一番好きな蒸留所?
モルトの話をしていると「一番好きな蒸留所はどこ?」という話がよく出る。
実際私も聞く質問なのだが、自分に振られると困ってしまう。
なぜならば、嫌いな蒸留所なんてないし、好きなモルトも山ほどあるからだ。
ヴィンテージによっても優劣があるし、オフィシャルの味をボトラーズが超えることもしょっちゅう。
「これ」と決め付けてしまうと他のモルトに文句を言われそうで尻込みしてしまう。
本日は上記の質問に対して答える蒸留所を紹介しよう。
No.15 SPRING BANK CV(OB)
我が家にあるシングルモルトの中で最も数の多い蒸留所である。(ロングロウ・ヘーゼルバーン・キルケランを含めて12本)
蒸留所の創業は1828年。
「モルトの香水」という異名を持つ。
全て自社で製麦(フロアモルティング)し、オリジナルの2回半蒸留、瓶詰めまで自社で管理している唯一の蒸留所である。
蒸留所のあるキャンベルタウンは大航海時代、石炭の採掘が行われアメリカ・カナダとの盛んな交易のおかげでスコットランドの経済の中心地となり、ウィスキーの主要生産地でもあった。
しかし、炭鉱が掘り尽くされると同時にアメリカに粗悪なウィスキーを輸出していたことが原因となり、20ほどあった蒸留所は現在、グレンスコしアとスプリングバンクの2つの蒸留所しかない(グレンガイルは資本が一緒なのでスプリングバンクに入れました。)。
そんなキャンベルタウンの再復興を夢見て、奮起している蒸留所がスプリングバンクなのである。
自社の麦芽のピートのレベルを変え、ロングロウ・ヘーゼルバーンと、以前キャンベルタウンに実在した銘柄を復活させた。
様々な熟成方法にも積極的に挑戦し、今も尚、進化し続ける蒸留所の一つでもある。(※だから、イチローズモルトも大好きです。)
特に個人的にはロングロウがお気に入りで、スプリングバンクが女性的であるならば、ロングロウは男性的であるといえる。
どうしても過去の評価が高いスプリングバンクではあるが、好きな蒸留所と聞かれれば「ん~・・・バンク。」となってしまう。
さて、こちらのスプリングバンクCV。
CVとは履歴書の意味で、様々な熟成年数(6~14年)、カスクタイプ(シェリー・バーボン)、サイズのちがう樽を混ぜることで個性を最大限に表現している。
1990年代に一度発売され、このボトルは復刻の物。
以前のCVは飲んだことがないが、率直な感想、・・・物足りない。
ロングロウのCVが飲み応えが充分にあるため、このCVはきれいすぎるように感じる。
ただ、コストパフォーマンスを考えると悪くはない。
香りは柔らかい潮風、青リンゴ。オイリーなニュアンスが少ししつこく感じる。フィニッシュはピーティで黒砂糖。
アイラモルトを飲んだ後の口直しにはいいかもしれない。
今後もスプリングバンクについて書く機会があると思うので、ざっくり書こうと思っていたが、けっこう知らない人には興味を持ってもらえない内容になってしまった。
解らないことがあったら是非質問ください。
私の知っている範囲でお答えいたします。
酒の楽しみ方
人それぞれ酒の楽しみ方があると思う。
私の場合は主にウィスキーを飲んでいる。(大体1日ストレートで4~5杯 晩酌ではハイボールを1~2杯)
昨日のように、たまに新しい発見があることも一つの楽しみ。
ブレンデッドウィスキーの中からキーモルトを探し出したり、ボトラーズごとにその蒸留所の味を比べてみたり、年代ごとに比べてみたり・・・楽しみ方はその日によって変わる。
酒の楽しみ方のまた1つとして外せないのがBARという存在である。
酒とのマリアージュ(おつまみ)を楽しんだり、飲んだことのないお酒に出会ったり、カクテルを楽しんだり・・・。
造り方は知っているけどなかなかその味を再現できない。
悔しいからステアの練習をしたりしたけれど、やっぱり届かない。
影の努力は計り知れない物があるのだろう。
そんなバーテンダーさんの芸術ともとれるカクテルもいくつかの市販されている酒からできている。
勿論、その酒が無くなることはバーテンダーの方にとってはやりきれない辛さであろう。(判るかねキリンさん? サントリーさん、お宅もだよ?)
新しい物を作る努力と、変わらない努力を日々続け、私たちに酒の楽しみを教えてくれるバーテンダーの方々が、アメブロを始めて日本中にいることを知りました。
いつか感謝をしに行きたいと思います。
さて、酒で楽しんでいるのは何も我々だけではない。
インデペンデントボトラーだってこうして酒で遊ぶ。
No.14 MACALLAN&LAPHROAIG 8年(ダグラスレイン DOUBLE BARREL)
「お前って、いつもロックで飲むの?」
「ああ、そうゆうお前はいつも2杯ずつ飲むのかい?」
「いや、俺はこいつをこうするのさ。」
「おい!何まぜてんだよ!」
「好きなウィスキーをいっぺんに楽しむのさ。・・・飲んでみるかい?」
「そんなことしたら・・・ん?」
「ははは(笑)いけるだろ(笑)?」
こんなイギリスのパブでの会話があったかどうかは知らないが、遊び心たっぷりのウィスキーだ。
ボトラーズの連中は最高のエンターテイナーなのかもしれない。
マッカランとラフロイグの8年熟成の樽を一つ選び、それをバッティングし、加水して整える。
予め断わっておくが、なんでも上手くいくわけではない。
これも一つのカクテルともいえる。
同シリーズでアードベックにグレンロセスをバッティングした物もある。
美味しいのはロックで。
すっきりとした甘さにピートの香り。
余韻が長すぎず、仲間とワイワイ酒を楽しむにはちょうどいい。
燻製のつまみがあると最高だろう。
変わった物を出してくれるのはありがたい。
ただ、無理に変える必要はないし、今まであった物を無くす必要はもっとない。
造り手は、この酒をどのようにして楽しんでくれるか、そんなことを想像して造っている。
以前も書いたことだが、飲み手はエゴなのかもしれないが好きな酒を失いたくはない。http://ameblo.jp/single-malts/entry-10740126210.html
伝わる人にしか伝わらない内容のブログになってしまって申し訳けございません。
いい酒は人生の記憶にも残る物だと・・・。


