朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~ -21ページ目

朝活読書愛好家 シモマッキ―の読書感想文的なブログ~Dialogue~

読書とは――著者や主人公、偉人、歴史、そして自分自身との、非日常の中で交わす対話。
出会えた著者を応援し、
本の楽しさ・面白さ・大切さを伝えていきたい。
一冊とのご縁が、人生を照らす光になる。
そんな奇跡を信じて、ページをめくり続けています。

養老孟司さんのような人生の大先輩からぼくら後輩たちに対して、人生経験を踏まえた苦言をたくさん呈してほしい。ぼくらは僕らのためにちゃんと聞く耳を持っていたい。

養老さんの知恵とか信念、価値観、性格などのなかに、心に刺さることがありました。アドバイスのような中には、いわゆる名言とか格言のような含蓄がある素晴らしい言葉がいっぱいあります。

 

148P 本気で自給を考えなくてはならない

現在の状況、つまり大量消費を前提にするのではなく、大切なのは、人が生きていくうえで最低限どのくらい必要かを考えていく視点をベースにこれからのことを考えることでしょう。どのくらいの生活環境があれば人は幸せに暮らせるかという問題と直結します。

 

179P 早期リタイアに憧れたことがない

好きなことは、仕事の合間の貴重な時間にやるからこそ楽しみが増すし、深くなる。楽しみを増すため、深みを持たせるためにこそ働いているのではないでしょうか。

 

184P とらわれない、偏らない、こだわらない

人生相談に対する私の答はほとんど次の三つです。とらわれない、偏らない、こだわらない。悩みを抱えている多くの人は、一つの見方にとらわれています。だからとらわれない、偏らない、こだわらない姿勢を持ってはいかがですか、と言うのです。

それ以外には、相談者の感情をどれだけ処理するかの問題になります。相談という行為そのものがはけ口になる。悩みを言語化して、他人に伝える。その時点である程度過程を整理して、問題点を抽出しなければいけない。それ自体が感情の処理になるのです。

 

 <目次>

まえがき

第1章 子どもの壁(子どもを上手に放っておきたい、子ども時代は大人になるための準備期間ではない、子どもを大人扱いするのは大人の身勝手)

第2章 青年の壁(解剖学を選んだのは「確実」だったから、煩わしいことにかかわるのは大切、貧乏は貴重な経験)

第3章 世界の壁、日本の壁(世界は一つにはなれない、歴史は急によみがえる、日常生活は生きる基本である)

第4章 政治の壁(あいまいなのは悪いことではない、自給自足を基本に考える、数字に惑わされてはいけない)

第5章 人生の壁(怒りっぽい人が見ていないこと、人生とは学習の場)

あとがき

 

養老孟司さん

1937(昭和12)年、神奈川県鎌倉市生まれ。解剖学者。東京大学医学部卒。東京大学名誉教授。89年『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞

ぼくにとっての自分らしく輝き運が開ける“命の動詞”とは何か!

「読む、聞く、見る」の「インプットする」であり、「書く、話す、行動する」の「アウトプットする」だ。これが循環している様子が浮かんできます。

 

「自己肯定感」という言葉がよく出てきます。

これは自尊感情とも似ています。できてもできなくてもありのままの自分を受け入れるようなイメージがあります。この自己肯定感(感情)とは、自分の存在自体や自分の価値を肯定する心理状態を指すものです。無条件に自分の存在や自分の価値を認められる状態を自己肯定感が高い状態です。自己肯定感が強い場合には、たとえ成功しなかったとしても自分は価値があると認められる状態です。

その一方、類似した言葉で「自己効力感」(認知)があります。

この概念は、カナダ人で心理学者のアルバート・パンデューラが提唱しました。ある行動を前に自分はその目標を達成できる能力があると自分を信じる力のことです。この背景にはこれまでの経験や学習、努力などの根拠があります。無条件に自分を肯定する自己肯定感とは違って、自己効力感は根拠を基に自分を信じるという違いがあります。

まずは自己肯定感を高めていくことを、そして、例えば小さな成功を重ねていく、疑似体験をしていく、成功体験を想像していくなどの自己効力感を高めていく方向性がぼくに合っているのではないかと思います。

 

 <目次>

プロローグ 気づいた人から運は良くなる!

