Tiny Tweaks can lead to Big Changes -14ページ目

人生も仕事も変える対話力

人生も仕事も変える「対話力」日本人に闘うディベートはいらない

タイトル通り、対話の重要性、必要性について書かれた本です。
ここでいう「対話」とは、きちんと向き合って話す事であり、自
分とは意見や価値、世界観などが異なる人とも、交流を成立さ...
せる事です。
NHKのサンデル教授の「ハーバード白熱教室」は、日本でも人気
ですが、アメリカでは交流型講義と呼ばれているそうです。
著者は、あの対話形式こそ今の日本に必要な対話だとしています。

サンデル教授の講義では、どの意見が正しいというジャッジをする
ことなく、いろんな人に意見を出させています。
私も何度か見たことがありますが、いろんな考え方があるんだな、
と興味深く見ていました。

私たちは、普段お互い異なる意見については、話題に避ける傾向
があるのではないでしょうか。
そして、いざ異なる意見をかわすと、妙に感情的、攻撃的になり、
相手を議論で打ち負かそうとして、人間関係をそこねてしまう。

ちなみに、私も以前ある授業でディベートをやった際、議論の時に
相手を打ち負かそうとするあまり、終わった後も相手を嫌いになり
ました。

そういった時って、相手の話を聞いてもいないし、理解しようともし
ていないんですよね。目的が勝つ事だから。

対話で大事なのは、自分の意見を言う事ではなく、相手の話をよく
聴き、相手の考えを理解しようとする気持ちです。
相手を説得するとか、論争するという事ではなく、お互いの考え方の
相違について話し合う事を回避せず、正面から話し合う事で、双方が
理解や思考を深める事が出来る、対話にはこういった可能性があ
ります。

昔と違って、いろんな意味で皆がそれぞれの多様な価値観を持って
います。
例えば、会社という一つの村社会においても、考え方が違う人たち
との関係に悩んでいる人も多いはずです。

しかし、対話力をつけることで、世界観や価値観の違う人との出会い
は成長する機会になる、と著者は述べています。

確かに、意見の相違をおそれて、単なる会話に終始すると、人間関係
は損ねないと思いますが、浅い表層的な関係になってしまいそうですね。
深い関係を保っている人とは、みな何らかじっくり話をした経験があ
るのではないかと思います。
対話力を深めて行きたい、あらためて感じました。

ちなみに昨年、大前研一氏の講義を聞く機会がありましたが、大前氏
はサンデル教授のやりかたは、自分とは合わないというような言い方
をしていました。
私は自分の意見をはっきり言う大前氏の授業も、出席者に意見を問
うサンデル教授の授業も、両方好きです。


ちょっと尊敬される人になる本

”ちょっと尊敬”される人になる本 (単行本)/三笠書房
¥1,050
Amazon.co.jp

とんでもなく尊敬されたいとは思わないけれど、ちょっと尊敬された
ら愉快だろう、そんな事を思っている人たちに「ちょっと尊敬される」
ための心構えとノウハウについて書かれた本です。...

著者の齋藤孝氏は、たまにテレビのコメンテーターなどで見かけま
すが、その知識に加えて、語り口や表情が「ちょっと尊敬」というイ
メージにピッタリはまったので読んでみました。

印象に残った事は3つあります

①上機嫌をコントロールすること
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その日、夫婦喧嘩をしたからと言って、仏頂面をして学生を指導する
という事があってはいけないと思っている。
事実20年以上教えているが、ほとんど不機嫌になった事はない。
学生に注意するときでも、自分の機嫌を崩さない。禅の教えにもつな
がるところがあるが、自己抑制の上に立った笑顔である。
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わかっていても、いろんな事情で機嫌が悪くなってしまう時はあります。
そして周りは、顔色を見て気を使う。
どんな時でも、感情的にならずに落ち着いていられる人は、それだけ
で安心できるし、ちょっと尊敬されると思います。

②手短に話す事
10秒でもかなりのコメントが出来る。
10秒で話す練習をしていれば、1分間でどんな難しい内容でも説明で
きるようになるそうです。
申し訳ないとは思いますが、説明が長いうえにまとまっていない人に
は、イライラしてしまいます。
簡潔にわかりやすく話をしてくれる人は、それだけでやはりちょっと
尊敬します。

