(『新・人間革命』第6巻より編集)
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〈波浪〉 10
公示第一日の七日、立候補が予想された顔ぶれは、ほぼ出そろった。
各候補者たちは七月一日の投票日をめざして、選挙戦の火蓋を切ったのである。
今回の選挙で、学会が支援する公政連推薦の九人の候補者が当選し、非改選の六人と合わせて十五人になれば、議員十人以上という院内交渉団体の資格をもつことになる。
すると国会運営にも、さらに大きな影響力を発揮することができる。
梅雨空を突いて、同志である九人の候補者の選挙戦は始まった。
この参院選挙は、与党の自民党にとっては、池田隼人首相が誕生し、二年が経過した内閣の姿勢に対する国民の評価・・・。
一方、公政連にとっては、イデオロギーを超えて、世界の平和と国民生活を守る第三の勢力を確立していく初陣となった。
支援する学会員は、今回は公政連という政治団体結成後の初めての選挙とあって、単に候補者個人のことだけでなく、公政連の政策をよく理解し、訴えていく必要があった。
この年の四月に、公政連の機関紙として、「公明新聞」が創刊されたが、同志は、これを熟読しては、公政連の政策や、現状の政治の問題点を、友人や知人に語っていった。
そのやりとりのなかで、答えに窮したり、要望を耳にしたりすると、すぐに東京・品川区上大崎の公政連本部に連絡をとった。
公政連本部でも、こうした支援者の声を大事にし、政策に反映できるものは、積極的に取り入れるように努力していった。
つまり、支援者と公政連本部とが一体となって、民衆のための新しい政治をめざしながら、支援活動が進められていったのである。