どこ鉄156 〜新たな挑戦状 | 菅野貴夫の野球電鉄

菅野貴夫の野球電鉄

俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。どこ野鉄夫です。



今回も刺激的な写真が揃いましたので、張り切ってやっていきましょう。



まずは久しぶりの、加瀬さんからの1枚。

トリミングの仕方がすごい。


車両を入れてやろうという親心と、だが顔は見せたくないという厳しさが同時に感じられます。



京成電鉄。



駅を出ても線路が収束せず、3本以上で向こうへ続いている。


↓↓↓

京成本線・京成高砂駅、一瞬で確保。



この路線唯一の複々線は青砥〜高砂の1駅区間。

青砥は高架駅なので、おのずと高砂になるわけですね。



「急に何を言い出すんだ?」と思われるかも知れませんが、どう見ても京成の複々線区間だと分かるのでそれ以上説明ができません。



久しぶりに車両を見せてくれてありがとうございました。(都営浅草線5500形)





続いて、ワッティさんの奥様からの1枚。

なんだこれは?

壁が茶色っぽいし広告枠に何も入ってないけど、改装中?



などと一瞬思いましたが、落ち着いて写真を凝視。

まず線路幅が1435mmの標準軌。

(JRなどより広い、↑↑京成とも同じ幅)



さらに拡大。

広告枠の向こう、青い表示が見える。


あれは駅名標ではないか?



標準軌を採用している、青い駅名標を使う私鉄の地下駅、、、



まず思い浮かぶのは阪神電鉄。

このとおり青い駅名標で統一。


しかし梅田・難波・三宮付近の地下駅をざっと見ても該当しそうな駅はなし。




他には、、、京阪も青くなかったか??

ウム。



青というかネイビー、白いラインも含めてこっちのほうが近そう。



京阪電鉄。

文字通り大阪と京都の中心部を結ぶ大手私鉄。




京阪の地下駅を検索開始。

茶色っぽい駅発見!



潜入。

よし、ほぼ間違いない。

京阪中之島線の渡辺橋、2000年代に新しくできた路線の駅だ。



では元の写真↓


ところがここから、空の広告枠を探すのに難儀。


壁は完璧だけど広告枠がない。



もしやと他の地下駅も確認し、やはり渡辺橋に戻って壁という壁の写真を漁りまくっているうちに段々分かってきました。

問題写真は京都方面行きホームの左側を撮った写真だと。

(↑の写真は大阪(中之島)方面のホーム)



なぜか京都方面ホームを撮った写真はほとんど出て来ず。

やっとの思いで見つけた写真は、

逆方向。

だけど空の広告枠発見!京都方面ホームの壁にしか広告枠がない事もわかってきたぞ!


躍起になって動画も駆使し、なんとか探し出した瞬間↓

京阪中之島線・渡辺橋駅、同じホームの同じ方向を見つけるためだけに執念を燃やし確保!



それにしても渡辺橋駅、問題写真の切り取り方が独特なだけで、金属と木材をふんだんに組み合わせた綺麗な内装の駅でした。改装中とか言って大変失礼しました!!






さあ続いてはワッティさん本人からの1枚。

他にも恐ろしい海外編が何枚か届いたなかで、いちばんマシなのがこの写真。

「駅が映ってる大ヒントやで」とコメントもありましたが、

……これの事かな?


こんな、ただ石が積んであるだけの何がヒントなんだよ!



とにかく写真を眺めます。まずは鉄道要素。

かなり急勾配の線路。

電化されているのもポイント。

さらに線路の間に何かが敷かれている。これは登山鉄道で使われるラックレール(車体の歯車と噛み合わせて急勾配を登るための機構)だろう。


(線路を人が歩いてるのも気になる)



線路がぐるっとカーブを描いた背後には、

雄大な景色の真ん中に、切り立った崖が特徴的な山。


あれは有名な山かな?

