ふと思った。

 

 



青森県外の人から見た時に、

「青森って何が釣れるんだろう?」

「青森に行きたいけど、何を狙うか決めてから釣りに行きたい」

「自分のいる場所では釣れない魚が釣りたい」




そういった方々の一助になればと思い、この記事を書いてみることにしました。






・青森県って何が釣れるの? 

 全釣り魚リスト 海水魚 (陸っぱり)







書いていたら長くなってしまったので、前後編にしたいと思います。

 



自分は他の青森県民の方ほど釣りは上手ではないですが、色々な釣りをオールマイティーにしてきた経験があります。

また広く浅い知識もあるので、こういった記事を書くにはピッタリではないかと思いました。

実際に釣りたいターゲットが決まったら、時期やタックルは、他の方が書いている記事やタイムリーな情報を参考にしていただけたらと思います。











・アイナメ(アブラメ)

 


青森県全域に生息する比較的手軽に狙えるターゲットの一つです。
中でも太平洋側での釣りが盛んで、磯ロックと呼ばれるテキサスリグを使ったワームでの釣りが昨今では人気です。
通年にわたって釣れる魚で、夏場は一時的に釣れにくくなりますが、あとの季節はコンスタントに釣ることが出来ます。
サイズは、テトラの穴釣りだと20~40cm手前くらいまで、投げ釣りや磯ロックでは50cmくらいまで出ます。





・アジ(マアジ)

 


近年流行してきたアジングが青森でも盛んに行われています。
サイズは最大で30cm程度までで、それ以上のものはあまり釣れないです。
場所は下北半島・陸奥湾・日本海側がメインになります。
シーズンは4月の下旬から11月いっぱい程度。
小アジ狙いだったら、どこの岸壁でも時期になると大体釣れるくらいいます。

 

 

 

 

 

・アメマス・サクラマス

出典:サクラマス(2010.04.17) - WEB魚図鑑 (zukan.com)

 

冬場から春先にかけてルアーで狙うターゲットです。

アメマスに関してはたまに釣れるといった感じですが、サクラマスは1シーズン通い続けて数本釣れるかどうか。

1本も釣れないでシーズン終了する人も普通にいるという渋めのターゲットです。

それでも、ハードルアーで釣る魚が極端に減る厳寒期に釣れる、数少ないターゲットとあって、足しげく通う方も多いです。

 

釣期は例年1月頃から釣れ始め、2月・3月がトップシーズン。以降6月まではポツポツと釣れ続けるといった感じになります。

サクラマスとアメマスで有名なポイントは太平洋側のサーフ一帯。

下北半島では同時期に船でサクラマスを狙うことから、下北半島一帯も好釣果が望まれるポイントです。

アメマスは今別のサーフが昔は有名でした。

陸奥湾内でも春にルアーを投げているとアメマス、サクラマスともに時折釣れてきます。
ルアーはスプーン・メタルジグ・ミノー・ジグミノー・シンキングペンシルなどになります。





・アナゴ(マアナゴ)

 


太平洋側の投げ釣りの好ターゲット。
サイズはえんぴつサイズから1mクラスのものまで様々ですが、大きいものでも比較的簡単に釣れます。
シーズンに関しても、ほぼ一年を通して釣れるので、厳寒期の癒しになってくれたりもします。
近年は八戸港の水質も改善してきたせいか、昔ほどヘドロっぽい感じはなく、美味しいアナゴが食べられます。
日本海側、陸奥湾ではほとんど釣れません。






・イワシ(マイワシ・カタクチイワシ)

 


最近はカタクチイワシよりもマイワシが多くなってきた感じがありますが、一度群れが入ると25cmほどの大羽イワシが100匹200匹と釣れる時もあります。
アジと違って気まぐれで群れが入ったり出たりするので、釣れているという情報が入ったらすぐ行かないといなくなります。






・カジカ(ギスカジカ)

 


