期待に胸を弾ませる婦人部員。京都本部の建設を心に決める。 | くにまさのブログ

くにまさのブログ

知っていただきたいことを、主に記していきます。

    (『新・人間革命』第7巻より編集)

           127

         〈操舵〉 21

 

 参加者は、新たな決意で二月度の後半の活動に向かって、出発していった。

 

 また、「婦人部に与う」が『大白蓮華』の三月号の巻頭言として掲載されることを知った全国の婦人部員は、その発刊の日を指折り数え、期待に胸を弾ませながら、寒風のなかを弘教に走った。

 

 山本伸一は、この二月後半、関西、四国、中国の友の激励に飛んだ。

 

 二月二十日の朝、淡い雪化粧した京都の町を、三々五々、京都方面に向かう人びとの姿があった。

 

 待望久しかった京都本部が完成し、その落成式に参列するメンバーである

 

 場内は、参加者の笑みの花が咲いていた。

 

 伸一は、京都本部の落成を喜ぶ友を見ると、二条城の近くにある、京都会館のことが思い出された

 

 そこは、京都の活動の中心拠点で、古い木造の建物であった。広間も板敷で、屋根は雨漏りがし、すきま風も吹き込むといったありさまであった。

 

 京都は、神社仏閣が甍を連ね、名高い寺や既成仏教の本山なども多いところである。

 

 それだけに、宗教改革に立ち上がり、人間のための宗教の在り方を問い、他宗の教えの誤りを正す学会への圧迫は激しかった。

 

 そのなかで同志は、この京都会館に集まっては、会合を開き、御書を研鑽し、唱題に励み、弘教に駆け回った。

 

 伸一は、三年前の早春、この会館を訪問した。メンバーは皆、意気軒昴であったが、会館は狭く、みすぼらしかった。

 

 彼は、この建物では、あまりにかわいそうだと思い、京都本部の建設を心に決めたのである