これだけは観ておきたい、2013年度公開映画総まとめ | 忍之閻魔帳

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正月ボケもそろそろ治ってきたところで
2013年の鑑賞作品を、独断と偏見により総括してみる。
昨年末に全タイトルを3ヶ月ずつに分けて紹介済みなので
本記事ではその中から特にお勧めの作品だけをピックアップして紹介。
全作品のリストは以下の過去ログをご確認を。

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さらに、上記で紹介した作品の多くは個別でも紹介済み。
各作品についてもう少し詳しく知りたい方は、サイドバーの過去ログ検索に
タイトルを放り込んでいただけると、紹介記事が引き当たるはず。



▼これだけは観ておきたい、2013年度公開映画総まとめ(邦画編)


・「みなさん、さようなら」

中村義洋監督&濱田岳の名コンビによる青春ドラマ。
団地の中だけで一生生きてゆくと決めた男性が
様々なトラブルにぶつかって成長する姿を描いている。


・「つやのよる ある愛に関わった、女たちの物語」

群衆劇の達人・行定勲監督が愛憎入り交じる複雑な人間ドラマを描いた作品。
小泉今日子、野波麻帆、風吹ジュン、真木よう子、忽那汐里、大竹しのぶら
達者な女優陣を相手に阿部寛が孤軍奮闘。


・「さよなら、ドビュッシー」

ちょっと懐かしい、1980年代の角川映画のような雰囲気が漂う学園ドラマ。
オチは序盤でもう読めてしまうが古めかしい学園モノのテイストに
橋本愛が上手くマッチしていて、アイドル映画として成立している。


・「横道世之介」

「南極料理人」の沖田修一監督が吉田修一の原作を映画化した青春ドラマ。
若くして亡くなってしまったひとりの青年がどう生きたのか、
大切な人に先立たれた人々が哀しみをどう癒し、
笑顔を取り戻してゆくのかを描いている秀作。

映画 ポスター チラシ 舟を編む
・「舟を編む」

どこの家庭にも1冊はある辞書が完成するまでを描いたドラマ。
辞書作りを一生の仕事と決めた青年にスポットを当て、
完成までの地道な作業を数十年に渡って描いてゆく。
石井裕也監督が巨匠への階段に足をかけた記念碑的作品と言えるのでは。


・「箱入り息子の恋」

星野源が映画初主演を果たした恋愛ドラマ。
30歳を過ぎて未だ童貞&恋愛経験なし&親と同居という
三重苦を抱える男が、ひとりの女性と恋に落ち猛烈なパワーを発揮する物語。
不器用さ、どん臭さも含めて全てが微笑ましい。


・「さよなら渓谷」

自分をレイプした相手と結婚した主人公が何を想いながら生活を共にしているのか。
傷つけては寄り添い、突き放しては抱き寄せる二人の関係を描いたドラマ。
醒め切った瞳の奥に底なし沼のような寂しさを匂わせる真木よう子が絶品。


・「真夏の方程式」

人気TVドラマの劇場版第2弾。
公開目前まで放送された第2シリーズで落胆したファンでも納得のいく本格的な仕上がり。
真夏の風景で語られる親子の絆と、珍しく少年に心を開く湯川の変化が見物。

映画 宮崎駿 風立ちぬ スタジオ ジブリ
・「風立ちぬ」

宮崎駿監督の最新作にして長編映画としては引退作。
生きたいように生きることがままならなかった時代の息苦しさに、
「だから、お前たちは今の幸せを守っていくんだよ」という宮崎監督の父性を感じる。


・「江ノ島プリズム」

「時をかける少女」から続くちょっと不思議な青春映画。
福士蒼汰、野村周平、本田翼、未来穂香の若手四人が実に初々しく、
湘南や江の電といった鎌倉ならではの風景の中でキラキラしている。
「さよなら、ドビュッシー」と並ぶ80年代風テイストが懐かしい。