青森県全域に広く分布しますが、あまり頻繁に釣れる魚ではありません。
春や秋にも釣れることがありますが、専門的に狙うのであれば、完全に冬季になります。
冬場にワームを投げていると、ソイやメバルなどの根魚に混じって時たま釣れてきます。
サイズは40cmくらいまで。
全くと言っていいほど引かないので、ゴミでも釣ったかのような感覚がありますが、置き竿にしたワームでも釣れるくらい、貪欲に餌を漁るので、比較的釣りやすい魚ではあります。

近い仲間でとても美味しい魚にケムシカジカ(トウベツカジカ)がいますが、こちらも冬に入る前に産卵のために浅場に入ってきます。
しかし、産卵が終わるまで全く口を使わないので、狙って釣るというよりは、堤防の縁に張り付いているところを網ですくったり、引っ掛けたりするのが、採捕の主流になります。






・カナガシラ

 


あまり専門的に狙うターゲットではないですが、個人的に好きで食味も良いので入れておきました。
陸奥湾内には比較的多めに生息しているので、釣るとしたら堤防でイソメを付けた投げ釣り、もしくはメタルジグに反応が良いのでジギングが良いと思います。
時期的には4月から12月くらいと見るのが無難ですが、本気で狙うのであれば秋から晩秋がオススメです。

同じ仲間のホウボウも青森で釣れますが、カナガシラと一緒に釣れてくることはあまりないです。
こちらは日本海から津軽海峡のあたりまでに多いイメージがあり、魚食性が強いため、ルアーや生き餌、魚の切り身で釣れます。




・カマス(アカカマス)

 


対馬海流に乗ってやってきた当歳魚が、6月から釣れ始めます。
その頃にはせいぜい10cmくらいなので釣る人もあまりいないですが、
その群れに混じって時たま30cmほどの2歳魚が釣れる時があります。これが大体8~9月頃になります。
6月には人差し指サイズだったアカカマスも10月になると25cmまで成長し、日本海側の各漁港で釣れるようになります。
この時期の小泊から今別あたりの漁港には、カマスが常駐しており、これから先、海の環境が変わらなければずっとこの状態が続くのではないかと思います。
シーズンは10月半ばまでと考えるのが無難。
2021年は11月の頭までは釣れていましたが、2022年は10月の半ばを境に群れが消えました。
2年魚、3年魚などがコンスタントに釣れないところを見ると、死滅回遊魚である説が強いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






・カンパチ(ショゴ)

 

出典:WEB魚図鑑 000492.jpg (1024×565) (zukan.com)


釣れるサイズは20cm~40cm。
死滅回遊魚で、7月に黒潮に乗ってきた魚が、10月11月くらいまで釣れ続きます。
ある程度毎年コンスタントに入ってくる魚ですが、まとまった数が釣れないため、メジャーなターゲットにはなりきれない魚です。
狙って釣れる場所は下北半島から太平洋側一帯で、狙い方はショアジギングがメジャーです。




・カレイ(イシガレイ・マコガレイ・マガレイ・ヌマガレイ・ババガレイ)


ひとくくりにカレイと言っても釣り方も場所も全然違いますので、それぞれに解説して行きますね。

 



・イシガレイ
様々な場所で投げ釣りをしていると釣れますが、狙ってコンスタントに釣るとなると夏泊半島がオススメです。
ここはマコガレイよりイシガレイが多めで、サイズも投げ釣りで40~50cmのものが釣れたりします。
夏泊大島付近には手漕ぎボートでカレイを釣るという文化があり、これもオススメです。
釣期については、3月~5月の大量接岸のシーズンが狙い目ですが、こだわらなければどのシーズンでも一応釣れます。

 




・マコガレイ
青森には、マコガレイの産卵床になっている漁港がいくつかあります。
そこには全国各地から釣り人が集まり、40~50cmの大型マコガレイが数多く釣られています。
このようなフィールドに生を受けたことを誇りに思いますね。というと大げさか。
釣期は12月~翌年の4月。サイズと数にこだわらなければ通年釣ることが出来る魚種です。




・マガレイ
陸からの水揚げはあまりなく、船で釣るイメージがあります。
船だと1日100枚など、まとまって釣られることもありますが、陸からだとかなり少数です。
水深がある場所に多く生息している感じがしますので、夏泊半島、脇野沢あたりが狙い目かと思います。

