がある」というコンセプトに基づいていると思われます。

これは、至極当然のように思われますが、良く考えると、企業経営に大変な影響を与えることにつながります。

例えばバイオ事業に投資します。10年後の10,000万円利益を30%のハードルレートでを割り引くと今の700万円ちょっとの利益になります。
企業としては大変魅力の薄い事業に見えてしまいます。

その結果、困難な事業に対する挑戦が少なくなる可能性が出てきます。
特に、安定事業とチャレンジングな事業を比較して投資を行なう場合に。

事業に挑戦して企業が大きくなるチャンスが少なくなってしまうことを危惧します。


将来の不確実性というハードルレートとお金の時間的価値を表現する割引率は別物であることに注意する必要がある。


この不確実性は、成功不成功の確率でデシジョンツリーなどを使い考慮するほうが断然良いですし。
不確実性は、クリスタルボール、minitabのようなソフトウェアを使って、NPVを確率分布で考慮するのがお勧め。不確実性は、最悪~標準~最高のように幅で表現するのです。


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October 26, 2005

割引率とハードルレート

皆さんご存知のように、事業価値の評価には、CashFlowのトータルライフを現在の価値に戻し、評価をすることは、各社で普通に行なわれている。

経営企画担当者と話をすると、NPVとIRRの違い、どちらを優先すべきかを知っていらっしゃるし、さらにNPV同士とIRR同士を各々比較するときのCashFlowのライフサイクルが与える影響も考慮されている。

ところが割引率になると各社各様、考え方がばらばらで興味深いです。
1.WACC
2.てきとー
3.ハードルレート
のどれかに大別されるように経験上思う。


1.WACC
  割引率とするWACCを把握している企業には、あまりお会いすることはできていません。もっとも、しっかりしている企業は自分のような外部の力を借りる必要がないからかもしれませんが・・・。
WACCはエクイティとデットのコストを考慮して出てきているので割引率としては、l教科書どおりに適当です。

2.てきとー
  オールドエコノミーや、成熟産業の企業さんに多いのが、「てきとーー」です。財務部門に聞かないとWACCって分からないし、経営陣がWACCを必要としていない場合もあるようです。こういうときは、5%・10%・15%など「てきとー」な割引率を設定し、こんなに大きな値でもNPVがプラスなのです。と説得材料になるのです。

※予断ですが、株価を上げ、企業価値の向上を目指しませんか?という提案にある企業さんは、株価って日経平均が上がればあがるでしょ? といって断られてしまいました。時価総額の向上があまり必要がない企業も確かにありますが・・・・。残念



さて、2.とからめて今日の本題
3.ハードルレート
ROE7%以上など明確な利回りを事業投資に定めている企業に見当たります。

ある企業では、
事業種別リスク:バイオ20%、化学3%…
カントリーリスク:中国10%、アメリカ4%・・・
などの早見表のハードルレートを合算して割引率としているところもあります。

割引率を用は、お金の時間的価値を考慮しましょーという概念です。
期間の長い事業投資には、資金調達に関するコストを稼ぎましょう。ということです。(今の1億円と1年後の一億円を同じ土俵で比較するため)

一方ハードルレートは、事業の危険性をリスクの補正として、安全のための糊代をみて割り引くのですね。

化学産業が安定→3%
バイオは不安定→20%
という差は、将来の不確実さを表現しているのです。



長くなりそうなので、また後日・・・・
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October 24, 2005

バリュエーション統一!

「バリュエーションしています」というと特別なスキルを必要とするものという雰囲気ですが、結局はどの企業でも行なわれている「これって結局いくら儲かるの?」というところに落ち着く。

当然、パラメータ設定・モデルリングなど技術の巧拙はありますが、正確な未来予測は、神のみぞ知るの世界なので非常に困難。

最近、話を聞くのは、個々人で行なわれているバリュエーションの方法の統一感だとのことです。バリュエーションは個々のプロダクト・ビジネスが「結局なんぼ儲かるの?」ですが、その使い方は「AとBどっちがいいの?」と比較ツールとして使われているからなんですね。

投資銀行の方の話では、個々人のバリュエーションスキルは高いが、個人の性格でまちまちなモデリング・パラメータだから比較できないので困るとのことでした。
バリュエーションの目的設定によってその内容手法が大きく異なってしまっているんだそうです。

確かに別人が組み立てたモデルにを使ってインベスト対象を比較決定するのは、危険なんですよねー。
アンビシャスな人が作ると良いほう良いほうに価値が評価されてしまい、悲観的な人が作るとだめだめなビジネスに評価されてしまい、同じ土俵でとても比較できないものになってしまいます。


バリュエーションの評価の統一のヒントは 行動ファイナンスにあると最近思うのです・・・

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移転・・・

移転してきました。

October 23, 2005


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M&A成功?失敗?

