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日航、12路線を廃止・減便 09年度、全日空も10路線

日本航空と全日本空輸は世界景気低迷による需要減を受け、不採算路線の見直しを加速する。2009年度に日航は国内線・国際線合計で12路線、全日空は10路線前後を廃止・減便する。両社は原油高などを理由に07、08年度も大規模な路線整理に着手しており、3年間で路線が1割減ることになる。削減対象が集中する関西国際空港や地方の経済にも大きな影響を与えそうだ。


 週内に両社が正式発表する。航空路線の廃止は地方自治体などの抵抗が強い。しかも両社は08年度下期にも路線廃止を断行したばかり。経営効率化を進めているが、世界景気の後退により需要が急減、原油高などで収益力が低下していた両社は追加リストラを決断した。





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全日空は社長交代で若返り、伊東新社長は航空不況下苦難の登板に

全日本空輸は4月1日付けで伊東信一郎副社長(58)が社長に昇格する人事を決めた。山元峯生社長(63)は代表権のある副会長に就任する。社長就任から4年が経ち、若返りを図る。一方で副会長にとどまることで、経営にも引き続き携わる。

 伊東新社長は営業、整備、企画など幅広く担当。実直な態度で社内からも信頼が厚い。山元氏が上司だった時代にはよく酒も酌み交わした仲で同じ九州男児。今後は二人三脚で航空需要減少という嵐を乗り切る構えだ。

 社長交代会見での主な一問一答は次の通り。

-- 伊東新社長を選んだ理由は。
山元 私心のなさ、肝のすわり具合、心の広さ。

-- いつ決めた?
山元 昨年12月25日に最終的にお願いした。たまたま彼の誕生日だった。プレゼントか重荷になったのか分からないけど。

-- 交代した理由は?
山元 2010年の成田、羽田空港の拡張をにらんだ準備が済んだため、新体制で最後の仕上げをすることにした。

-- 新社長としての抱負は?
伊東 経営環境が厳しい中で責任の重さを痛感している。特に、2010年には成田、羽田の空港拡張がある。大きなビジネスチャンスとして成長軌道に乗せる必要がある。そして、アジアを代表する航空会社に向けて精いっぱい努力する。

-- 経営課題は?
伊東 国際線が成長戦略の柱だ。今までは首都圏の発着枠が足りないのがネックだった。2010年には増えるので、今まさにどこに飛ぶかを検討している。

-- 山元社長の役割は?
山元 私は社長の補佐。足元が厳しい状況なので、中計達成に向けて本業で社長を補佐していきたい。

-- 社長時代に楽しかったことは?
山元 天皇のフライトで、「お疲れさま」とねぎらいの声をかけてもらった時。それと、羽田の国際化が上海、香港と進んでいったことがうれしい思い出だ。

-- 国内線は路線を縮小・撤退していくのか?
伊東 路線については常に見直す。ただ、営業にもいたので、路線をやめるのは嫌なことだ。維持すべく努力して、地元にも協力してもらうのが基本だ。たとえば、福岡~新潟線はやめざるを得ないと思っていたが、地元にも努力してもらって残すことになった。だが、どうしてもダメな場合はやめる。

-- 新社長の趣味は?
伊東 つりが好き。渓流釣りに東北などによく出かける。テントを背負っていろんなところに行く。家族は4人。娘と息子がいる。



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人気路線でもリストラ、中国・インドで大ナタの航空業界

ついに航空業界でも路線リストラが始まった。

 全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、アジア路線の休止や減便に着手する。ANAは関西国際空港―大連・瀋陽(大連経由)を休止するほか、成田国際空港―上海・ムンバイ(インド)線を大幅減便。JALも成田―上海・北京・バンコクの3路線を3月末まで一時的に減便すると発表した。

 これまで国内線や欧米など長距離線を減らす一方、積極的に拡大してきたのが中国、インドを代表するアジア線だが、リーマンショック以降、単価の高いビジネス客の渡航が急減。成長戦略の要にもメスを入れざるをえない状況に追い込まれている。

 象徴的なのがANAのムンバイ線だ。インドに進出する自動車関連のビジネス需要を狙い、2007年9月に鳴り物入りで全席ビジネスクラスの路線を就航した。しかし景気悪化に加え、昨年11月のテロを境に搭乗率は5割から2割まで減少。「需要回復が見込めない」(ANA関係者)と、2月2日から毎日運航を週3便に減らす。

 デリー便を飛ばすJALも機材大型化やファーストクラス導入など矢継ぎ早に強化してきたが、今後は縮小を迫られる可能性も出てきた。


上海線は供給過剰に

 一方、両社が最も危機感を持つのがかつては虎の子だった中国線だ。ANAの上期の国際線方面別の旅客単価は、中国方面だけが前年同期比で下落。将来の需要増を見込み座席数を増やしてきたが、逆に旅客数が減少して採算が悪化している。中でも競争の激しいのが上海線。07年には羽田からも就航可能になり、JAL、ANA、中国系航空会社などを合わせた成田、羽田の首都圏空港からの便数は1日約20便にも膨らんでいる。

 これに対して航空関係者は「昨年初めから供給過剰とは認識しているが、実績作りが重要」と漏らす。将来、需要が拡大したときのために、優位な発着枠を確保しておきたい思惑もあるようだ。

 特に国際線を中国に集中するANAは中国政府との人脈が太く、信頼感を醸成してきた経緯もある。ANAが今回休止を決めた大連線は、07年に6割あった搭乗率が08年度上期に4割弱に減少。にもかかわらず6月に増便するなど戦略がちぐはぐだ。結局、年末は2割まで急減している。同じく休止を決めた瀋陽線は08年度上期の搭乗率が3割、直近は1割未満に下落するなど崩壊状態。もしこれが国内線ならもっと早く見切りをつけていたかもしれない。

 “聖域”ともいえる中国、インドで大ナタを振るい始めた両社。近く発表される来年度の運航計画は、一段と厳しいものになるだろう。




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