以前、英語が苦手なママでも
「語りかけ」はできるか、というテーマで
記事を書きました(過去の記事 ★)。
では、英語が話せる親であれば、
バイリンガル育児は簡単か?
と言われたら、決してそうではありません。
わたしの周りには、
お母さんが英語ネイティヴで、
家庭内の言語は英語、
という子どもが比較的たくさんいます。
中には両親ともに
英語ネイティヴという家庭もありますが、
そんなお母さん達が苦労しているのが
子どもたちの英語力の維持。
5歳くらいまでは
子どもも普通に英語を話すので
お母さん達もあまり危機感を抱かないようですが、
子どもが日本語の小学校に
上がってから急に焦る方が多いように思います。
英語の読み書きが年相応のレベルに
追いつかないというのと、
英語の発話が段々と減っていくからです。
小学校に上がれば、
日本語の読み書きも始まり、教授言語は日本語です。
それまで英語が第一言語だった子たちも、
第一言語が徐々に日本語に移っていきます。
同時に、
日本語のお友達との繋がりも強くなり、
お母さんが英語で話しかけても
「日本語で返す」という現象が起きます。
これは、
日本語が母語である わたしから見たら、
日本語が成長しているという意味で
喜ばしいことでもありますが、
英語が母語である お母さん達からしたら、
徐々に子どもとコミュニケーションが
取りづらくなり、
継承語、つまり親から受け継がれる言葉が
失われるといった危機感も生まれるようです。
以前、子どもへの動機づけが
いかに大切か、について書きましたが
親が英語ネイティヴであっても、
子どもが英語を話さなくなるのは、
原因の一つに、
子どもの「英語を使い続けたい」という
モチベーションが 低くなっている、
ということが考えられます
(過去の記事『バイリンガル育児を続けるために』)。
それには子どものアイデンティティの変移が
関係しています。
子どものアイデンティティが
英語コミュニティよりも
日本語コミュニティとの繋がりが強くなれば
当然、英語の必要性も低くなる。
以前も書きましたが、
日本でのバイリンガル育児は
英語環境を意図的に作る必要がある、
というのは こういう理由から。
(過去の記事『4〜5歳のバイリンガル育児』)
そして環境に左右されない言語スイッチを
小さい頃から作っておく。
(過去の記事『言語スイッチを作る』)
それによって、
バイリンガル育児も維持できるのと思うのです。
英語が話せる親だから
子どもをバイリンガルに育てられるわけではありません。
大事なのは、
親が英語ができるかどうか ではなく、
子どものモチベーションを維持するための
日々の環境づくりや動機づけなのです。
家庭内で頑張っている方もいれば、
英語のプロに任せて、
家ではサポートを頑張っている方もいる。
バイリンガル育児のカタチは様々ですが、
続けることに意味があるのです