③世代を超えた人脈を楽しむ
同じ世代、同じ環境にいる人たちとしか人脈がないのはさびしいですね。
特に年下、20歳くらい離れた人とでも、違和感なく会話を楽しめる人
たちを見ているとうらやましいし、ちょっと尊敬します。

最後に、この本は特に懇親の力作というわけでもないですし、一生
読み続けたいような深い内容の本でもありません。
おそらく、著者も今までの経験を生かして、軽く書きあげてしまった
本ではないかと思います。
こういった本を、簡単に仕上げてしまう齋藤孝氏は、やはりちょっと
尊敬すべき人だなと思いました。

GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)/三笠書房
¥1,890
Amazon.co.jp
タイトルを見た感じでは、競争して奪ってゆく時代から、他人の事を
考える事で成功する時代、といった内容かと思いました。
確かに大きなテーマとしては、そういう事なのですが、単純に一言
では言い切れない、深い内容を含んだ本です。

成功とは、人とどのように「ギブアンドテイク」するかに大きく左右され
るところが大きいですが、常に与えるより多くを受け取ろうとする人を
「テイカー」、受け取るより多くを与えがちなのが「ギバー」となります。
また与える事と受け取ることのバランスを取ろうとする「マッチャー」
というタイプもあります。

これからの時代はギバーであるべきだ、という事で結論づけるかと
思いきや、さすがアメリカ。
多くのデータや事例を持って説明しています。

すべてを紹介することはできませんが、興味深いのは、例えば一番
生産性が低いエンジニアはほとんどがギバーですが、もっとも生産
性が高いエンジニアもまたギバーであること。
学生や販売業でも同じような傾向が見られます。

他人に与える事を考えて行動することが、大きな成功につながって
いる場合もあるが、つながらない場合もある。
実際、相手に利用されてだまされるのが多いのもギバーです。
自己啓発の本などでは、与える事が大事、いつか自分に返ってくる
というような書き方をしていますが、実際には何でも与えれば良いと
いうわけではないようです。

ではどういうギバーになるべきなのか?
ギバーにも2種類あります。
一つは自己犠牲のギバー、自分を犠牲にしてでも相手の利益になる
よう考える。
もう一つは他者思考のギバー、自分自身の利益だけでなく相手の利
益にも高い関心をしめす。考え方としてはwinwinに近いところがある
と思います。

自己犠牲のギバーは美しく見えるかもしれませんが、主張をすること
ができず、せっかくの好意をギバーに利用されがちです。
特にアメリカのビジネスあたりでは、ありそうですね。

他者思考のギバーは、自己犠牲のギバーより美しさに欠けますが、
相手と自分双方が得をするチャンスを探す事で、テイカーや自己犠
牲のギバーが見落としがちな解決策を見つける事ができます。

私自身も漠然と、相手に与える事の重要性という事は考えた事はあ
りますが、ここまで考えたことはありませんでした。
書いてある事に100%納得したわけではありませんが、単純に与える
という事だけに焦点をあてがちであった視点をかえるきっかけになり
ました。
考えてみれば、自分がうまくいっている時ほど、相手の事を考える事
が出来ると思います。
そういった意味で言うと、自己犠牲のギバーというのはどこか無理が
あるのかもしれません。

どちらかというと、テイカーのイメージが強いアメリカでこういう本が出
版されるようになった、というところに世界全体がそういうギバー、利他
主義に流れにいっているのではないかと感じますし、それは好ましい
事だと思います。

最後に、この本に書かれている印象的なフレーズを紹介します。
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君たちはギバーは成功できないと思っているかもしれない。
確かに何の見返りも期待せず、ひたすら他人を助けている人たちの
中には、成功の階段の一番下に転げ落ちる人もたくさんいる。
しかし同じギバーであっても、ほんのちょっと工夫をすれば、階段の
市場上にのぼることができるんだ。
他人の人生に「ちょっといい事」を起こす事に、注意とエネルギーを
集中してみてほしい。そうすれば成功は自ずとついてくる。
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