SIMPLE MINIMAL -17ページ目
夏めいて
窓を開けて過ごすようになり、
簾を掛け始めました。
朝、まだひんやりとした風に目覚めると、
朝の光と影を受けた簾を透いて、
若葉の輝きが和らいで射し込んできます。
簾を透すと見慣れた景色が
美しく見えるのはなぜだろう・・。
きゅうりに包丁を入れた瞬間に
弾ける香りは夏の涼味。
つまみにきゅうりの花椒炒め。
生で食べることが多いきゅうりですが、
サッと加熱されたきゅうりも美味しいです。
サラダ油を熱したところに、
花椒と微量のおろしニンニクを入れ
香りを立たせます。
皮を剥いて千切りにしたきゅうりを軽く炒めます。
仕上げに塩、胡椒、旨味調味料をして調味し、
数滴ゴマ油の香りを加えたら出来上がり。
山椒は昨秋収穫したものです。
ミカン科という通り、
ミカンのミニチュアのような果皮が
爽やかに香ります。
翡翠豆ご飯。
えんどう豆を日本料理では
鶯と呼んだり、翡翠と呼んだりしますが、
そんな表現がぴったりの
可愛らしい豆だと思います。
さや付きのグリーンピースを剥いて
さやはよく洗います。
洗米に水を加減して入れ、塩を加えます。
その上に7~8㎝角の昆布を置き、
さらにその上にグリーンピースのさやを
1パック分くらい乗せ、炊飯します。
その間、グリーンピースを3~4分程度
やや軟らかめに塩茹でします。
茹でたグリーンピースは、
直ぐにザルに上げず、
茹でた鍋のまま落し蓋やザルで覆い、
そこへ糸を引くように水を垂らして、
ゆっくり冷ますことでシワが寄らず、
翡翠のような艶を保てます。
ご飯が蒸らしの段階になったら、
急いでさやと昆布を取り出し、
茹でたグリーンピースを投入し、
酒をひとふりしたら蓋をして蒸らします。
ふっくら香りよく炊けました。
淡いピンク色を揺らす、
昼咲月見草を見つけると、
癒されるような
優しい気持ちになります。
喧騒の中、見落としてしまいがちな、
有明に残る月を見上げる
ゆとりを知らせてくれるから・・。
今宵は冷えています。
さて、もう少しで終えそうな本を閉じて・・。
あんかけ和風オムライス。
中に包むじゃこご飯を用意します。
軽く湯通ししたちりめんじゃこと、
微塵切りにした市販品の新生姜漬け、
小口切りの万能ネギ、
バターと塩、それに数滴の醤油を
ご飯に混ぜ込みます。
あんを作ります。
グリーンピースを塩茹でします。
ダシに酒、味醂、塩、薄口醤油を
それぞれ微量ずつ加えて煮立たせたら、
味をみて微調整します。
茹でたグリーンピースを合わせたら、
水溶き片栗粉でとろみをつけます。
ご飯とあんが揃ったら、
卵をよく溶き、オムライスをふわりと包みます。
お皿に盛り、あんをかけます。
有り合わせの地味な材料ばかりの
簡易メニューですが、
包んだり、艶よくあんかけにすることで、
ご馳走感が出たのではないかと思います・・。
先日、アカザ海老やキャビアを購入して、
予算が尽きたわけではありません・・。
高価な食材に負けていない、
優しい安らぎのオムライスになりました。
『目に青葉 山ほととぎす 初がつを』
(山口素堂)
昔の人はこの時期の鰹を
大変好んだようです。
こんなのもあります・・。
『女房を質に入れても初鰹』
以前は脂の乗った
秋の戻り鰹の方が好きでしたが、
“すきやばし次郎”で頂いた
鰹のたたきが衝撃的な美味しさで、
以来、初鰹の虜になりました。
すきやばし次郎の小野禎一さん曰く、
「板前でも捌いてみなければ判らない」
と言うほど、鰹は目利きが難しいのだそうで、
仕入れても捌いて良い物でなければ
客に提供しないこともあるそうです。
道理で衝撃的な記憶が残るわけです。
しかし・・すきやばし次郎の、
店内を支配するような重い空気が
どうにも馴染めず・・、
その後、二の足を踏んで、
未だあの鰹を超える鰹に逢っていません。
あの稲藁で燻された鰹の余香が
忘れられずにいます・・。
質に入れられそうなものもありませんし・・。
初鰹の巻き寿司。
八丈島の郷土料理“島寿司”は
わさびではなく練りからしを効かせた
ヅケをにぎり寿司にします。
その島寿司をヒントにして、
からしを溶いた漬け地で漬けた鰹を、
巻きすではなく、
押し寿司の型で押して海苔で巻きました。
漬け地は酒大さじ2と味醂大さじ1を
電子レンジにかけ煮切り、
醤油50mlと合わせます。
そこへ練りからし小さじ2程度を溶き入れます。
鰹をひいて漬けます。
寿司酢はご飯1合あたりに
お酢大さじ2弱、砂糖小さじ2強、塩小さじ1と
顆粒昆布だし少々を合わせます。
硬めに炊いた熱々のご飯に
寿司酢をまわしかけ、
粘りが出ないように切るように混ぜたら、
絞ったペーパーをかけ人肌に冷まします。
漬けた鰹に微量のからしを塗り、
万能ネギ、茗荷を
寿司飯で挟むように押して海苔で巻き、
大葉と一緒に盛り付けます。
からし醤油も刺身とよく合います。