第1第 好運のカギは「命の動詞」(あなたの「命の動詞」は何?職業はなんだっていい ほか)

第2第 では、運のいいあなたを作っていきましょう(運はあなたにしか良くできない!セルフイメージをブランディングしよう ほか)

第3第 運に効く心のおまもり(失敗の数を数えていこう、リスクじゃなく可能性にフォーカス ほか)

第4第 開運トラブルシューティング(人生はあなたが創っていくもの、どういう人をメンターにするか ほか)

第5第 運の強敵「お金」に勝つ!(運は遺伝、伝染する、動き出さなければ運は伝染しない ほか)

エピローグ これから運が良くなるあなたへ

強運スパイラルトレーニング10

 

中島 輝さん

作家/対人関係評論家/自己肯定感の第一人者/「自己肯定感アカデミー」代表。著書累計70万部。プロアスリート・経営者・俳優など1万5000人以上の心理カウンセリングを手掛ける。自己肯定感の第一人者。独自の自己肯定感理論を構築し人材育成を行い、受講生は3万人を超える。心理学、脳科学、NLPなどの手法を用い、独自の120のコーチングメソッドを開発し資格発行している。自己肯定感ムーブメントを生んだカリスマとして、「自己肯定感の重要性をすべての人に伝え、自立した生き方を推奨する」ことをミッションに掲げ、「一般財団法人自己肯定感学会」の代表、新しい生き方を探究する「風輝塾」の運営のほか、広く中島流メンタル・メソッドを知ってもらうための「自己肯定感カウンセラー講座」などを主催する。毎月500人以上のメンタルカウンセラーコーチ、トレーナー、セラピストを育成・輩出している。

“キッチュ”こと俳優でタレントの松尾貴史さん。

さておいても、まずは見開きから見えてくる似顔絵たちが上手い。

元首相の岸田文雄さんをはじめ、元デジタル大臣の河野太郎さん、元外務大臣の上川陽子さんなどもうそっくりだ。

山藤章二さん、上岡龍太郎さん、桂南光師匠、高田文夫さん、横尾忠則さんなどお知り合いが多くて、政治から芸能までの人物に関する出来事を取り上げて松尾さんらしく熱く語っています。

またマイナンバーや、神宮外苑計画、都知事選、大阪・関西万博、インボイス制度等々、このごろの世相に対する意見を反映した、辛口気味で気軽に読み終えるコラム集です。

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 永田町流パフォーマンス

第2章 ニッポンの怪談

第3章 金はいずこへ

第4章 恥を知る

第5章 言葉と体と日常と

対談 古谷経衡×松尾貴史「違和感」対談

 

松尾貴史さん

1960年、兵庫県生まれ。大阪芸術大学芸術学部デザイン学科卒業。俳優、タレント、ナレーター、コラムニスト、「折り顔」作家など、幅広い分野で活躍。東京・下北沢にあるカレー店「般゜若(パンニャ)」店主。「サンデー毎日似顔絵塾」塾長

 

禁忌とは、デジタル大辞泉では、「忌いみ嫌って、慣習的に禁止したり避けたりすること。また、そのもの」とあった。

 

運ばれて来た身元不明者は、救急医の武田にそっくりであった。似ているというレベルをはるかに超えていた。

 

全裸の溺死体となって発見されたこの事件や密室で縊死体となって発見された事件、何者かに押されてホームから転落した事件。それぞれに理由があり太く深く繋がっていた。

 

密室の死体などの場面ではミステリーの王道であった。

登場人物のキャラと場面の切り替えが秀逸だったと思う。

一卵性双生児!?二卵性双生児!?現役医師らしく医療情報がリアルで、登場人物の揺れる感情と脆さでグッと物語に引き込まれてしまった。

犯人は思いもよらない意外な人物。

途中で止まることなく一気に読み終えてしまった。

ラストにも驚かされるほどに読み応えがあるよい作品だった。

 

 

 <目次>

第一章 発端

第二章 連鎖

第三章 密室

第四章 分数

第五章 真実

終 章 蜻蛉

第三十四回鮎川哲也賞選考経過

選評 青崎有吾 東川篤哉 麻耶雄嵩

 