・「貞子3D 2」

スマホを手に持ったまま鑑賞するスマ4Dを導入し
「携帯の電源はOFFに」が大原則である映画業界の常識を覆した意欲作。
作品の内容ではなく、スマ4Dの斬新な遊び方を評価。

映画 そして、父になる
・「そして、父になる」

「取り違え」によって赤の他人の子どもを6年間育て続けたふたつの家族を通して
血とは何か、情とは何か、父性とは、母性とは、家族とは何かを描き出すドラマ。
戸惑いながら答えを模索する両親や子どもの姿を丁寧に描くことで
それを観ている私達の道徳観や人生観を問われているような作品。

映画 地獄でなぜ悪い
・「地獄でなぜ悪い」

最高に笑い、興奮してちょっと泣ける園子温監督の最新ブラッディコメディ。
斬りまくり撃ちまくりの後半は生首すら跳ぶが、残虐ではなくポップで
「キル・ビル」に通じるノリ。
全編に映画愛が溢れているところもタランティーノっぽい。
長谷川博己と星野源が非常にオイシイ役どころ。

映画 かぐや姫の物語 チラシ
・「かぐや姫の物語」

日本最古の物語として知られ、絵本やアニメーションで広く親しまれている
「竹取物語」を映画化した、高畑勲監督14年ぶりの劇場公開作品。
精緻を極めたアニメーション技術と、時代を超えた命への讃歌に震える。
これほど贅を尽くした作品は、今後日本のアニメでそうそうは出て来るまい。


映画 武士の献立 チラシ
・「武士の献立」

江戸時代に実在してた料理方、通称『包丁侍』にスポットを当てて描く夫婦のドラマ。
時代劇でありながら現代にも通じる人情劇であり、料理も添え物で終わっていない。
時代劇初挑戦の高良健吾は若干硬いが、上戸彩が驚くほどハマっていた。

映画 麦子さんと チラシ
・「麦子さんと」

吉田恵輔監督が堀北真希を主演に迎えて撮った母娘モノ。
長く連絡の途絶えていた母が突然同居して欲しいと転がり込んでくるが
末期癌だった母は絆が芽生える前にこの世を去ってしまう。
憎むことも愛を乞うことも出来なかった娘は、遺骨を抱えて母の生まれ故郷を訪れる。
母の面影を追ううちに思慕の念を募らせてゆくが、もう母はこの世にいない。
堀北真希にとっても間違いなく代表作となる1本。



2013年の邦画界をひと言で表すなら、
「巨匠の強いアニメと若手監督の台頭する実写」。

アニメでは、ジブリのツートップである宮崎・高畑の新作が揃って公開される一方で
「かぐや姫の物語」はその評価の高さとは裏腹に興行的には苦戦。
コア向けの作品では、毎週異なる入場特典を用意して高稼働を維持するAKB方式と
劇場公開からBlu-ray発売までのサイクルを極端に短くしたOVA方式が目立った。

実写では、是枝裕和監督や園子温監督といった50代監督が
クオリティの高い作品を発表する一方で
30代~40代の若手監督が次々と良作を発表したのが印象深い。
以下に作品と監督の年齢、これまでに手掛けた主な作品を並べてみる。

・「みなさん、さようなら」中村義洋(1970年)「ゴールデンスランバー」
・「さよなら渓谷」大森立嗣(1970年)「まほろ駅前多田便利軒」
・「麦子さんと」吉田恵輔(1975年)「ばしゃ馬さんとビッグマウス」
・「箱入り息子の恋」市井昌秀(1976年)
・「横路世之介」沖田修一(1977年)「南極料理人」「キツツキと雨」
・「江ノ島プリズム」吉田康弘(1979年)「キトキト!」
・「舟を編む」石井裕也(1983年)「川の底からこんにちは」

