映画「検察側の罪人」紹介、2018年8月5週発売の新作 | 忍之閻魔帳

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▼先週を振り返る

 

 

<当BLOG過去記事>

【紹介記事】映画「カメラを止めるな」技ありなれど傑作ではない

【関連記事】「カメラを止めるな」の盗作疑惑について

<一般メディア記事>

【関連記事】『カメラを止めるな!』はパクリだ!原作者が怒りの告発

【関連記事】映画「カメラを止めるな!」について

 

燻り続ける「カメラを止めるな」問題。

当BLOGの見解は作品の感想も含めてファーストインプレッションから

一貫しているので今後どちらに風向きが変わっても不思議ではないのだが

面白いから問題なしとする方や手のひらを返した方、

騒動を知ってビッグウェーブに乗ろうとする方を巻き込んで

劇場では好稼働が続き、先日ついに累計興収10億円を突破した。

坂上忍が司会を務める「バイキング」では公開中の作品としては異例とも言える

全編ネタバレをしながら舞台版との比較・検証を行っていた。

中立の立場として呼ばれた(であろう)映画コメンテーターの有村昆が

「今回の件を例えるならば、同じ手品のタネを使ったマジックが2種類あって

見せ方においては映画版の方がよりショーアップされていたということ」としたが

坂上に「でも手品のタネっていうのは皆お金を払って買うわけでしょ?

技術より何より、それ(タネ)を思いつくのが大変だから。

そこを無断で拝借したらやっぱりダメだと思う」と突っ込まれてぐうの音も出ていなかった。

今後ハリウッドリメイク等の話が現実味を帯びてくれば

動く金の大きさは何十倍にもなる。泥仕合になる前に解決していただきたいところ。


10月17日発売■Blu-ray:ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX 初回版

10月17日発売■Blu-ray:ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX

10月17日発売■4K:ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー MovieNEX

10月17日発売■4K:ハン・ソロ MovieNEX Amazon特典付きスチールブック仕様

10月17日発売■4K:ハン・ソロ MovieNEX 3D付きスチールブック仕様

 

「スター・ウォーズ」のスピンオフシリーズ新作「ハン・ソロ」がBlu-ray発売決定。

日本の興収も20億強と、ドル箱シリーズとは思えない平凡な成績に終わってしまったが

ハリソン・フォードの作り上げてきたハン・ソロ像とかけ離れ過ぎていたことも

振るわなかった一因ではないかと思う。それほど悪くはないのだが・・・依怙贔屓だろうか。


▼Kindleセール情報まとめ

 

 

★Kindle本 セール&キャンペーン まとめてチェック

★Kindle本 紙書籍と同時発売の新刊情報

 

<8月24日よりスタートした新たなセール>

【9月02日終了】★Kindle:Kindle端末各種 最大4,300円引きセール

無印版が2,000円、Paperwhiteと同マンガモデルが4,300円引き。

【9月06日終了】★Kindle:50%OFF以上 新書フェア

【9月06日終了】★Kindle:【50%OFF以上】夏のゲーム開発本フェア

 

<継続して開催中のセール>

 

【8月30日終了】★Kindle:講談社 「夏☆電書2018」

【8月30日終了】★Kindle:75%OFF KADOKAWA Kindle限定75%OFFセール

【8月30日終了】★Kindle:夏休みKADOKAWAガンダムコミックフェア

【8月30日終了】★Kindle:199円均一 幻冬舎のオススメ教養書

【8月30日終了】★Kindle:夏☆電書2018 戦国歴史小説フェア 夏の陣

【8月31日終了】★Kindle:40%OFF トーチ創刊4周年記念セール

【8月31日終了】★Kindle:99円 実用書サマーセール | 西東社


▼今週発売のBlu-ray

 

    

8月29日発売■Blu-ray:安室奈美恵 Final Tour ~Finally~ 東京最終+沖縄+名古屋

8月29日発売■Blu-ray:安室奈美恵 Final Tour ~Finally~ 東京最終+沖縄+福岡

8月29日発売■Blu-ray:安室奈美恵 Final Tour ~Finally~ 東京最終+沖縄+大阪

8月29日発売■Blu-ray:安室奈美恵 Final Tour ~Finally~ 東京最終+沖縄+5月東京

8月29日発売■Blu-ray:安室奈美恵 Final Tour ~Finally~ 東京最終+沖縄+札幌

 

今週発売の新作はほぼこれに話題集中。

引退の近づく安室奈美恵のファイナルツアーの様子を収録した

ライブBlu-rayが全5種類(各3枚組)で発売。

東京ドームでの最終公演、沖縄の25周年記念公演は固定で、

3枚目が名古屋、福岡、大阪、札幌、東京の別日収録になっている。

ランダム封入でなく選べるだけマシと受け取るべきなのかも知れないが

最後の1枚を揃えるために5セット予約している猛者も多いらしい。

 

予約の段階でライブBlu-rayとしては異例のミリオン突破、

小室哲哉が映画音楽を手掛ける「SUNNY」の公開とも重なり、

今年の9月はあちこちで安室の歌声が聴こえてきそう。


8月29日発売■Blu-ray:羊の木 豪華版

 

【紹介記事】映画「羊の木」更生と再犯と人情より抜粋。

 

「桐島、部活やめるってよ」「紙の月」「美しい星」の吉田大八監督の最新作は

山上たつひこ、いがらしみきお共作の同名コミックスの映画化。

過疎の港町に元受刑者6人を受け入れることになったことで起こるミステリー。

主演は「県庁おもてなし課」の錦戸亮。

共演は木村文乃、北村一輝、優香、市川実日子、水澤紳吾、田中泯、松田龍平。

 

