(『新・人間革命』第2巻より編集)
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〈先駆〉 12
しかし、難が競い起こることは、大聖人が御書で明確に御教示されている。結局、教学がないがゆえに、退転していった。
教学は、仏弟子として、自らの進むべき信心の軌道を照らしてくれます。
今後、学会は、座談会とこの教学を、二つの柱としていきますので、特に女子部の皆さんは、しっかり教学に取り組んでいただきたいのであります」
九日の女子部の幹部会に引き続き、翌十日は、男子部の幹部会が、千駄ヶ谷の東京体育館で開催された。
青年会長・山本伸一は、烈々たる気迫で、男子部の友に呼びかけた。
「御本仏日蓮大聖人は、『詮ずるところは、天もすて給え。諸難にもあえ、身命を期とせん(大聖人が法華経の行者としての御決意を述べられた文。
所詮は、天も日蓮を捨てなさい。難にいくらあおうとも問題ではない。身命をなげうって正法の弘通に邁進するのみであるの意)』と仰せになっております。
私はこの御聖訓を胸に、最後まで、諸君とともに戦い、諸君とともに苦しみ、諸君とともに悩み、そして広宣流布即世界の平和のために、一生を捧げてまいる決意でございます。
かって、戸田城聖先生は、『青年は国の柱である』 『青年は日本の眼目である』 『青年は日本の大船である』と指導されましたが、日本の未来も、青年の双肩にかかっている。
なかんずく、仏法という最高の生命哲理を持(たも)つ諸君こそ、混迷する社会を開き、次代の世界を担う柱であると、強く確信するものであります。
そして、新たな社会の建設のためには、一人ひとりが、科学、経済、教育、政治などのあらゆる分野で、一流の人材に育っていかなければなりません。
また、狭い日本だけにとらわれるのではなく、広く世界に雄飛し、人類の幸福と平和のために貢献していくことが、諸君の使命であります」
彼は、壮大な使命を語ると同時に、足元の課題を明らかにすることを忘れなかった。
「青年は、師子王のごとき心で、邪悪に対しては一歩も退かぬ勇気がなくてはなりませんが、同時に、礼儀正しく、思いやりにあふれた真摯な態度の人でなければならない。
さらに、(つづく)