自分自身のライフキャリア形成について考えている人、国家資格キャリアコンサルタントを目指す人(試験の範囲と内容が網羅されています)、企業などで総務や人事畑で働く人……等々に最適であり必見です。

 

職業能力開発促進法によると、「キャリアコンサルティングとは、労働者の職業選択、職業生活設計又は職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言や指導を行うことをいう。」です。

平たく言えば、職業選択やキャリア形成に関するアドバイスやサポートを受けることを指します。

例えば、将来のキャリアに悩んでいる場合、キャリアコンサルティングを行うことによってキャリアコンサルタントは一緒に考えて適切な進路を見つける手助けをしてくれます。就職活動や転職のサポートも行い自分のスキルや強みを活かす方法のアドバイスを提供するのです。

このキャリアコンサルタントは、働き方や職業について考えるための相談相手で日々の仕事や将来のキャリアに関する悩みを解決するのに役立つ存在です。これからはますますこの存在が重要になってくるのではないでしょうか。

 

この本は、キャリアコンサルティングについて学び理解を深めるためには最適な教科書です。

厚生労働省が示すキャリアコンサルタント能力要件に沿った構成でもあり働く人のキャリア形成を強く支援する素晴らしい内容でした。

 

 

 <目次>

はじめに 

第1章 キャリアコンサルティングと企業人事部門(キャリアコンサルティング、キャリアコンサルタントとは、企業人事とキャリアコンサルティング、キャリアコンサルティングについて学ぶことの意味、キャリアコンサルタント登録制度)

第2章 キャリアコンサルティングの社会的意義(キャリア形成支援の必要性、キャリアコンサルタントに求められる役割)

第3章 キャリアコンサルティングを行うために必要な知識(キャリアに関する理論、カウンセリングに関する理論、職業能力開発 ほか)

第4章 キャリアコンサルティングを行うために必要な技能(基本的な技能、相談過程において必要な知識・技能)

第5章 キャリアコンサルタントの倫理と行動(キャリアコンサルティングの普及、環境への働き掛け、ネットワークの構築・活用 ほか)

巻末資料 職業能力開発促進法(キャリアコンサルティング、キャリアコンサルタントに関する主な条文)、キャリアコンサルタント倫理綱領

引用文献

参考文献

事項索引

人名索引

 

 

浅野浩美さん

事業創造大学院大学事業創造研究科教授。

厚生労働省で、人材育成、キャリアコンサルティング、就職支援、女性活躍支援等の政策の企画立案、実施に当たる。この間、職業能力開発局キャリア形成支援室長としてキャリアコンサルティング施策を拡充・前進させたほか、職業安定局総務課首席職業指導官としてハローワークの職業相談・職業紹介業務を統括、また、栃木労働局長として働き方改革を推進した。

社会保険労務士、国家資格キャリアコンサルタント、2級キャリアコンサルティング技能士、産業カウンセラー。日本キャリアデザイン学会理事、人材育成学会理事、経営情報学会理事、国際戦略経営研究学会理事、NPO法人日本人材マネジメント協会執行役員など。

筑波大学大学院ビジネス科学研究科博士後期課程修了。修士(経営学)、博士(システムズ、マネジメント)。法政大学キャリアデザイン学研究科非常勤講師、産業技術大学院大学産業技術研究科非常勤講師、成蹊大学非常勤講師など。

専門は、人的資源管理論、キャリア論

 

 

【No1760】キャリアコンサルタント・人事パーソンのためのキャリアコンサルティング 組織で働く人のキャリア形成を支援する 浅野浩美 労務行政(2022/06)

「あなたの犯罪計画は、どうしてそんなに杜撰なの?」このシリーズは、わりと軽く読めるお話です。今回も楽しく終えました。

赤ずきん、ピノキオ、アラジン、アリババ、ランプと指輪の魔人、シンドバット……など、世界の童話の主人公や登場人物が出てきます。

殺人事件とミステリーが次々に起こります。アラビアンナイトの世界では魔法の効果がてきめんに現れます。各地への移動は縦横無尽です。謎解きでは当たり前には決して解けない必殺技を使います。楽しめる部分がそこにあり。