 

 



・ヌマガレイ(カワガレイ)
魚食性が強く、ルアーで狙える数少ないカレイ。
汽水域に多く、完全な川まで遡ることもあります。
釣期は完全に冬場に片寄りますが、冬季に雪捨て場となる陸奥湾内の海は、水温が下がりすぎて釣れない場所が多いです。
狙って釣るのであれば八戸近辺が良いフィールド。
淡水が流れ込んでくる付近だと爆釣することもあり、比較的簡単に大きいものが釣れるので、良いターゲットです。
地元では不味いという人もいますが、意外とそうでもないですよ。刺身で食べると美味しいです。

 

 

 


出典:WEB魚図鑑 ババガレイ (2022.04.29) - WEB魚図鑑 (zukan.com)


・ババガレイ(ナメタガレイ)
こちらでは正月の縁起物みたいにして食べられている、煮付けにすると美味しいカレイ。
砂地ではなく、テトラポットや岩礁に着く、珍しいタイプのカレイです。
釣期は4月~6月と見るのが無難で、磯場で釣られることが多いです。
釣り方はイソメの投げ釣り一択。
三陸海岸周辺の磯が人気の釣り場ですが、下北半島の津軽海峡に面したあたりまでは生息しています。
トップシーズンでも個体数がかなり少ないため、1回の釣行で1~2匹釣れると良いほうです。




・カサゴ

 


以前までは釣れても小型が中心だったカサゴですが、現在は20cm超の食べごろサイズも釣れるようになってきました。
クロソイやメバルなど、他の根魚に混じって時たま釣れる程度なので、狙って釣ることは難しいですが、べらぼうに釣れない魚というわけでもありません。
冬場はあまり見かけないので、水温が高いシーズンのほうが良いと思います。




・カンダイ(コブダイ)

 


南の方の海みたいに、コブダイが悠々と堤防のキワを泳いでいる姿は見たことがないですね。
北海道だと大型のコブダイを狙って釣れるポイントはあるんですが、青森ではあまり聞かないし、あまりたくさんは釣れないんですよね。
時たまクロダイやマダイのフカセ釣りに混じって釣れるくらいで、カキやカニを餌にして本格的に狙っている人はいないですね。
でも、やってる人がいない釣りなので、逆に面白いと思います。
有望なポイントは日本海側と、海峡に面した下北半島の磯場です。
釣期は夏から秋口が良いと思います。




・カワハギ・ウマヅラハギ

 

 


20cmまでのウマヅラハギでしたら秋口になるとコンスタントに釣れるんですが、それ以上のものとなると、偶発的・散発的に釣れることが多いため、この時期にこの場所に行くと大型が釣れる、ということはなかなか言えないです。
沖だと大きいものが釣れやすいみたいです。

カワハギに関しては、日本海側で結構見かけますが、ターゲットにするほど生息しているかと言われると、そうではないです。

どちらかというともう少し南方系のターゲットなので、もしかしたら冬の低水温に耐えられなくて死ぬ、死滅回遊魚かもしれません。
サイズに関しても、刺身にできるほどの大型は、釣れた話を聞きません。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 







・キジハタ

 


最近よく見かけるようになってきた魚です。
日本海側だと、9月くらいに狙って釣ることが出来るので、青森の釣り魚と認定しても良いでしょう。
日本海以外でも見かけることはありますが、狙って釣れるほどは生息していないです。
いわゆる磯ロックと言われる、テキサスリグを使った磯で行うワームでの釣りがオススメです。
サイズは30cm前後がメインですが、40cmオーバーの大型が釣れることもあります。

最近はマハタも釣れるようにはなってきましたが、ターゲットになるほど生息しているかと言われると、そこまでではないです。




・クロソイ

 


青森県では最もメジャーな根魚の一つ。
大体どこの堤防でも釣ることが出来ます。
日中でも穴釣りで釣ることができますが、夜に活発に餌を探し回るため、夜釣りにかなり分があります。
サイズは20~40cmほど。
時折産卵のシーズンと重なると50cmほどのものが陸から釣れることもあります。
太平洋側が比較的メジャーです。



