(『新・人間革命』第2巻より編集)
13
〈先駆〉 13
さらに、(つづき)地区にあっては座談会の推進力となり、若々しく、はつらつとした息吹で、同志を優しく包んでいただきたい。
青年は地区の希望であり、活力であります。
壮年、婦人から『あの人は、わが地区の誇りである』 『あの青年がいるから、わが地区は大丈夫だ』と言われる存在になってこそ、本当の次代のリーダーといえます。
座談会は、広宣流布という民衆運動の生命線です。
それを決して疎(おろそ)かにすることなく、青年の手で座談会を成功させていこうではありませんか」
「私は、皆さん方を信頼しております。もしも、私が倒れることがあったならば、青年部の皆さんが、私の遺志を継いで、広宣流布に邁進して行っていただきたいと思います」
一瞬、静寂が流れた。
自らが倒れることまで考えながら、広布に走る伸一の心に、誰もが大きな感動を覚えたのである。
そして、万雷の拍手がわき起こった。
自らの地位と安泰のために、伸びゆこうとする青年の成長の芽を摘みとる指導者もいる。また、自分のために青年を利用し、その犠牲のうえに、自身の栄誉を築こうとする指導者もいる。
しかし、彼は、「従藍而青(じゅうらんにしょう:色を重ねれば、もとの藍より濃くなることから、弟子が師匠以上に成長していく譬え)」を願い、自らが青年のために、喜んで犠牲になるつもりでいたのである。