(『新・人間革命』第6巻より編集)
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〈若鷲〉 24
(つづき)
また、御本尊の中央には『南無妙法蓮華経 日蓮』と認められていますが、この日蓮は日本語です。
さらに左右に認められている十界の衆生のうち、向かって右端の不動明王と、左端の愛染明王は梵字で表されている。
つまり、一閻浮提に流布すべきこの御本尊は、梵・漢、日の三国の文字で認められている。
昔の世界観でいえば、これで全世界ということになるでしょう。
私は、『御義口伝』の御文を拝する時、南無妙法蓮華経という日蓮大聖人の仏法は、一国一民族の教えではなく、全東洋の、全世界のための宗教であるとの実感を深くします。
また、この御文が、東洋広布は、世界広布は、必ずできるということを証明していると、私は確信しております。
その世界の広宣流布の大使命を担っているのが、君たち学生部です。
したがって、どうすれば、世界に正法を弘め、全人類を救うことができるのかということを、真剣に考えてもらいたい。
私は、諸君に期待しています。だからこそ、こうして、仏法の奥義ともいうべき『御義口伝』の講義もしているのです」
この日の『御義口伝』講義は、「南無妙法蓮華経」の終わりまで行われた。
講義を聴いた受講生の誰もが、仏法の深さを改めて知るとともに、それが極めて身近な、自分たちの生活に密着した法理であることに気づき、目から鱗が落ちる思いであった。
込み上げるさわやかな感動は、あたかも生命のシャワーを浴びたかのようであった。
講義を終えると、伸一は言った。