GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代 | Tiny Tweaks can lead to Big Changes

GIVE & TAKE 与える人こそ成功する時代

GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 (単行本)/三笠書房
¥1,890
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タイトルを見た感じでは、競争して奪ってゆく時代から、他人の事を
考える事で成功する時代、といった内容かと思いました。
確かに大きなテーマとしては、そういう事なのですが、単純に一言
では言い切れない、深い内容を含んだ本です。

成功とは、人とどのように「ギブアンドテイク」するかに大きく左右され
るところが大きいですが、常に与えるより多くを受け取ろうとする人を
「テイカー」、受け取るより多くを与えがちなのが「ギバー」となります。
また与える事と受け取ることのバランスを取ろうとする「マッチャー」
というタイプもあります。

これからの時代はギバーであるべきだ、という事で結論づけるかと
思いきや、さすがアメリカ。
多くのデータや事例を持って説明しています。

すべてを紹介することはできませんが、興味深いのは、例えば一番
生産性が低いエンジニアはほとんどがギバーですが、もっとも生産
性が高いエンジニアもまたギバーであること。
学生や販売業でも同じような傾向が見られます。

他人に与える事を考えて行動することが、大きな成功につながって
いる場合もあるが、つながらない場合もある。
実際、相手に利用されてだまされるのが多いのもギバーです。
自己啓発の本などでは、与える事が大事、いつか自分に返ってくる
というような書き方をしていますが、実際には何でも与えれば良いと
いうわけではないようです。

ではどういうギバーになるべきなのか?
ギバーにも2種類あります。
一つは自己犠牲のギバー、自分を犠牲にしてでも相手の利益になる
よう考える。
もう一つは他者思考のギバー、自分自身の利益だけでなく相手の利
益にも高い関心をしめす。考え方としてはwinwinに近いところがある
と思います。

自己犠牲のギバーは美しく見えるかもしれませんが、主張をすること
ができず、せっかくの好意をギバーに利用されがちです。
特にアメリカのビジネスあたりでは、ありそうですね。

他者思考のギバーは、自己犠牲のギバーより美しさに欠けますが、
相手と自分双方が得をするチャンスを探す事で、テイカーや自己犠
牲のギバーが見落としがちな解決策を見つける事ができます。

私自身も漠然と、相手に与える事の重要性という事は考えた事はあ
りますが、ここまで考えたことはありませんでした。
書いてある事に100%納得したわけではありませんが、単純に与える
という事だけに焦点をあてがちであった視点をかえるきっかけになり
ました。
考えてみれば、自分がうまくいっている時ほど、相手の事を考える事
が出来ると思います。
そういった意味で言うと、自己犠牲のギバーというのはどこか無理が
あるのかもしれません。

どちらかというと、テイカーのイメージが強いアメリカでこういう本が出
版されるようになった、というところに世界全体がそういうギバー、利他
主義に流れにいっているのではないかと感じますし、それは好ましい
事だと思います。

最後に、この本に書かれている印象的なフレーズを紹介します。
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君たちはギバーは成功できないと思っているかもしれない。
確かに何の見返りも期待せず、ひたすら他人を助けている人たちの
中には、成功の階段の一番下に転げ落ちる人もたくさんいる。
しかし同じギバーであっても、ほんのちょっと工夫をすれば、階段の
市場上にのぼることができるんだ。
他人の人生に「ちょっといい事」を起こす事に、注意とエネルギーを
集中してみてほしい。そうすれば成功は自ずとついてくる。
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