既にヒットメーカーとして定着している中村義洋監督、沖田修一監督に加え
「純喫茶磯辺」の吉田恵輔監督、「キトキト!」の吉田康弘監督、
お笑い芸人からの転身である市井昌秀監督、「まほろ駅前多田便利軒」の大森立嗣監督、
「川の底からこんにちは」の石井裕也監督の5人が揃って秀作を発表。
これほど若手監督が名作を連発した年は、ちょっと記憶にないほどの大豊作であった。



▼「忍之閻魔帳」勝手に映画祭 2013(邦画編)

2013年度邦画・忍的作品賞:「舟を編む」
2013年度邦画・忍的作品賞:「横路世之介」
【次点】「麦子さんと」「箱入り息子の恋」「地獄でなぜ悪い」「そして、父になる」

どうしても絞り切れずに最優秀は2本。
次点といってもほぼ横一線で、改めて2013年は良い映画が多かった。

2013年度邦画・忍的監督賞:石井裕也(舟を編む)
【次点】吉田恵輔(麦子さんと)沖田修一(横路世之介)

2013年度邦画・忍的主演男優賞:松田龍平(舟を編む)
【次点】高良健吾(横路世之介)星野源(箱入り息子の恋)
    阿部サダヲ(奇跡のりんご)福山雅治(真夏の方程式/そして、父になる)

主演男優は従来のイメージをさらに押し進めた役作りが目立つ。
そんな中で「舟を編む」の松田龍平は頭ひとつ抜けていた。
福山は興収面では断トツの優等生だが、芝居はまだ硬い。
阿部サダヲは「謝罪の王様」のような役はそろそろ封印して
人情劇に転身してはどうかと「奇跡のりんご」で思った。

2013年度邦画・忍的主演女優賞:真木よう子(さよなら渓谷)
【次点】上戸彩(武士の献立)堀北真希(麦子さんと)

今年は男性が主演の映画に名作が多く、女性はやや不作。
そんな中で光っていたのがこの3名。
真木よう子は「そして、父になる」でも好サポートしており、
ドラマ「最高の離婚」も含めて2013年は良い仕事尽くしだった。

2013年度邦画・忍的助演男優賞:リリー・フランキー(そして、父になる/凶悪)
【次点】星野源(地獄でなぜ悪い)長谷川博己(地獄でなぜ悪い)
    大泉洋(清須会議)田中泯(永遠の0)

「地獄でなぜ悪い」の二人、「清須会議」の大泉洋など助演男優は名演揃い。
心情的には「箱入り息子の恋」でも頑張った星野を推したいところだが
やはり二作で全く別人を演じ分けたリリー・フランキーに軍配。

2013年度邦画・忍的助演女優賞:中谷美紀(清須会議/利休にたずねよ)
【次点】真木よう子(そして、父になる)忽那汐里(つやの夜)吉高由里子(横路世之介)

助演男優と全く同じ理由で、二作で別人を演じ切った中谷美紀に。



▼これだけは観ておきたい、2013年度公開映画総まとめ(洋画編)


・「命をつなぐバイオリン」

「戦場のピアニスト」「善き人のためのソナタ」「サラの鍵」などと同じく
ナチズムの台頭を土台にしながら、子供達の友情にスポットを当てた秀作。
拳を突き上げることなく反戦を訴える上質な演出が光る。


・「ゼロ・ダーク・サーティ」

「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督が
オサマ・ビンラディン暗殺までの舞台裏を描いた社会派のドラマ。
ビリビリの緊張感でスクリーンに釘付けになる。

映画 ポスター チラシ 世界にひとつのプレイブック
・「世界にひとつのプレイブック」

大切なモノが欠けてしまった一組みの男女が
互いの傷を認め支え合いながら新たな一歩を踏み出すラブストーリー。
ブラッドリー・クーパーもジェニファー・ローレンスもいいが
二人を見守るデ・ニーロやジャッキー・ウィーヴァーがまた素晴らしい。