おそらく、ヨーロッパのアルプス山脈あたりの、どこかの登山鉄道だろう。



検索開始。

まずは何と言ってもスイスの登山鉄道がズラリと出てきます。



ざっと調べたところ、電化された登山鉄道に絞ると

ゴルナーグラート鉄道

ユングフラウ鉄道

ピラトゥス鉄道

フィッツナウ・リギ鉄道

このあたり。



日本語でスイスの登山鉄道を調べると旅行関係の記事ばかりなので、なかなか鉄道スペック一覧のようなページは出てきません(当たり前)。



とにかく現地だ。

まずはユングフラウ鉄道へ。

鉄道を実線で表示させるテクニックを使ったところ、魅力的なカーブを発見!




探し出したストリートビュー↓

すっごい良い感じ!

だけど少し違うか……!



次、ピラトゥス鉄道。

残念!



ゴルナーグラート鉄道は?

いいカーブだっ!!

しかも駅っぽいのがあるぞ!



いざストリートビュー↓

奥の景色が違う…クーッ!



というか路線が表示されず言語も読めないのが多いので、今調べてるのが本当にゴルナーグラート鉄道の線路なのか分からない!



スイス以外にイタリアやフランスなどの登山鉄道をいくらか検索したものの、思うようにいかず。

どこだったか覚えてない。

すごく良い景色だったけど、問題写真の崖のような山↓は見つからず撃沈。



撃沈から数日後ワッティさんと飲む機会がありまして、本人を前に忸怩たる思いでいたところ「モンブランに登った時」の話をしていたので、もはや開き直って「その時の写真だな?」と問い詰めました。彼も数ヶ月待たされていて観念したのか、そう認めてくれました。

(すごい頻度で海外旅行に行ってるな!)



モンブランの登山鉄道。フランスだったか。



そうと決まれば容赦なく検索。

まず出てきたのはモンタンヴェール鉄道。

しかし唯一のカーブ区間はこのとおりの景色。


というかヨーロッパの登山鉄道は屋根上にカメラを設置してストリートビューを撮ってるのが多いな!



……それにしても、いちいち鉄道を調べてから駅の場所を探し、何度も見失いながら当たっていくのはもううんざり。

モンブランの頂上から探し始めてやろう。


とりあえずストリートビューを出し、

左上に伸びるラインを追っかけ。


おそらく登山道だろう。(撮影ご苦労様です)


しばらく山を下りてきたところ、ストリートビューが急に滑らかなラインに。


ここから登山鉄道、来たな。


しかも良いカーブを描いてる。。。



カーブ地点のストリートビュー確認。

きたーっ!!!向こうに崖の山!!!!!


やっぱり車両にカメラ搭載してる!



では大変お待たせしました。改めまして元の写真↓


ようやく探し出した写真↓

というわけでモンブラン・トラムウェイの、頂上ニ・デーグル駅からしばらく降りたところの絶景、なんとか確保!!!



モンブランという大ヒントはもらったけど、巨大なアルプスの中をだいぶ探し回ったのでこのくらいは勘弁して下さい!




崖の山が気になったので、当該地点から距離と方角を定めて確認。

これだな。

テット・ア・ラーヌというらしいです。美しい山。


最初見た時、群馬県の荒船山を思い浮かべたものでした。




お次は箸休め的な、ガクちゃんからの問題。

先日一緒にサッカーを観に行き、飲み屋へ移動する電車内で頂きました。

「何枚かこの地点の候補があった中で、絞りに絞った取っておきの画角」「移動中の楽しみに」と送ってくれたわけですが。


うむ。。


こんな場所、、、、





日本中で1カ所しか考えられない。


↓↓↓


一瞬で確保!!



この「ダイヤモンドクロス」、伊予鉄道の鉄道線と路面電車が平面交差する地点で、先ほど申し上げたように全国でここにしかない珍しい場所なのです。



僕も先日、初四国(初松山)を訪れた際、キッチリ撮影したのは言うまでもありません↓



画角を絞りに絞った結果、鉄道要素の一番美味しい部分だけが映り込んだ素晴らしい写真でしたね!



