どこ鉄153 〜若い力と鉄の力 | 菅野貴夫の野球電鉄

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俳優・菅野貴夫のブログです。
「どこ鉄」とは、友人から送られてきた鉄道写真を、それがどこで撮られたものかを推理・検索・悪戦苦闘しながら解いていくシリーズです。

こんにちは。お久しぶりのどこ野鉄夫です。



前回の日記に書いたようにこの夏はあちこち行っていたわけですが、facebookにも書いたこの夏の失敗などにもめげず、合間にコツコツ取り組んでいた写真たちをお送りしていきたいと思います。




まずは先日、から送られてきたこちら。

背後にのどかな風景が広がる、単線非電化路線の駅。

姉の旦那さんが新潟・佐渡のご出身なので、新潟あたりのローカル線かな…などと考えながら長野に帰省。受験でしばらく会えていなかった一番上の甥っ子(高1)と久しぶりに近況などの話していると、佐渡から長野に来る時に1人で好きなバンドの聖地巡礼よりみち旅をしてきたとの情報をゲット。


富山県の雨晴海岸。


ほう………(予感)


さらに聞き取りを進めると、あの写真はやはり姉ではなく甥っ子が撮った写真の転送だと判明。

よし。

叔父さん気合い満点で出発。



まずは現地・JR氷見(ひみ)線の雨晴駅へ。

しかし2面2線のすれ違い可能駅。



問題写真は1面1線の棒線駅、しかもローカル駅なのにやけに屋根が長そう。


(乗換路線図アプリより)


雨晴駅から高岡方面へ歩を進めたところで気づきます。

高岡駅で氷見線から城端(じょうはな)線に乗り換え、新高岡駅から北陸新幹線で長野まで来たんだろう。


では元の写真↓


見つけ出した写真↓

JR城端線(&北陸新幹線)・新高岡駅、甥っ子の成長に目を細めながら確保!!!



話を聞くと佐渡からフェリーで本州に戻ったところで父(仕事のため帰京)と分かれ、1人で富山まで行ってきたとのことで、、いやー自分自身が高1の時にそこまで行動できてたかな?とおじさん感心しきりであります。好きなバンドの成長巡礼なんて最高じゃないか!これから迎える彼の青春時代に幸あれ!!!





さて続きまして、おなじみワッティさんからの1枚。

思いっきり写っているのはブンヤさんです。

私の「どこ鉄未解決フォルダ」において、2015年から解けぬまま半ばアイコン化している名鉄の写真を送ってくれた張本人のお方です↓


さて最大の注目点は、

森の手前に並走している線路。

あの壁の感じは東海道新幹線だろう。




とりあえずブンヤさんの出身地である浜松をおぼろげに想起しながら、東海道線と新幹線が並走する(新幹線に駅はない)地点を捜索開始。


並走の背後に森。怪しい。



では元の写真↓


探し出した写真↓

JR東海道本線・用宗(もちむね)駅、こちらも伊豆旅行中に確保!



なお2015年にもらったブンヤさんからの写真は、2021年に大捜索を敢行したものの未だに見つけられていません。。





続きましてお初の方、先日の唐津演屋祭で知り合った吉村さん。僕が妙な鉄道Tシャツを着ていたところから話になりまして、詳しくは言えませんが鉄道会社の中の人として働いた経験もある本物のお方だったので、私も興奮してベラベラ喋らせて頂いたことは言うまでもありません。

さて写真はこちら。

「窓がかわいいですよね」と頂きました。西鉄(福岡県の大手私鉄・西日本鉄道)の車両ですね。

独特のアイスグリーンの車体にも惹かれますが、僕がやっているのは「どこ鉄」。

注目すべきは線路や枕木が新しい=最近高架化した区間の駅だと推定できること。雑餉隈(ざっしょのくま)とか、あのあたりだろう。

さらに窓に映った情報を凝視。

あまがせ…特定できそうなのはこれくらい。


マップで推定区間に赴き入力。

雑餉隈からは離れているけど、春日原(かすがばる)、白木原(しらきばる)、下大利(しもおおり)あたりか。



駅構内を捜索しようと試みるも、

なにしろ最近高架化されたばかりのため、地上駅時代の画像のほうが多く捜索が難航。


白木原駅にあまがせ広告発見!……しかし隣の広告が違うか。。


新しい線路の感じも似ているけど…他に決定打を見いだせず捜索中断。。



吉村さんに「白木原、春日原あたりで探していますが決定打を欠いております」的なことを送ったところ「なんでわかるんですか?怖っ」いただきました。ありがとうございます。


結果的に春日原駅と教わってしまったわけですが、、まあ怖がって頂けてよかったという事にします!