企業の選択と集中が進むにつれて、M&Aに関する依頼を受けることが増えてきた。
ミーティングで、過去案件の状況、ターゲットなどの関連情報について打ち合わせを持つが、担当者からは過去のM&Aで失敗したものも多いと間々聞く。

確かにM&Aの60%超は失敗すると、俗に言われる。
失敗の定義は、
1.企業価値(時価総額)がM&A後下落する。
2.想定のCashFlowを下回る。
3.シナジーが発揮できない。
などを挙げてくる。

原因を突き詰めると、事前のマーケティング不足に集約されるようだ。

1.ターゲット企業選定
   ターゲットは1社とは限らない。類似企業を調査する必要がる。M&Aはクローズドなものであり、ターゲットの経営陣が売らないという判断をすれば、それまでである。しかし、各社各様にPros.Cons.があるはずで、これを検討する過程で有望と考えられるM&Aの長所短所が洗い出されることがある。

2.CashFlowの想定
   M&A後のオペレーションによる収益(CF)の想定が甘くなっている。社内手続きを通過させるために、かなりアンビシャスな値をはじくことが多いようだ。理由がある値であれば良いが、常に最悪の状況を考慮する必要がある。最低、最悪の場合、期待される場合が必要。

3.シナジーとは?
   シナジーが足りないとは聞くが、コスト削減の他明確なシナジー定量化は困難な作業の一つである。数少ない例として、廃棄処分していた物質を、M&Aにより原料として活用することができた事例がある。(これにしても、始めからその企業に卸販売するという選択肢もある。)大型MAであれば、買収事業をコアとして周辺事業へ手を伸ばすという策があるが、ややもすると選択と集中のながれに逆行可能性がある。


事前マーケティングを念入りに行い、買収しないという英断をすることが必要かもしれない。バブル期の土地のように、またとない出物として、飛びつくと思わぬ怪我をすることになりかねない。
就職・転職活動、恋愛にも見られるように、飛びついた後に、さらに良い出物があったときに身動きが取れなくなることを避けるべく、オプション的思考がお勧め。
悩みすぎて身動きとれなくなるおそれもあるが・・・・

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October 22, 2005

金融総合機器フェア2005

タイトルの金融機器フェアに行って着ました。
http://www.nikkin.co.jp/e-fit/fit2005_top.htm

今年の出展はセキュリティが中心でしたが、自分はセキュリティよりもやはりリスク分析に関する調査?(ただの見学)をしました。

SAS、SPSS、数理システムなど知る人ぞ知る企業の方々にデモや動向、クライアントのニーズを聞くことができました。
そういえば、クリスタルボールで有名な構造計画研究所は出展してなかったように記憶します。知名度抜群なので、ブースを出す必要ないかもしれないですが・・・

リスク分析においてのコンピュータソフトウェアの進歩はすごいもので、数理システムはモンテカルロシミュレーションを100万回できるそうです。ポートフォリオの組み合わせはパラメータが1万個まで対応可能ですって。

マニア垂涎のシミュレーションソフトウェアが目白押しですが、やはりソフトは人が使うもの・・・(いつものセリフ)

データ入力の例では、モンテカルロは設定する数値の幅、分布の種類により結果が変化します。 数字はうそつきませんが、数字をつくる人間がうそをつく?

読み取りは、SASのCRM分析を例にあげると事実としての値が収集されますが、解釈により同じデータでも様々な戦略が立案されての成否も様々です。


このデータ入力と解釈をよくまとめていたのが、FAなどがつかう資産シミュレータ。
必要最低限のデータと判断に充分な程度の解釈。シミュレーションはマニアックになりがちなのですが、頭に仕様用途・目的を常に置いておかなければと改めて痛感しました。

マニア的バリュエーションで失敗の数々が・・・ 思い出されます。

数理システムの三次元リスク分析は、でもマニアならほしい一品です。
山岳地図のようなシミュレーション結果は、マニアの頂点です。
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リアルオプション?

