学会の本部職員の心構え | くにまさのブログ

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    (『新・人間革命』第7巻より編集)

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         〈早春〉 10

 

 八時ごろ、正木永安が伸一の部屋に入って来た。

 正木の顔を見ると、伸一は言った。

 

 「どうだい、腹は決まったかい」

 

 伸一は、アメリカ滞在中から、ロサンゼルス会館も誕生したことから、正木に、本部職員として、現地の会館に勤務するように話をしていたのである。

 

 「はい、職員にさせていただきます」

 

 正木は、明るい元気そうな顔をしながら、明快に答えた。

 

 そして、言葉をついだ。

 

 「私の願望は、アメリカの広宣流布にあります。私にできることなら、なんでもさせていただきます」

 

 伸一は嬉しかった。それが、学会の職員の生き方である。

 

 ともかく、伸一は、アメリカの広宣流布のためには、多少の費用がかかっても誰かを職員とし、陰で組織を支える人をつくる必要があると思っていた。

 

 職員が決まったことは、アメリカ広布の一歩前進である。

 

 伸一は、正木の顔を見つめて言った。

 

 「学会の職員として戦うことは、君にとって、最高の人生の道だろうと、私は思う。

 

 しかし、職員の精神は、二十四時間、会員への奉仕だ。

 

 自分の自由な時間もなければ、プライバシーさえなくなると思わなければ、職員の使命を全うすることなどできないよ。

 

 職員というのは、自ら願って、人生を広布に捧げる人だ。

 

 君がアメリカ総支部長として、さらに、職員として、全力でアメリカ広布に生き抜いていくならば、世界広布の大功労者として、君の名が永遠に輝いていくだろう。

 

 しかし、広宣流布という目的を見失い、”自分”が中心になれば、名聞名利に流され、尊い仏子である会員を、自分のために利用するようになってしまう。

 (つづく)