文化の違い


 過去のヨーロッパ人達は最高級品を求めるが故に執拗に原色を好んできた。

そのため何度も試験を重ねてようやくにして、求めていた色を出す事に成功した。

 

 一方日本では日常品からの食器を作ってきたために、色に対する執着心はヨーロッパの人達に比べて小さい。



 こうした過去の歴史的背景から作られてきた文化の違いが、そのまま現在にいたっているのです。



 残念ながら私たち日本人はカップの絵柄が多少ぼけていても敏感に反応する人は全くいませんよね。殆どの購入者は作られた磁器をそのままの受け入れているのが事実です。

 


 ただ私自身の気持ちとしては

 絵柄というのはデザイナーが出したい色を出すことによって購入者に大きな印象(インパクト)を与えるものだと考えています。

 

 しかしながら、出したい色が出ないからと云ってありふれた色で我慢するデザイナーが多くなったのも確かでありますが・・。


 

             

続く!

 





                       見分け方


 今回の話題(プリント画)はちょっと技術的話になりましたが、みなさんちゃんとついてこれました?


 さてここから結論といきましょう。

高い磁器と安い磁器の絵柄の良し悪しの見分け方についてです。


 先ずは[知ったかぶり第三五号]でお話したことを思い出して下さい。

『キレイな色を出すには温度差に適応した色に合わせて二度・三度の焼成が必要だ』と云いました。


 この“温度差に適応した色”を簡単に説明すると・・

(分かり易くお伝えするためにざっくりお話しますよ)

約1300度まで耐えらる色とは青色.ect(コバルト色)です。

約800度に適合した色とは黒や灰色、黄色、ピンク色.ectです。

約700度に適合した色とは緑色、赤色.ectです。


例えば、仮に800℃前後で一回の焼成ですますとしても

 第1に、緑色を出すにも焼成の温度差によって色が変色してしまう。

 第2に、色の違い(緑・赤・青)を出すのに、同じ温度で焼成すると色バランスが悪くなってしまう。

 第3に、高温度で焼成すると色がくっきりと出ない。



 ですから、一度の焼成行為でキレイな青色と緑色・赤色の三色を出すこは不可能なんです。 キレイな色を出そうとするなら、必然的に二度・三度焼成が必要となるのはわかりますよね?


もうお分かりですよねw?


 つまり、青と緑と赤を基本としてプリント画の絵柄を見ればその良し悪しが解るといっていいのです。




続く!!




                   余談ですが・・


メーカーがどのように安いカップを作るかそのトリックを説明しよう。

 

前ページで緑色を出す説明をしましたよね。

濃い色、薄い色、淡い色、透通った色、を出すのに多くの試験をしなければならないと書いた。

 しかし、当然の話だが出したい緑色が出ないのを前提に画くとすればそれほど多くの時間と金を掛ける必要ない。


1)難しい緑色をすべて避けてしまう。つまり焼成後(焼いた温度で出た)の緑色で我慢すればいいのだ。


2)今まで日本で製造してきた色の“見本張”と照らし合わせて過去に出してきた緑色で最も出易い絵具を一色だけ選べばいい。


 これなら何の努力も必要ない。


 多少の色ぼけは辛抱し、その色が薄かろうが、茶色に変色しようが、黄みを帯びようが緑に近ければそれでいい。

 とにかく緑色らしき色が出ればいいことにする。


                     薔薇の絵


 薔薇の絵を描くことにする。


赤色の花びら・ピンク色・白色・緑色の葉っぱを絵具を使って画いてみよう。

 

 1)赤色はオレンジか茶色に変化しても

 2)ピンク色は薄めになっても

 3)白色は灰色に変化しても

 4)緑色は薄めの黄緑色に変化しても

 5)輪郭が多少ぼけていてもよしとする。


変色しても無視すればいいのだ。


絵全体として考えれば、形にはなる。

こうすればバラ色に近い色が最も安い単価で作る事が出来るのである。

 

                      本 物 の 味


 先ず最初にキャンパスにあたる磁器の色、つまりボディーの色に合った、しかも形に馴染んでいる。

 そして本物の完成した薔薇絵プリントでは

 

 1) 真っ赤なバラ色

 2) 深みのあるバラの花びら

 3) くっきりした緑

 4) 中間色の緑、そして濃い緑の葉っぱ、透けて見える葉


 と区分けされてプリントがされているべきです。

 それは本当に良い色を出すためには温度差に適応した色に合わせ二度・三度焼成する必要があるからです。

 

 つまりこういう事です。

 (ちょっと技術的な話になってしましいますからついて来てくださいよォ) 

はじめは約1300度に耐えらる色(例えば青色(コバルト)ect)を中心に焼きます。

その次に約800度に適合した色(例えば黒や灰色、黄色、ピンク色ect)を焼きます。

次に最も出すのが難しい約700度に適合した色(例えば緑色、赤色ect)を焼きます。

 こうして何度も焼いて様々な色のついた商品を製造するんですよ。


そう考えると(ヨーロッパによく見られる)本物のプリント画の磁器の価格が高くなるのは当然ともいえますよねw

 
 さらにこうした工程を経て出来上がるプリント画の磁器は


 5) 器の表面はすっきりしていて極端にざらついていません。

 6) 絵柄にも光沢があります。

 7) バックスタンプにもこだわりがあります。


よく見て、触ってみると感じていただけると思いますよ。 

 方や安物磁器ではそうした配慮はなされていません。

絵柄が濃すぎたり、薄すぎたりしてしまうのは何度もテストをせずにいきなり磁器のボディーにプリント焼成してしまうからです。

   

 

                     ボディーの色


 女性は顔にファウンデーション・クリームを塗り、その後に口紅・アイシャドー・オシロイ・頬紅そのほか色々塗っていますね。

 どの化粧品を利用するのかをちゃんと選び出し、その順番も間違えもせずしっかりと時間を掛けて塗っている。随分と顔に “資本”と“研究費”? が入っているなーとつい思ってしまいます。 

 しかし、そういった美しい化粧(磁器でいうプリント)をするにはやはり源となるボディーが大切であり、基本となりますよね?それはやっぱり白色ではありません?


 やはり白磁の透き通った超白磁こそが美しい絵柄にマッチするんですよ。

                                                          

                 

続く!  



 



                陶磁器の専門店へ行こう


これから早速デパートか専門店に出かけて“美しい”?バラを見に行こう。

そして薔薇の絵を書いてあるコーヒーカップを探してみてください。


 1)赤色のバラが濃過ぎたり薄す過ぎたりして色バランスが上手くいっているだろうか?


 2)赤いバラなのにまるで茶色に変色しているのではないだろうか?

 

 3)オレンジ色のようなバラではないだろうか?

 

 4)ピンク色が入っているだろうか。ピンクと言うより白色に近い色になっていないだろうか?

 

 5)葉っぱの色は緑色になっているだろうか、薄くてざらざらしていてなんとなく素地から浮いて見えるのではないだろうか?

 

 6)黄緑色なのか黄色なのか見分けがつかない色ではないだろうか?   



よく見てさいね。

なんとなくぼけたようなそれでいてはっきりしない輪郭のバラではありませんか?

確認してみて下さいよ。


 7)皿の表面を手で触るとざらざらしている。

 

 8)絵の輪郭がしっかりと描かれていない。

 


さあどうでした??



 ここで挙げた項目に該当するプリント画の磁器は安いモノになっているはずです。

言い換えれば、1)から8)に該当しないのがプリント画の質の高い磁器となりますよねw


 

続く!