その後探した画像↓


やっと広告の並びが一致。駅が分かっていたから何とか探し出せたようなものですね!





さて続いてもお初の方ですが。

夏休みの絵日記!!!


こちらの日記を取り次いでくれたのは、前回JACROWで共演した津田修平くん。

「鉄道が好きな少年から、手紙を預かってきました」とのこと!




いやーN会長とはまた違った感じの、緊張感があるな!


とはいえ捜索となると話は別。相手がどんな年齢や身分であろうと容赦なく仕留めるのみ。


踏切機械の名称はともかく、背後に見える蒲鉾メーカーは年末年始の大学駅伝でおなじみ。

箱根登山鉄道だろう。


↓↓↓

箱根登山鉄道・風祭駅付近の服部第三踏切、瞬時に確保!!!



少年への返信↓↓↓


少年へ

ぼくのブログをよんでくれてありがとう。

そして、ゆうきを出して写真をおくってくれてありがとう!

きみの気持ちにこたえたいと思って、がんばりました。


はこねとざんてつどうの、かざまつり駅前の踏切だね!


りょこうで行ったのかな?

このあとも、なつやすみを楽しんでね。

そしてまた、すてきな場所があったら写真を送ってもらえると、おにいさんもうれしいです。


またね!



写真を解くよりこれ書くほうが20倍時間がかかりましたよ!!厳密にはおにいさんじゃなくておじさんだけども!



津田くんからは「早すぎぃー!!次はもっと難しく送るように伝えておきますw」とのこと。

よろしくよろしく!!!




さて今回ラストは、、去年から頭を悩ませていた鬼写真。てっしーさんからのこちら。

何本か線路がある広い敷地。

2つのマンションとその間にちょっとした山。

以上。



………こんなの分かるか!!!



地域や路線を想像できそうな要素がひとつもない。

おそらくJRのそこそこ大きな駅付近だろうけど、そんな駅は日本中にある。



唯一の文字情報は、

「二上?33」意味不明。



検索で引っかかったのは、近鉄沿線にある二上駅・二上山駅のみ。

いちおうチェックしたものの、全くの別人。


やはりJRのどこかの駅だろう…しかしあんな写真だけで全国に出かけるのが危険すぎることは、今までの経験で熟知している。



捜索に出られないまま数ヶ月経過、今年の4月1日にヒント写真が投入されました。

↓↓↓

縦長!だいぶ左右をカットしたな!


どうやら向こうに駅があるんだろう、跨線橋(歩道橋)やビルが複数。

1枚目よりは、探せる感じのある写真だな。


電化方式は相変わらず直流か交流か分からないものの、ヒント写真をもらったら絶対に解かなければならない縛りに基づいて捜索開始。


唯一の推理は、新幹線の停車駅ではないだろうということ。

=地域の拠点になりそうな規模の駅で、なおかつ新幹線がない駅。


まず思い浮かんだのは岡山県の倉敷。

いい感じだ!


さらに似た地点がないか周囲を捜索。

駅の跨線橋がビルに直結してるな…そもそもそういう構造の駅のほうが多いか…。



線路の多さから、名古屋近郊の稲沢もチェック。

ちょっと郊外すぎる感じ。



全く感触も掴めないので、思いつくままの旅へ突入。奈良県の王寺駅。

うーむ!



交流電化の東北本線へも平気で向かいます。岩沼駅付近。

いいマンションだが大きすぎるか!



新潟県の三条で見かけた歩道橋は、

ただの歩道橋。

問題写真の歩道橋が、左右に折れず真っ直ぐに降りてるのが非常に気になるんだよな……エレベータータワーも設置されてる。



信越本線を辿って直江津付近。

いいマンションの並びだけど、、あちらは日本海側!



やはり気になる東海道本線の静岡区間へまた戻って。

左右の高さの関係だけは合ってる!!



さらに迷走に磨きがかかります。

京阪神の複々線区間は全体的に線路が多いので、逆に絞りづらい。



近江八幡付近。

なんでこの程度の写真を残してあるのか、、とにかく一向に当たる気配がない状況であると理解していただければ結構です!