赤ずきんの素敵な推理を基にして、彼女の類稀な行動力で問題が解決していくのでした。

256p

「シェヘラザードは心底楽しそうにあなたに話を語ったわ。それは、あなたが本当に彼女のことを信じて聞いていたからよ。物語が、話す者と聞く者との共同作業なんだって、私は初めて知ったわ。その共同作業を通じて、人は変われる。物語は人を変えるのよ。それくらい良いことがなきゃ、こんな危なっかしい物語の主人公(赤ずきん)なんてやってられないわ!」

 

 

 <目次>

アラジンと魔法のアリバイ

アリババと首吊り盗賊

シンドバットと三つ子の事件

アラビアの夜にミステリは尽きず

 

 

青柳碧人さん

1980年千葉県生まれ。早稲田大学卒業。2009年『浜村渚の計算ノート』で第三回「講談社Birth」小説部門を受賞してデビュー。19年刊行の『むかしむかしあるところに、死体がありました。』は多くの年間ミステリーランキングに入り、本屋大賞にノミネートされた。

 

0歳から歯を健康に保つことを目的とした予防歯科の考え方をまとめた本です。

生きていくための栄養を取るため、会食などで有意義なときを過ごすために食べるという行為は欠かせません。

美味しいものを食べること自体は楽しい。

歯周病は万病の元です。

健康的に長生きするためには、定期的な歯医者での健診や毎日の歯磨きなど口腔ケアをすることの大切さがわかりました。

 

161P 唾液には虫歯を治したり予防する力がある

176P 口の中と肛門では口の中の細菌数のほうが多い。口腔内は2000億個、肛門は30億個

237P 脳が健康な人ほど、歯が残っていて、認知症の疑いがある人ほど歯は残っていない。

 

242P 歯周病のおそろしさは、口の中だけにとどまりません!歯周病菌は万病の元、口腔ケアで健康寿命を延ばそう!

歯周病菌が歯茎に炎症を起こすとサイトカインという炎症物質が発生し、血液によって全身に運ばれ、さまざまな組織に悪影響を及ぼします。次のような病気の発症・悪化リスクが高めます。アルツハイマー型認知症、糖尿病、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、誤嚥性肺炎、関節リュウマチ、骨粗鬆症など。さまざまな病気の発症・悪化を防いで健康寿命を延ばすためにも歯周病の治療や予防のための口腔ケアはとても大切なのです。

 

245P あなたの歯は今、何本残っていますか?しっかり噛んで食べて、体も脳も生き生きと 健康を保つための基本は、しっかり噛んで食べることです。歯がない人、しっかり噛めない人は、歩く能力が衰え転倒リスクがたかまります。噛むことで脳の血流が増加し、脳がかっせいかします。脳の記憶や運動、感情などの感覚が刺激されるため、意欲が高まり高齢者のリハビリや全身の回復にも効果をもたらします。

 

 

 

 <目次>

本書について

はじめに 日本歯周病学会指導医が小児歯科医院を開業した理由

第1章 なぜ0歳からの予防が必要なのか

第2章 0歳の赤ちゃんは「歯」ではなく「舌」を見る

第3章 子どもの顎の成長は10歳までの習慣で決まる

第4章 虫歯予防は3歳までが肝心

第5章 真の予防歯科医療とは何か

第6章  誰もが予備軍!!日本人の8割が歯周病

第7章 それでも歯が抜けてしまったら!入れ歯とインプラントの最新知識

第8章 歯を守れば人生が豊かになる

おわりに 

索引

各種サイト・SNS

 

 

【No1758】10000万人の患者を診た歯周病専門医が導き出した 0歳から100歳までのこれからの「歯の教科書」多保 学 イースト・プレス(2024/10)

本は仲良くして気軽に読んでもいいんです。

本の読み方や見つけ方などに迷っている方がおられたら、肩の荷が少し下りるのでは?という内容となっています。

この著者さんから読書好き仲間たちから発せられるような「読書愛」がありました。

いわゆる一種の本に対するオーラのようなものでしょうか。それを読みながら感じ取っていました。

大島さんは、図書館も利用されますが。どちらかというと書店でほぼ本を手に入れられるところで、ぼくはたまに本屋さんで買いますが主に図書館で借りる違いはあります。けれども、社会人になってから読書好きに至ったところなどは同じ共通点があり親近感が持てました。

 

