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ソムリエ第11弾★摩利と新吾(木原敏江)

ボーイズラブを知っていますか。

―【意】ボーイズラブとは、
日本における男性同士の同性愛を題材とした
女性向けの小説や漫画のジャンルのことである。―Wikipedeaより

今や、ライトノベルや同人誌などで美男子キャラ同士の性愛を描き
腐女子のマスターべション材料として貶められた、そんなジャンル。
――しかし、心と心の交流、まさにプラトニックな
愛情を具現化した、美の極致ではないかということも、私は言いたいのです。

で、そんな男性同士の愛を美しく描く作品をご紹介しませう。

『摩利と新吾』――木原敏江著
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【あらすじ】
時は明治・大正。時代の変化の渦中にある日本。
幼い頃からの親友同士である鷹塔摩利と印南新吾は、
16歳の春に名門旧制高校持堂院高校に入学する。
そして、様々な印象深い思い出を作りながら、
仲間たちとかけがえのない青春を過ごす。
と、色々な青春ドラマがあるわけです。中略。


そんな日々の中で、新吾への愛情に気づいてしまう摩利。
しかし、彼を愛しているからこそ想いを秘めながら、
女性への恋に目覚める新吾の幸せを心から願う。そんな切ない情愛がほのかに描かれます。


さぁ。浮世の汚らわしさに疲れた貴方。
あなたも木原ワールドを覗いてみませんか。
アインス・ツヴァイのドライ!!

ソムリエ第10弾★Royksopp/Melody A.M.

音楽担当/Rが紹介する今週の一枚。
Royksopp (ロイクソップ) 『Melody A.M.』(2001年発売)
■こんなジャケ。
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■こんな感じ。
チルアウト風のダウンビートに、柔らかいアナログシンセを乗っけた
ユーモア溢れる音が特徴。

■プロフィールです。
Torbjorn Brundtland(トルビョルン・ブルントラント)と
Svein Berge(セヴェイン・ベルゲ)によるノルウェーのエレクトロ・デュオ。

'90年初頭から2人で音楽活動を開始。
'98年ごろ、ノルウェーのベルゲンという街で活動を再開。
(ここは良質のノルウェー・ミュージシャンを多数輩出していることでも知られる街)

UKのレーベル、ウォール・オブ・サウンドと契約。'01年に発表した“Poor Leno”が大ヒット。
この曲のPVに登場していたクマのようで犬のようなキャラクター
「レノ君」の可愛らしさも話題に。
*コイツです。
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■FUJI ROCK
03・05年にはFUJI ROCKにも参戦。
CDからはちょっと想像もつかないくらい、
ステージはアクティブ!

■コレも好きかも!?
・キングス・オブ・コンビニエンス(“Poor Leno”のボーカルも担当)
・シガー・ロスなど

★寒い夜、コーンポタージュなどを
啜りながら聴きたい、冬の定番の一枚。

【オススメ度】 ★★★★☆(星5つが最高)

ソムリエ第9弾★エレンディラ(G.ガルシア=マルケス)

おはようございます。
参加初回で遅くなってスミマセン…。
午後は初の自社広告取材。
内心イヤ!イヤ!しながら、笑顔で逝ってまいります。

ざっと、シュールの導入をまず。
シュルレアリスムは、仏語でリアリズム(realisme)にSur(上)をくっつけた造語。
「上位の現実」といった意味合いで、固定観念や慣習を取り払ったところにある、
「強度の強い現実」(ウィキ)を指します。

運動としては20年代から戦後にかけて盛ん。
当時の精神分析人気を受け、無意識の世界に「上位の現実」を求めた文学・アートが主体でした。

でも、ここでは広義の「シュール」をテーマに逝ってみたいと思います。

今日紹介するのは、G.ガルシア=マルケスの短編集「エレンディラ」。

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マルケスはコロンビアのノーベル賞作家。「百年の孤独」が有名。

この人は、幻想をいかにも現実であるかのように描くことで有名。
歴史を語るかのような文章で、ありえない出来事を淡々と語る。

この短編集では、南米のうらぶれた寒村に、なにか異質なものがやってきます。


はげた鶏のようになった醜い天使。
世界で最も美しい水死人。
海から香ってくるバラの芳香。



単調な日常を、絶望を絶望とも感じずに過ごしてきた村人たちは、
この来訪によって様々な反応をみせます。

たとえば、美しい水死人に魅了された村人たちは、

彼がいつか生き返ったとき、喜んでくれるように、花を植え、家を改修し、

「幸福にいきる」努力をはじめます。

大半の短編では、来訪者が去った後、自我のない毎日に戻っていくわけですが。

この本の面白さは、マルケスが展開する奇妙キテレツな幻想イメージ。
でも、あとがきによると、南米では本当に「海岸を歩く女性が天に昇ったり」
「二メートルの巨大ミミズがいたり」するそう。
この本を読むと、そんな現実を生きている南米の人が羨ましくなるかも?

オススメ度 ★★★☆☆

通勤の行き帰りに、ちょっとトリップするには良い短編集。

日常の繰りかえしに疲れた方には、ちょっとしたスパイスになるかも。