(『新・人間革命』第7巻より編集)
124
〈操舵〉 18
戸田城聖の誕生日にあたる二月十一日、伸一は、戸田をしのびながら、婦人部への指針を書き始めた。
「婦人部に与う」というのが、その題名である。
彼は冒頭、「白ゆりの香りも高き集いかな 心の清き友どちなれば」との、戸田が婦人部に贈った和歌を記した。
そこには、学会婦人部の姿が、象徴的に示されているからである。
「この歌は、かって戸田前会長が、婦人部にくださった歌である。
この歌のごとく、清らかな、そして、水のごとき信心を根本に、一生成仏をめざし、また、広宣流布達成まで、団結強き、世界一の婦人部であっていただきたい。
御書にいわく『矢のはしる事は弓の力、くものゆくことは竜の力、夫(男)のしわざは婦(め)の力なり』と。
この御文は、いかに婦人が、家庭にあり、社会にあって、重要であるかとの、お言葉である。
一家にあっては、つねに太陽のごとくあっていただきたい。
いかなる苦難の嵐にあうとも、厳然と題目を唱えきり、夫が、職場においても、かつは、学会活動の面でも、十分働けるよう、賢明なる夫人であらねばならぬ。
ともに、子女のよき母とし、よき友として、愛情と理解をもって、次代のよき指導者に成長せしむる責任あることを自覚していくべきであろう」
彼はまず、主婦であり、妻であり、母である女性の在り方について、こうつづったあと、広範な婦人の使命について言及していた。
「御書にいわく『末法にして妙法蓮華経の五字を弘める者は、男女きらうべからず、皆、地涌の菩薩の出現でなければ唱えがたき題目なり』と。
これは、民主主義、男女同権の御文である。
(つづく)