・「ジャンゴ 繋がれざる者」

クエンティン・タランティーノ監督が描く、マカロニ・ウエスタンの快作。
虐げられる者の悲劇を容赦ない描写で描きながら
最後の最後で3倍返しにするいつも通りの痛快な展開。
クリストフ・ヴァルツの怪演も見物。

映画 ポスター チラシ キャビン
・「キャビン」

おバカな若者達が人里離れた山小屋で戦慄の一夜を過ごすホラー。
古今東西のホラー映画からオイシいところを寄せ集めた
欲張りかつウルトラ級にバカな娯楽作品。

映画 ポスター チラシ 愛、アムール
・「愛、アムール」

世界的に社会問題化している老老介護問題に迫った作品。
重苦しい作品ではあるが、命ある者が避けて通ることのできない
「人生の最期」について深く考えさせられる。

映画 ポスター チラシ シュガーマン
・「シュガーマン 奇跡に愛された男」

本国ではセールス不振から既に表舞台を去っているひとりのミュージシャンの歌が
世界の反対側で熱狂的な支持を集め、国民的なスターになっていた。
いつ叶うともわからぬ夢を抱きながら生きる全ての人々に
希望を与えてくれる音楽ドキュメンタリー。


・「ザ・マスター」

お飾りの教祖と、戦時中に心に負った傷がいつまでも癒えない男が
共依存のように互いを必要とする人間ドラマ。
ホアキン・フェニックス、フィリップ・シーモア・ホフマン、
エイミー・アダムスの三人が作り出す緊張感に思わず息をのむ。


・ハッシュパピー ~バスタブ島の少女~」

アメリカ・ルイジアナ州に浮かぶ小さな小さな島・バスタブ島で暮らす
ひと組の父娘を通して、沈みゆく街で暮らす者達の姿を描いた作品。
幾度となく自然の脅威にさらされながら、決して島を見捨てず
明るく生き抜こうとする人間の強さにスポットを当てている。


・「きっと、うまくいく」

歌も踊りもCGも、インド映画らしさは全て兼ね備えた上で
現在のインドが抱えている深刻な社会問題にも言及した感動の青春ドラマ。
後味のさわやかさでは2013年公開作品でNo.1。


・「グランドマスター」

ウォン・カーウァイが8年もの歳月をかけて完成した、伝説の格闘家・イップマンのドラマ。
トニー・レオンもチャン・ツィーもチャン・チェンも皆美し過ぎるほどに美しく
映像にこだわるカーウァイ作品の健在ぶりを存分に堪能できる。


・「インポッシブル」

2004年のスマトラ島沖地震によって離散してしまった一家が
奇跡的に再会するまでを描いた実話ベースのドラマ。
過酷な状況に置かれながらも小さく点った希望の灯を皆で守ろうとする姿に
人間の持つ根源的な強さと温かさを感じる。


・「しわ」

長年銀行員として勤め上げた後、認知症を発症してしまった
ひとりの男の終末期を描いたフランス産のアニメ。
父親から降り、労働からも降りしてしまった男のもとに残ったのは何なのか。
側に居てくれるのは誰なのか。多くのことを考えさせられる。


・「パシフィック・リム3D & 2D版」

敬愛するギレルモ・デル・トロ監督が
日本産の特撮やアニメへのオマージュを込めて製作したハリウッド版・怪獣映画。
ハリウッドならではの大金を投入した「ごっこ遊び」の域は出ていないので
ドラマ部分への期待は禁物。


・「タイピスト!」

持てる限りの技量を駆使してNo.1タイピストを目指す女性達を
フランス映画らしいお洒落さと、ちょっぴりのスパイスで描いた快作。
時に厳しく、時に優しくヒロインに接するロマン・デュリスが
女性向け映画の『メロメロ』を一手に引き受ける奮闘ぶり。