ガクちゃんは「そんなの知らないよ!!」と写真選びの痛恨ミスに大変悔しがっておられました。ああ楽しい。




さて今回ラストは、新たな刺客からの写真たち。

次回出演舞台・JACROW「闇の将軍 四部作」で共演する髭(ひげ)さんから「ずっと溜めてたけど、思い立ったがどこ鉄!」ということで一気に11枚の写真が届きました。ヒーッありがとうございます!



さっそく何枚かやっていきましょう。

いきなりモノレール。



東京モノレールの羽田空港あたりかな、と少々調べたところで気づきます。

駅のすぐ直下に階段。



こういう駅、知ってる。

↓↓↓

北九州モノレール小倉駅、まずはご挨拶の確保。



小倉は駅ビルにモノレールが入り込むのが特徴の駅で、僕も1〜2ヶ月に1回訪れるのでよく知っています。



次!

北海道ですね。



車両が入っているのは大変楽しいものです。



(と同時に、それ以外の景色がほとんど見えないという落とし穴もありますが)



写っている車両はディーゼルカーのキハ40系と、隣は電車の735系か。733系でもどっちでもいい、JR北海道の電車である事に変わりはない。



間にも線路があるし、そこそこ大きそうな駅。

電車とディーゼルカーが並ぶ駅、、、



まず思い浮かぶのは函館駅。

しかし函館駅はホームがカーブしている。

直線区間もあるけど、あんなホームの先端に列車を停めたら不便だろう。



次は小樽駅へ潜入。

うむ。

間に線路があり、ホームや柱の雰囲気もいい。

ほとんど問題写真と同じ。

だが決定的な証拠がない。



そこで!

↓↓

↓↓↓↓↓

小樽駅、背後の建物から確保!



この小樽駅、どこ鉄第一号でも出てきまして、その時も背後の建物からようやく当てることができた思い出深い駅です。





さあ今回ラストの3枚目。

こちらも新幹線(N700系)は言わずもがな。

どうやって場所を探し出そうか。



注目はこちら。

手すりに掲示された案内板。


これは16両編成と8両編成で、停まる位置(号車)が違う事への案内。


東海道新幹線はオール16両なので、この案内はない。すなわち山陽新幹線(JR西日本)区間のどこか。



次に、ホームの外側(壁側)に線路がある=島式ホーム。

山陽新幹線で通過列車がある駅は、壁側にホームがあって(対向式)、真ん中に通過線がある構造がほとんど。

したがって、この駅は全列車が停まる駅。



見た感じ新大阪・新神戸・博多ではなさそうなので、残るのは岡山・広島・小倉のどれか。



などと鉄道要素を並べながら、広告も抜け目なく確認。

非破壊検査ってなんか聞いたことあるな、、向こうの赤と緑も気になる。お土産系の広告じゃないか?頭文字が「も」に見えるからもしかして……?

くっ、そう上手くはいかないか。



非破壊検査の会社を検索。

横浜か。

この会社自体も全国規模で事業展開してそうだし、ここから辿るのは厳しいかな……とホームページを読み進めていくと。


ほう、、ひろしま。


まさに候補に上げた3都市のうちのひとつ。




広島へGO。

例の案内表示は出てきた。しかしあれは岡山や小倉にもあるもの。

壁の感じ、ガラス張りの範囲が大きくてちょっと違うかな…?



(問題写真↓)

こちらは屋根がついてる。


駅ビルの下に入っている部分を注意深く探して、、

見つけた。



やっぱりもみじ饅頭だったか!



というわけで山陽新幹線・広島駅、結局のところ広告をもとに確保!

いろんな情報が入ってるとやっぱり楽しい!




(ただし髭さんからの残りの写真には絶望的な海外編も複数枚含まれております)


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



今回は鉄分や情報たっぷりの写真が多かったので、また鬼写真に向き合うどこ鉄体力が戻ってきた気がします。



ではまた!