(『新・人間革命』第7巻より編集)
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〈操舵〉 20
(つづき)
最後に、創価学会婦人部こそ、妙法をだきしめた、真の女性解放の先駆者である。
自由と平和の旗を掲げた名誉を自覚し、仲良く、楽しく、美しく前進していこうではないか」
伸一は、婦人部のメンバーへの期待と感謝と尊敬の念を込めて、一気に書き上げたあと、何度も、何度も推敲を重ねた。
彼は、翌十二日の朝、その原稿を、伸一のところにやって来た婦人部長の清原かつに渡した。
この日は、台東体育館で婦人部の幹部会が開かれることになっていた。
婦人部幹部会は、会長・山本伸一が示した指針「婦人部に与う」の発表に沸き返った。
婦人部の幹部の朗読が始まると、参加者は瞳を輝かせて、聴き入っていた。
最後の「創価学会婦人部こそ、妙法をだきしめた、真の女性解放の先駆者である」との一節では、誰もが電撃を打たれたような思いにかられた。
彼女たちの多くは、経済苦や病苦にあえぎながら、自身の、わが家の宿命転換を願い、ただ幸福になりたいとの一心で、懸命に信心に励んできた。
しかし、信心の目的は、それだけでなく、「女性解放」という、もっと大きく崇高な使命を果たすためであることを自覚したのである。
「女性解放」とは、単に制度などの社会的な差別からの解放にとどまるものではない。
いっさいの不幸からの解放でなければならない。彼女たちは、自らの体験を通して、その唯一の道が日蓮仏法にあることを確信することができた。
生活という大地に根を張った婦人たちが、時代の建設に立ち上がってこそ、初めて、社会を蘇生させることができる。