Blu-ray スター・トレック イントゥ・ダークネス
・「スター・トレック イントゥ・ダークネス」

マイナス要素がゼロ、全編がプラス要素だけで構成されたリブート第2弾。
ベネディクト・カンバーバッチが加わり、さらに物語に厚みが増している。
SF映画だが特撮シーンが見せ場ではなく、クルーが織り成すドラマこそが主役。

映画 サイド・エフェクト
・「サイド・エフェクト」

鬱病と薬害問題をテーマにしたサスペンス。
911以降、心療内科に通院する患者が急増していると言われるアメリカと
患者数に比例して増加する薬害問題にスポットをあてている。
全てを知った精神科医の鮮やかな復讐劇に興奮。〆方も美しい。

映画 大統領の料理人
・「大統領の料理人」

ミッテラン大統領のプライベート・シェフに抜擢された
ひとりの女性シェフの真実に迫ったドラマ。
旧態依然とした男社会がまかり通る大統領官邸の厨房に飛び込んだ主人公が、
様々な嫌がらせにも屈することなく大統領の信頼を得てゆく過程を描いている。
カトリーヌ・フロは相変わらず抜群の存在感。


・「ウォーム・ボディーズ」

ロメロから受け継がれてきたゾンビ映画のセオリーに
新たな解釈を追加(改変ではないのがミソ)し、活路を見出した良作。
完全なゾンビになることを嫌い、音楽を愛する半ゾンビの主人公が
生身の女性に一目惚れするロマンティックな青春映画。これは新しい。


・「クロニクル」

ファウンド・フッテージの形を借りながら
SF映画でもあり青春映画でもある点が新しいPOV系ホラー。
「ヱヴァ」「AKIRA」に通じるアニメ系のノリ。


・「トランス」

名画の盗難事件を軸に、犯罪者側と警備側の駆け引きを描く・・・ように見せかけて
最終的には一体誰が誰を騙しているのかの心理ゲームへとなだれ込むサスペンス。
精神科医のロザリオ・ドーソンは今年のセクシー女優No.1。


・「死霊館」

「心霊現象の大半は科学的に解明できる」と豪語する心霊研究家の夫妻が
その長い経歴において唯一「本物」と認めた1971年の症例を元にしたホラー。
出血量や残虐表現に頼らず、観客をジワジワと絞め上げてゆく上質な怖さと
母性を盛り込んだ感動系のオチは従来の同系作品に比べて一段上。

映画 42 世界を変えた男 チラシ
・「42 世界を変えた男」

史上初の黒人メジャーリーガーとして名を残す伝説のプレイヤー、
ジャッキー・ロビンソンの感動の伝記ドラマ。
オーソドックスなドラマではあるが、永久欠番「42」を獲得した名選手の
エピソードだけあり見応え充分。ハリソン・フォードが実に良い枯れ具合。

映画 恋するリベラーチェ チラシ
・「恋するリベラーチェ」

ド派手衣装に身を包む人気エンターテナー、リベラーチェの物語。
偉大なる芸術家の伴侶として、努力できる限りのことは受け入れようとした
若き恋人が、何故リベラーチェを訴えることになったのか。
そして、こじれた関係でありながら最期を看取ることになったのか。
役者魂を見せてくれたマイケル・ダグラスとマット・デイモンには拍手を贈りたい。

映画 ゼロ・グラビティ チラシ
・「ゼロ・グラビティ」

地球を周回するスペースシャトル上で発生した事故と、
生き残ったエンジニアが地球に還るため奮闘する様子を描いたパニック・ムービー。
言葉に出来ない孤独感や絶望感が、3D映像によって何倍にも増幅され
映画館に居ながらにして宇宙旅行を擬似体験できてしまう革命的な作品。



▼「忍之閻魔帳」勝手に映画祭 2013(洋画編)

2013年度洋画・忍的作品賞:「インポッシブル」
【次点】「愛、アムール」「世界にひとつのプレイブック」「ザ・マスター」
    「シュガーマン 奇跡に愛された男」「きっと、うまくいく」
    「大統領の料理人」「ウォーム・ボディーズ」「死霊館」「ゼロ・グラビティ」