リアルオプションを学ぶ学生が集まる授業で、バリュエーションについて授業をゲストスピーカーとして招かれました。

バリュエーションについての講義のはずが・・・・

やっぱり、皆さんリアルオプションに興味があるようです。
確かに書店では、平積みで関連図書が並んでいるところもあります。


※アマゾンのアフィリエートプログラムに参加したので、お勧めの本を紹介したいと思います。後ほど・・・

これがお勧め・・・
リアル・オプション―投資プロジェクト評価の工学的アプローチ
MBAコーポレート・ファイナンス
今井 潤一 (著) 
著者の方は、岩手大学の先生であり、競争状態におけるリアルオプションに関する論文などがあります。



さて、リアルオプションはまだまだ実社会では、実務において使われることは少ないようです。
書籍や講演の情報によると

ヤンマーは、参考値として使っているとのことです。
また、シークエッジ(丸福?2代目が社長さん?確か・・)という投資会社も使っているとのことです。


リアルオプションは他のファイナンス理論と同様に限定状態を想定しての理論なので、なかなか実務的に難しいのです。

例えば、現在主流として紹介されているのは、投資対象についてライバルがいない状態なのです。しかし、現実的には 事業投資などでは、自社が行なわない場合は、ライバルがしちゃったりしますよね。

このときの数式はポアゾンジャンプなどを考慮して組み立てるのですが、ホント?と????だらけになってしまい、「うん、一応計算しただけ」と答えるにとどまってしまいます。



また、競合アリの状態ではゲーム理論との融合もアカデミックな世界では研究されています。

ゲーム理論も、関係者が合理的な判断を下すことが前提となっているので、ライバルが 突拍子もない行動を起こしてしまったりすると理論が崩れてしまいます・・・・
北朝鮮政策 大丈夫かな?
















でも、自分は実務への応用に否定的ではないんです。
だって、CAPMも税金なしとか取引コストなしとか7つくらいの仮定の世界の話なのですが、CAPMなしではM&Aとかできなくなっちゃいますからーー。

もうちょっと技術?社会の成熟が必要でしょうか?
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October 16, 2005

オプション

ビジネススクールで講師を務める機会がありました。

オプションに関する講座でした。
やはり「リアルオプション」についての関心の高さは想像通りでした。
学問では、ゲーム理論との融合が進んでいますしね。

また後日・・・
Posted by smp at 22:43Comments(0)TrackBack(0)

製薬企業の選択と集中

製薬業界は、R&D費用の高騰をきっかけの一つとして、合従連合が進んでいる。

ゲノム・バイオと金銭的負担の大きい開発プロジェクトが多く出てきて、合併が必要となる企業の一方で、研究開発費は潤沢にあり、研究開発プロジェクトの取捨選択は必要ないと言い切る企業もある。

確かにパイプラインは10本程度であり、細いのだが、パイプラインが少ないということは、企業規模も小さいことが多い。

こういう企業は、いわゆる上位企業に買収ターゲットとされてしまうのでしょうか?
あまり規模の小さい企業を買収してもR&D費用をまかなうためには、焼け石に水 と思え、あまり関係ないのかもしれない。



企業買収といえば、TBSのような敵対買収と取られかねないことや、
フジテレビのようにTOBが仕掛けられることがあった。

製薬企業でも、もちろんこういうことは想定されるが、まだまだ非公開企業がありますねー。

うわさですと前置きをしますが、
大塚製薬は、以前は株式公開の準備を着々と進めていたが、現在はちょっと準備を停止(中止?)しているとのこと。
ワールド・ポッカコーポレーションのようにMBOによる back to privateの流れがおきつつある現状では、様子を見てみようというところなのでしょうか?

大塚製薬グループ内の他の製薬企業も同じ流れになるのでしょうか?

ブロックバスターと呼ばれるものは、青色発光ダイオードのように、会社の方針に逆らってできるかもしれないことを考えると 株主というステークスホルダーがいないほうが自由闊達に研究活動を進めることができるのかなー?

あと、研究者から聞いた話ですが、
研究開発プロジェクトの選択と集中により、オーファンドラッグと呼ばれる患者さんは少なくても非常に求めれている薬の開発がストップしてしまった事もあるそうです。
難病がこの薬の対象になるのでしょうが、医者・患者双方から非常に要望の高かった製品であったにも関わらず、患者数が少なく売上が見込めないことから、研究中止になってしまったそうです。
医薬品開発のように10年単位での研究に従事していた人は、今までの研究生活がおじゃんになってしまうのでしょう。

そういう境遇に陥った何人かは、バイオベンチャーのように会社設立に向かっているのです。
会社としてはダメと位置づけた化合物だけに、案外にスムーズに設立できるんですって。



投資先マネジメント

MBOファンドの方との話。
(固有名詞を出しますが、勘違いあるかもしれません。すみません。)

1.ジャフコのように(VCだけではなく、実はMBOファンドもあるのです。)ハンズオフ戦略で、サポートする方法。
長所:ファンドの人間は社外取締役程度で関わるため自立した経営が可能になり、売り物として価値の向上が見込める。

2.アドバンテッジグループのようにハンズオンでサポートする方法
長所:コンサル経験者など企業経営に長けている人間が直接入り込むことで、的確、確実に企業価値が向上する。

簡単に言うとだそうです。

一長一短どちらも正しくスタンスの違いだけかな?