例えばあなたの住む町に、あなたの住むマンションに

「元殺人犯が引っ越してきます」と言われたらどうだろう。

刑期を務め終えていたとしても、すんなり受け入れられる人は少ないのではないか。

自分はさておき、妻や子供はどうだろうかと考えた時に、どうしたって不安は残る。

「差別は良くない」「過去は過去」と正論をぶつける人の中に、

どこか第三者目線を感じてしまうことがある。

自分に直接関係がないからそんな綺麗事を言えるのだ、と。

あなたが当事者であったならどうですかと問うてみたくなる。

もちろん、「私の隣に住んでくれていい」と断言する人もいるだろう。

この映画の中にも、過去は過去だと話す女性(安藤玉恵)が登場する。

みんながみんな彼女のような人間ならば再犯率は減るのかも知れない。

頭では分かっているのだ。

頭では分かっていても、実行するのは難しい。

 

信じる心は人を救うのか。

信じ切る強さを人は持てるのか。

信じようとしてくれた相手を躊躇なく殺せるか。

 

6人の元受刑者が様々な形で見せてくれる「信じる」ことの難しさ。

本作で描かれていることは、私達にも無関係ではないし、

実はもう関係している可能性もある。


8月28日発売■Blu-ray:劇場版 マクロスΔ 激情のワルキューレ 特装版


▼映画「検察側の罪人」

 

8月24日公開■Movie:検察側の罪人

 

「犯人に告ぐ」などで知られる雫井脩介の同名ミステリー小説を

「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」「日本のいちばん長い日」など

骨太で重厚な邦画を撮る原田眞人監督が映画化。

最大の話題は、SMAP解散後もジャニーズに残留した木村拓哉が

これまで別の管轄と言われていた嵐の二宮和也との共演を果たしたこと。

共演は吉高由里子、平岳大、キムラ緑子、松重豊、山崎努など。

 

配信中■Kindle:合本 検察側の罪人【文春e-Books】

発売中■Book/Kindle:検察側の罪人 上 (文春文庫)

発売中■Book/Kindle:検察側の罪人 下 (文春文庫)

 

原田監督の大ファンでもあるので、女性が多そうだと覚悟しながら初日に観てきた。

作品が猟奇殺人を扱っているためか思ったほど若い女性は多くなくてひと安心。

どの道、アラシックの方々が二宮目当てで観に行っても討ち死に必須の作品ではある。

このところ森田剛主演の「ヒメアノ〜ル」(吉田恵輔監督)、

錦戸亮主演の「羊の木」(吉田大八監督)と、ジャニーズ主演作にも関わらず

およそファン層と合致しない、意欲的な作品が製作されていてなかなか興味深い。

 

私は原作未読なのだが、そんな私でもこの映画版が相当に原作を改変、

もしくは端折って作られているであろうことは分かった。

「行き過ぎた正義は悪に染まる」という部分に時間を割きたかったのか、

主要人物の背景を豪快に省いて要点だけを次々に並べていくのだから

原作を読んでいる方か、こういった作品を見慣れているかのどちらかでなければ

話に追いついていくことすら困難ではないか。

観客の方を振り向くことなく、前だけを見て突き進む物語から

振るい落とされないようしがみつくのに必死で、疑問ばかりが山積みになってゆく。

困ったことに、映画を最後まで見ても回収されない謎が多いので

観客に想像の余地を残した秀逸なエンディングまでが

説明不足の産物のように映ってしまうのだ。

 

例えば最上(木村拓哉)と親友らしき丹野(平岳大)なる男について。

彼の素性が良く分からないので最上が必死に庇う理由もぼんやりとしか分からず、

分かったところで説得力が弱い。

エキセントリックな妻(久しぶりに東風万智子を見た)や

怪しげな宗教団体のことも全て消化不良のまま。

その他の人物についても同様で、最上の家族然り、

取り調べを受けている松倉(酒向芳)の犯罪歴然り、

暗躍する諏訪部(松重豊)と警察との関係、

橘(吉高由里子)と沖野(二宮和也)がいつ恋仲になったのか、

物語の根幹を成すはずの最上と沖野の師弟関係もほとんど描かれないまま

エピソードだけが乱立し、映画全体で大渋滞を起こしてしまっている。

 

超簡単にまとめれば、本作は正義を信じるあまり、

正義の遂行を邪魔する者を排除するために闇組織と接触し、

ついに犯罪にまで手を染めてしまった男の物語である。

そこを掘り下げるのであれば、犯罪に手を染めた男と、

信じていた先輩を疑わざるを得なくなった後輩の苦悩に焦点を絞って

それ以外のエピソードや人物は整理しても良かったのではないか。

極端なことを言えば、丹野は丸ごと居なくても良かったし、

最上の家族を登場させる必要も全くなかったと思う。

 

木村と初共演の二宮は、最上への憧れと疑念を同時に抱える

沖野という人物を良く演じていて、吉高とのコンビで物語を回している印象。

特に取調室で凄むシーンは息を呑む迫力。

 

11月2日発売■Blu-ray:孤狼の血 B6ポスターカード2種1セット付き

11月2日発売■Blu-ray:孤狼の血

 

警察権力の腐敗や、「毒を以て毒を制す」物語は

今年は既に「孤狼の血」という大傑作があり、あれを観てしまうと

本作は柱の弱さ、演出の力強さ、役者の層の薄さ、全てにおいて弱い。

厳しいことを言えば、木村拓哉が一皮剥けるためにお膳立てされた

「アイドルからの脱皮を目論んだ映画」の域を出ていない。

間違いなくヒットはするだろうが、原田監督らしさが100%出ているとは言い難い。

 

映画「検察側の罪人」は現在公開中。