新体験という意味では「ゼロ・グラビティ」、
考えさせられた映画なら「愛、アムール」、
娯楽作品としての楽しさは「きっと、うまくいく」、
単館らしいこだわりと丁寧な演出は「大統領の料理人」と
それぞれに魅力溢れる作品が揃ったが、やはり1本選ぶなら「インポッシブル」。

2013年度邦画・忍的監督賞:スティーブン・ソダーバーグ(サイド・エフェクト)
【次点】アルフォンソ・キュアロン(ゼロ・グラビティ)
    ラージクマール・ヒラーニ(きっと、うまくいく)
    ミヒャエル・ハネケ(愛、アムール)
    J・A・バヨナ(インポッシブル)

3D映画の必要性を再確認した「ゼロ・グラビティ」や
インド映画の底力を見せつけた「きっと、うまくいく」も良かったが
何と言っても今年だけでクオリティの高い3本の新作が公開され、
映画監督として有終の美を飾ったスティーブン・ソダーバーグしかいない。

2013年度邦画・忍的主演男優賞:マイケル・ダグラス(恋するリベラーチェ)
【次点】ホアキン・フェニックス(ザ・マスター)
    ジュード・ロウ(サイド・エフェクト)
    ニコラス・ホルト(ウォーム・ボディーズ)

役への入り込み度ではホアキン・フェニックスとマイケル・ダグラスが五分。
ゾンビ映画にイケメンの好青年という新風を送り込んだニコラス・ホルトも健闘。

2013年度邦画・忍的主演女優賞:エマニュエル・リヴァ(愛、アムール)
【次点】ジェシカ・チャステイン(ゼロ・ダークサーティ)
    ジェニファー・ローレンス(世界にひとつのプレイブック)
    カトリーヌ・フロ(大統領の料理人)

寝たきりの状態で母としての強さや包容力を見せたナオミ・ワッツも捨て難いが
エマニュエル・リヴァの迫真の演技には一歩及ばず。

2013年度邦画・忍的助演男優賞:トム・ホランド(インポッシブル)
【次点】ベン・ウィショー(クラウド・アトラス)
    クリストフ・ヴァルツ(ジャンゴ)
    トミー・リー・ジョーンズ(リンカーン)
    ハリソン・フォード(42 世界を変えた男)
    フィリップ・シーモア・ホフマン(ザ・マスター/25年目の弦楽四重奏)

ここで選んで良いものか迷ったのだが、「インポッシブル」の評価を決定づけたのが
彼の熱演だったので若干15歳のトム・ホランドに決定。
母に甘えたい気持ちを抑え、弟や妹のため、傷ついた人のために行動する
長男のルーカスこそが、この映画の要だ。

2013年度邦画・忍的助演女優賞:ニコール・キッドマン(ペーパー・ボーイ 真夏の引力)
【次点】エイミー・アダムス(ザ・マスター/マン・オブ・スティール)
    ヘレン・ミレン(ヒッチコック/RED 2)
    チャン・ツィイー(グランドマスター)
    ノオミ・ラパス(パッション)
    ジュリアン・ムーア(キャリー)

年々凄みを増しているエイミー・アダムスと
メリル・ストリープと並ぶシルバーエイジの星であるヘレン・ミレンを
かつてトム・クルーズに愛された面影すらなくなるほどの
強烈なビッチ役で消し去ったニコール・キッドマンは衝撃だった。
あれはもう「シリアル・ママ」のキャスリン・ターナークラス。



これだけは観てはいけない、2013年度作品

<邦画>
・すーちゃん まいちゃん さわ子さん
・だいじょうぶ3組
・ペタル ダンス
・クロユリ団地
・くちづけ
・ガッチャマン
・キャプテンハーロック
・R100
・すべては君に逢えたから

<洋画>
・ダイアナ
・スティーブ・ジョブズ