激流五鱗書+ -145ページ目
沖の島へ
11月14日
キビナゴの釣り
曇りのち晴れ
やや強い北西風
狙いは大型タマン

アカハタ40cm~4匹
キビナゴの釣り
最終戦
姫島南周り
選んだ舞台は
南のハエ
一発大物場
タマン場とは言えない
毎年の目標
必ずタマンを二桁は釣る
今年も残り後一枚
最後の挑戦
そこにあえて
南のハエを選択
いや、そうではない
最後はここと決めていた
それに向けて動いた
ただそれだけ
目標の達成の為だけに
置くことはしない
もちろん竿も置かない
最後の最後まで
やり抜く覚悟
ここは夢の舞台だから
潮は下り
程よい流れ
雰囲気は悪くはない
でも食わない
キビナゴも取られない
猫は身を潜める
無の海
磯替えはしない
午前10時半
潮が上りへと変わる
アタリが出始める
魚は潮に正直者
馬鹿を見るのは釣り人
夢を見るのは私
西からの本流
重く強く太く南へ
東からは引かれ
軽く速く鋭く重なる
その引かれに引かれる潮
ゆっくりと東へ
狙いはその潮
虎視眈々と
巨大なウキを優しく置く
引かれの起点は
南の磯のシオフキの角
引かれの引かれがそこに合流
食うとしたらその手前
潮が潮で作る芸術品
潮のマモタエ
張りを意識
キビナゴを先行
針先に全神経を集中
一等席の磯の前
止めた仕掛け
潮を噛む
全てが一直線に繋がった
黄色いデージ
巨大なウキ
電光石火
見事に消し込まれた
瞬時にベールを起こした
巻きアワセは必要ない
ラインはすでに
スプールに食い込む勢い
迷わずに鬼アワセを叩き込む
決まった
我夢者が満月になる
激しい重量感
ラインは1㎜も出さない
正に力比べ
両者が全力で引き合う
魚は賢い
前が駄目なら下に行く
凄まじい速度
ラインが水を切り裂く
その音が聞こえた
力で敗北
竿が満月から三日月へ
次の瞬間
月は消え去り
闇夜へ
我夢者は天を突く一本の剣
ラインが風になびく
私の背中は壁に張り付く
終わった
気が付けば終わっていた
タマンとの激闘
あれは巨大なタマン
正体不明の何物かではない
タマンそのもの
タマンは賢い
私は間違いなく大馬鹿者
今年も終わった
完敗
それが嬉しい
今の気持ちは清々しい
最高な時
負けたからこそ
まだやれる
いつまでも挑戦者
新しい古いでは無く
流行りに乗るでも無く
誰に流されることも無く
馬鹿にされようとも
自分自身をひたすらに信じ
唯一の武器を味方に
タマンだけを追い求める
来年も沖の島へ
最高な無二に感謝をします。
20回目 タマン9
沖の島へ
11月13日
キビナゴの釣り
晴天
やや強い北風
狙いは大型タマン

豊丸
モンツキイサキ43cm
アカハタ38cm~3匹
キビナゴの釣り
ムロバエ周り
最後に呼ばれた
タテバエ
潮は緩い上りの潮
キビナゴは取られず
猫も居らず
ダツや海亀さえも見えず
気配を感じ取れず
無の潮
磯替えを決めた
豊丸が近付く
いきなりの磯着け
無言の船長
目と目
心で会話をする
あくまでも私の想像の世界
船「釣れたんか」
私「ダメです」
船「なら乗れ」
私「はい」
船「この下手クソが」
私「ご迷惑をお掛け致します」
船「そろそろ釣れ」
私「頑張ります」
暫く走る
船「ここでやれ」
私「かしこまりました」
唯一のお言葉
船「迎えは二時半過ぎ」
私「はい」
磯に降りたら何はさておき
先ずは海を睨む
全体を見渡す
海から目は離さず
道具を作る
上りの潮が徐々に強まる
潮の動きに魂が宿る
次第に躍り始める
潮が鬩ぎ合う
その中に見えた
タマンの潮
ただし
それは点滅信号の如く
一瞬で消滅する
そしてまた浮かび上がる
その動きを瞬時に察し
素早く
かつ慎重に
そして丁寧に
巨大なウキを置いてゆく
潮が作るマモタエ
神経は針先の一点に集中
竿は決してぶらさず
全集中
何かを捉えた
スプールを押さえる
途端にラインが弾け飛ぶ
我武者羅
気が付けばタマン
有頂天
すぐに平常心に戻す
竿は置かない
虎視眈々とウキを置く
集中しながらも
広い視野で
右目の端に映るあの潮
潮が潮で作る芸術品
静かにウキを回収
優しく置き直す
仕掛けを馴染ませる
潮を外すな
掴め
止め釣り
手に取るように分かった
タマンが食う瞬間
その2秒後
弾くと同時に鬼アワセ
先手必勝
横たわるタマン
陶酔感
甦ったこの感覚
唯一の武器
気のせい
明日へと続け
最高な有無に感謝をします。
19回目 タマン9
キビナゴの釣り
親父の釣り
久々のタマン
長男との祝勝会

お疲れ様
まだまだ頑張って
ありがとう
死ぬまで現役
挑戦者
釣りたいのはタマンのみ。
無心で挑む

彼に逢えた。
辛抱が足らん
気がつけば聖地

ダイバー時代のショップ
道中タンデム
柏島へ
今の私は片島港
豊丸

今宵が最後の船中泊
水上コテージ
上質な時
最上級な客室

最後の夜も独りで乾杯
ディナーを楽しみ
ほろ酔い気分
すぐさま
ブランケットに潜り込む
とはならず
今夜はベッドが満員御礼
トホホ
愛車FJに舞い戻る
それでも
慣れたシートを倒せば
すぐに夢見心地
明日の釣り
何を想う
ただただ無心
夢は夢
今はそれが何よりも幸せ。