「本はもっと気軽によんでいい」 

無理に1冊読みきらなくていい、読みたい時に読みたいところで読めばいい、1ページでも1行でも本を読んだら読書、同時に何冊か読み進めたっていい、絵本や児童書を大人が読んだっていい、好きな場所から読めばいい……。

日ごろ僕が考えていることや思っている気持ちが書かれてありうれしく思いました。

 

「読みたい本の見つけ方」

おすすめの本を買ってみる、SNSで気になる本を集めてみる、(芥川賞など)受賞作品をチェックしてみる、何かひとつでも気になったら買ってみる、映像化作品の原作を読んでみる、昔読んだ本を再読してみる、本好きな人と友達になってみる……。

など、これも常日頃思っていることが代弁されていました。これらの本の見つけ方については、ぼくなりに知り合いにはアドバイスしていました。

 

「読書に対する愛情」

似ている者同士が読書会などでお友達になったら互いに共感できることが多いのでそれらの確認作業は尽きないのです。

楽しく有意義で素敵な時間が過ごせるものだと思いますね。

 

 

 <目次>

はじめに 

1 本はもっと気軽に読んでいい(無理に1冊読みきらなくていい、読みたい時に読みたいところで読めばいい ほか)

2 読みたい本の見つけ方(悩んでいることに目を向けてみる、おすすめの本を買ってみる ほか)

3 わたしの本棚(人間関係に悩んだ時に読みたい本、恋愛に悩んだ時に読みたい本 ほか)

4 読書記録(読書記録の目的、読書記録の方法、本に残した足跡、読み終わった本の行方)

おわりに 

この本のなかで紹介した本

コラム 本にまつわる○○派/本好きの会/我が家の本棚

 

大島梢絵さん

1993年埼玉県生まれ。学習院大学文学部卒業。広告会社やテレビ局(NHK宇都宮放送局・UX新潟テレビ21)でのアナウンサー職を経て、現在は新潟県で「カレーとごまどうふの店 石本商店」を夫婦で営む。2022年よりInstagramで読書記録を開始。年間150冊読む本好きであり、「本好きの会」も主催する

 

固定金利と変動金利、単利と福利などの金利とはいったい何なのか?

マイナス金利、預貯金、住宅ローン等金利を取り巻く用語の意味を理解し、金利についての基礎知識を得ることを目的とする本でした。

ゼロ金利政策が解消されるまでのこれまでの約20年間は、金利が付かない時代でした。

これからは物価が上昇して金利も上がっていくものと見られます。

政府や中央銀行の金融政策など金利に関することについて知り考えることで、今後の自分の生活や仕事や経済などについて、例えば国債や住宅購入時での疑問点を解消することができればと思います。

 

 <目次>

はじめに 今こそ、金利について知るべきとき

特集 金融政策が正常化された今後はどうなる?

第1章 金利とは何か

第2章 金利が生活に与える影響

第3章 短期金利と長期金利の違いと特徴

第4章 金利はどのように決まるのか

第5章 投資と金利の関係

第6章 日本銀行と政策金利

第7章 欧米の中央銀行

第8章 日本のゼロ金利政策とは何だったのか

第9章 金利の謎を解き明かす

おわりに 金利のある新たな世界へ

 

 

久保田博幸さん

1958年神奈川県生まれ。慶應義塾大学の法学部政治学科を卒業後、証券会社の債券部で14年にわたり、主に国債の債券ディーリング業務に携わった。その間、1996年に債券市場のホームページの草分けとなる「債券ディーリングルーム」を立ち上げる。幸田真音のベストセラー小説『日本国債』の登場人物のモデルとなっている。専門は日本の債券市場についての分析であり、特に日本の国債と日本銀行の金融政策に関する深い知識を持っている。現在は、ヤフーで金融アナリストとして記事を投稿しており「牛さん熊さんの本日の債券」というメールマガジンも定期的に発行している。日本アナリスト協会の認定会員である

 

 

【No1756】イラスト図解知っているようで知らない金利のしくみ  久保田博幸 池田書店(2024/11)

 

ヒストリー・オブ・モーリーのところは、モーリー・ロバートソンさんのファミリーヒストリーがあったり、どのように考えてこれまで生きてきたかわかるような自叙伝的な内容でした。