東海道本線から離れ、福知山線の塚口駅付近に線路がたくさんあった事を思い出し。

うーむ!



実は写真を見た瞬間に「ここかな?」と思った平塚へ戻り、最初より入念に捜索。

……このマンションであって欲しいけど、このマンションじゃないんだよな……。



高崎線沿線へ。

同じ角度で撮りゃいいってもんでもない!



さて、ここまでが5月初頭までの捜索でした。



全く当たる気配なし。

JRの、地域の拠点になりそうな駅で、なおかつ新幹線非停車駅。

まだまだ全国に数多く残っている。


それを2枚あるとはいえあんな画角をピンポイントで見つけないといけない。




忸怩たる思いを引きずり過ごしてきて8月。

ふたたび新井さん案件で九州に行き、土日を挟んだスケジュールだったので門司港へ観光へ向かった時のこと。


普通電車の先頭部に陣取り景色を眺めていると、気になる文字が飛び込んできました。

これによく似た、「こ上 ◯◯」の文字。


一文字目は「こ」だったのか!
さんざん苦労してきたけど突然見つかる感じか?と固唾を飲み、徐々に変化していく数字を追いかけながら撮影。

これじゃ読めないか。そんな事より「33」はどこにあるんだ!!!???



電車の先頭部でこんなに必死な顔して眺めてる人も珍しいでしょう!(過去にも丸の内線でやったことある)



しかし。

これは帰りの下り列車で門司駅に到着した時に撮影したもの。



32番目の柱が、駅の真ん中にある。

33番目が、問題写真のような駅から離れた位置にあるとは思えない。

(数字の規則性に関しても、何駅かごとにリセットされる感じで掴みきれない)



門司駅周辺にはマンションも山もあるので、望みをかけて捜索してみるも、

マンションがあるのは海側。

しかも駅の跨線橋がストレートに降りてきてない。

もはやここまでか。


思わぬところで急激に期待値が上がっただけに残念もひとしお!!



しかし、今までで一番対象に近づいた感触がある。ここで諦めるわけにはいかない。


「こ上」とは何なのか?
路線は鹿児島本線だから関係なさそうだし、小倉や門司港の「こ」と考えるのも強引か…

そもそも九州のこの地域にたまたまあったのか、それとも全国的にあるのかも判断がつかない。


それでも覚悟を決めた。とりあえず九州に絞って探してみよう。


マップで「こ上33」を探すことは不可能なので、九州の主要駅(マンションが建ってそうな非新幹線駅)を徹底的に洗い出し跨線橋がストレートに降りてくる駅を捕まえる作戦。


まずは鹿児島本線を西へ。
長崎本線との分岐駅・鳥栖駅に到着した時。

あーーっ!!!!

跨線橋がまっすぐに降りてきてるっ!エレベータータワーもあるぞっ!!!



期待値MAXで降臨。

???

ここはどこですか?



…航空写真をよく見ると、鳥栖駅は跨線橋の手前を隠すように駅施設が立ち並んでいる。。



また駄目だったか……



執念のみで引き続き鹿児島本線を南下、鹿児島に着いたら日豊本線に入りひたすら北上、小倉に戻ってきまして九州一周旅行無事終了。


もう何度目だよ!!!!!!!



残る主要路線は……長崎本線もあるけど、筑豊本線(福北ゆたか線)から行ってみよう。



とうに感情を失った目で直方(のおがた)駅上空へ到達した時。

おや………????


駅の北側に、ストレートに降りてくる跨線橋があるぞ………!!!!!!!


それでは大変お待たせ致しました。
元の写真↓


ついに辿り着いた写真↓

いよっしゃあーーーーーーーーー!!!!!!!



もう1枚もきっちり仕留めておきます↓

絶対あの駐車場から撮ったんだろう!!!



というわけで、筑豊本線(福北ゆたか線)・直方駅、半年に及ぶ壮絶な闘いの末に確保!!!




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


今回は以上です。



いやー久しぶりなのでだいぶ長くなってしまいましたが、最後までお読みくださり、ありがとうございました。



おかげさまで夏ということもあり写真が豊富に届いております。

なかには◯ッティさんのように「旅日記を書きたいからはやく解いてくれ」という思いを抱えられた方もいらっしゃると思いますが、なにしろまた30枚以上たまっておりますので。

なんとかペースを上げて解いていければと思っております。




ではまた!