・クロダイ(チヌ)

 


魚影の濃さで言ったら日本海側になりますが、陸奥湾・下北半島でも釣ることが出来ます。
他の地域みたいにイソメをつけて投げ釣りをしてれば釣れるという簡単なものではなく、カニを使ったヘチ釣り、もしくはフカセ釣りでキチンと狙わなければ釣れない魚です。
寒クロと呼ばれる寒さが厳しい冬のクロダイ、ノッコミと呼ばれる産卵期の春のクロダイ、釣りやすくなってくる夏から秋のクロダイなど、どの季節でも一応狙える魚ではあります。



・コノシロ(コハダ)

 

出典:WEB魚図鑑 コノシロ (2007.04.26) - WEB魚図鑑 (zukan.com)


夏から秋くらいになると時たま釣れる魚で、一度群れが入ってくると物凄い数がいたりしますが、いつ釣れるかは全くわからず、時期も特定できません。
場所に関しても自分の知識からは、陸奥湾と日本海側では釣れるよ、としか言えないです。
このブログにコノシロのことを書いたら、親切な方たちが教えてくれたんですが、十三湖河口は結構安定的にいるようです。
時期は寒さが落ち着いてきた5月くらいから12月手前くらいまでは釣れることがあります。
釣り人が多い釣り場で川の流れが速いので、他の釣り人に迷惑がかからないようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 






・サケ

 

 

出典:WEB魚図鑑 サケ (2020.05.13) - WEB魚図鑑 (zukan.com)


北海道のことを引き合いに出すと申し訳ないですが、鮭釣りは釣り人口が多く、我先にと一級ポイントに滑り込み、隙間という隙間に人が立ち、メスのイクラだけ取って鮭はそのへんに捨てる、なんてマナーの悪さを聞かされた日には、あまり魅力的な釣りには感じないですよね。
青森の鮭釣りはあまりメジャーではなく、最近は局所的に鮭のルアーが売ってたりはしますが、なぜか本格的に狙う人があまりいないという魚種であります。
漁業権が厳しく、海であろうとも、ここからここまでは釣ってはいけないという規制があるため、わざわざ漁協に釣っていい場所を確認しないといけないという手間はあります。
まだまだ発展途上な釣りなので、北海道の殺伐とした鮭釣りに嫌気がさした人は、開拓の意味合いも込めて青森に来てみる、というのもありかと思います。
時期は10月~11月頃です。積極的に狙って鮭が釣られている場所は太平洋側ですが、日本海側・陸奥湾・下北半島でも、フラっと泳いできた鮭がたまたまルアーで釣れるということもあります。

 

 

 



・サバ(マサバ)

 


ルアーやサビキがあればどこでも釣れて、一時の癒しになってくれるサバ。
大型を狙って捕りたければ、太平洋側の外海に面したサーフ・漁港などがオススメです。
サイズは大きいと50cm近いものまでいますが、基本は25~40cm。
時期は春・夏あたりから、遅いと12月くらいまで釣れます。

 

 

 



・サヨリ

 


日本海側と夏泊半島の漁港では、夏の風物詩となっている、食べても美味しい魚です。
サイズは大きいと40cmくらい。
釣れる場所に行くと毎年ちゃんと釣れるので、回遊魚の中でも比較的狙って行きやすい魚ですね。
釣り方は一般的なセオリー通り、ウキ下を短くした浮き釣りで、コマセを撒きながら釣ります。

 

 

 



・サワラ(サゴシ)

 


近年数が減ってきましたが、秋になるとルアーで釣れるようになるターゲットです。
凄い数の群れで来る年もあり、1日いれば50本釣れるなんてこともありましたが、最近ではシーバスやイナダ狙いの外道でたまに釣れる程度に留まっています。
サイズは45~80cm。
80cmのものが釣れた時には、脂の乗りが良い美味しいサワラが食べられます。
メインとなるフィールドは津軽半島北部から、日本海側にかけてです。
夏頃から釣れ始め、秋から晩秋くらいまで釣れます。

 

 

 

 

 

後編に続きます。