 

普通で当たり前ではない数々のヤバい経験を踏まえているのが伝わってきました。

言葉でよりも筆力のほうが勝っていました。

まえがきを読んでいると映画が始まる前のように気持ちがワクワクしてきます。

なにか面白いことに出会えるような感じ。

 

 デマに対する行動のいましめです。

例えば、関東大震災後の朝鮮人虐殺事件が起こった理由とか、アメリカのQアノン(陰謀論と政治活動)など。

50P 百年前の歴史から学ぶ 陰謀論

あなたがそんな陰謀論ランドの住民にならないためには、リサーチをする検索ワードをもっと知って、ボキャブラリーを増やしていくことがリスク分散になります。ネット上のアルゴリズムに惑わされないように心がけることも大事です。

陰謀論や変な話に引っかからないためには、とにかく歴史を知って勉強することしかないのです。この百年ぐらいの世界の歴史を学ぶことは生きていく上でかなり有効な手段です。

 

人口は減るばかりです。少子高齢社会における将来の担い手確保のために、移民政策をどうすべきか考えないといけない時期に来ています!

87P 円安で日本人が出稼ぎにいく時代に

そもそも外国人労働者から見て、現在の日本は本当に魅力的なのか?

文化レベルの高さや清潔さ、治安の良さ、インフラの便利さ、快適さはプラス材料ですが、同時にマイナス要素も多いのです。

通貨が弱い。その分、旅行者として訪れるにはコスパが高く、お得感ずくめではあります。日本で給料をもらうとなると国際的目減りするうえ、現在はインフレが進行中。日本は就労先として優先順位を下げています。加えて日本では英語があまり通じません。

日本の経済水準を維持するためには、正式に健全な移民制度を定めるしかないと多くの識者も指摘しています。それなのに政治はひたすら移民への恐怖や嫌悪感に配慮して逃げ回っているように見えます。真正面から個別にメリット・デメリットを国民に啓発する時が来ているのにです。

 

「自己責任」という言葉が独り歩きしている。

その人の成功には、すでにある「環境」の要因があって勝っていたのではないのか。

107P 他人の言葉を借りずに自分の言葉を見つけられる

堀江氏、ひろゆき氏、成田氏の主張には共通した流れがあります。それは資本主義による淘汰、踏み絵の「弱肉強食」、別の言い方をすれば「優れた人の礼賛」です。よほどの才能がなければ下剋上はかないません。

全体的に澱んでいて、低め安定でぬるま湯につかっているのがこの日本社会です。バカ正直に努力することを拒み、日本式のわかりにくい細かいルールやマナーに一切配慮せず、倫理観をせせら笑って、誰とでも喧嘩することを恐れない成功者たちの姿は若者たちに爽快感をもたらしているのです。

 

 <目次>

まえがき

第1章 激化する世界情勢

ヒストリー・オブ・モーリー1 「教育」が私を変えた~東京大学とハーバード大学

第2章 衰退が進む日本社会

ヒストリー・オブ・モーリー2 「音楽」が私を変えた~ジョン・ケージとブライアン・イーノ

第3章 どうすれば「国家」を変えられるか?

ヒストリー・オブ・モーリー3 「両親」が私を変えた~研究医の父とジャーナリストの母

第4章 どうすれば「自分」を変えられるか?

あとがき

 

 

ロバートソン・モーリーさん

1963年生まれ。国際ジャーナリスト、ミュージシャン、コメンテイター、DJといった多岐にわたる分野で活躍。日米双方の教育を受け、1981年に東京大学とハーバード大学に同時合格する。日本語で受験したアメリカ人としてはおそらく初めての合格者。東大、ハーバード大学に加え、MIT、スタンフォード大学、UCバークレー、プリンストン大学、エール大学にも同時合格。東京大学を1学期で退学し、ハーバード大学に入学。電子音楽とアニメーションを専攻。アナログ・シンセサイザーの世界的な権威に師事。1988年にハーバード大学を卒業。2021年に富山県氷見市政策参与任命。2024年に広島大学特別招聘教授授与

 

 

【No1755】日本、ヤバい。「いいね」と「コスパ」を捨てる新しい生き方のススメ モーリー・ロバートソン 文藝春秋(2024/10)