【第4回再放送】が終わって市販された、
特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]
の作品から抽出しました。
市販品なのですが、東映ｃｈで再放送済みで、当方も視聴したことがあるため、過去のブログ記事に補足する形にとどめます。
※ 特別機動捜査隊 まえがき
捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊－キャストを参照、また、（本放送）とはNETでの放送、（再放送）とは東映ｃｈでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。
また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。
なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。
配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度（備考）で示します。
☆・・・#581 蒼い性
特別機動捜査隊（第581回）蒼い性
（収録DVD)・・・VoL6、disc4、2021年10月13日発売
（本放送）・・・1972年12月20日
（脚本）・・・横山保朗
（監督）・・・天野利彦
（協力）・・・無し
（協賛）・・・無し
（助監督）・・・山田良作
（劇中ナレーター）・・・無し
（捜査担当・オープニング表記）・・・高倉班
鑑察医（仲原新二）、鑑識課員（西郷昭二）、鑑識課員（田川恒夫）、
松木刑事（早川雄三）、岩井田刑事（滝川潤）、鷲見刑事（柴田昌宏）、
森田刑事（北原隆）、笠原刑事（伊達正三郎）、高倉主任（里見浩太朗）
（出演者・エンディング表記）
・・・配役名を省いた、ゲスト全出演者名を以下に表記
長谷川待子、西村秀人、本多洋子、宮沢奈穂美、紅理子、松坂雅彦、山尾範彦、
杉弥生、榎本英一、宗田千恵子、相良良子、佐々木睦雄、斧田一則、相馬哲、
藤田敏美、白取雅子、西川敬三郎、中庸介、宇南山宏、加藤真知子、宮川洋一、
浜田ゆう子
（過去のブログ記事）・・・
（補足視聴録）・・・
（過去のブログ記事）において、
>ある遺留品の購入時刻とマチ子が再度さらわれた時刻とが不釣り合いになる
>という疑問点
と書きましたが、当作は既に【第3回再放送】されており、拙稿でもある程度あらすじを書いていますので、ここでは時系列を明らかにしたいと思います。
高倉班が掴んだ時系列は、（過去のブログ記事）でのあらすじの範囲ですと、以下の通りです（註・時刻には「頃」含む）
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★伊原の死体が発見された前日（土曜日）午後4時以前（時刻不明）
(1) 美佐子がみやこ寿司に注文、伊原が配達←庄司証言
★伊原の死体が発見された前日（土曜日）午後4時
(2) 走行車（パンダ人形有り）に乗るマチ子を目撃←細野聞きこみ、近隣主婦証言
(3) 伊原が自転車で集金・寿司桶回収に出発←みやこ寿司店主証言
★伊原の死体が発見された前日（土曜日）午後4時以降（時刻不明）
(4) 伊原が用水路沿いの家に集金・寿司桶回収←松木・森田が店主同席での聞きこみ
(5) 伊原が庄司宅退去、その後チンピラ風男性2,3人との立ち話を目撃←庄司証言
★伊原の死体が発見された前日（土曜日）午後10時
(6) 用水路上流の工場から放水←岩井田・鷲見の聞きこみ
※岩井田は伊原（死体）が上流から流された可能性を具申、高倉主任は犯行は夕方明るいうちに行なわれたと推察する。
★伊原の死体が発見された当日（日曜日）・高倉班現場検証（時刻不明）
(7) 現場は用水路、死後15時間以上経過、後頭部打撲あるも死因は水死（窒息死）。遺留品は、現金6800円・ハンカチ・ライター。用水路にパンダ人形を発見。
★伊原の死体が発見された当日（日曜日）・高倉班現場の上流検証（時刻不明）
(8) 上流沿いの空地で、自転車・寿司桶・幼児靴1足（マチコのネーム有り）が発見、自転車からは指紋未検出。高倉主任は、遺留品の遺棄だけで、犯行現場では無いと推察する。
★伊原の死体が発見された当日（日曜日）・所轄署（時刻不明）
(9) 近隣主婦証言からモンタージュ似顔絵作成。それを見た庄司証言で、「マチ子誘拐犯＝雨宮勉」と推察する高倉主任・松木。
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そして、（過去のブログ記事）には書かなかった「高倉班の知らない場面」では、
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☆伊原の死体が発見された前日（土曜日）午後9時
○Aは、自宅の外にBがいるのを発見。Aは外に出てBに話しかけるが、Bは逃げてしまい、この騒ぎに自宅からCが出てきた。
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があり、これと同時刻に（過去のブログ記事）に書いた「ある出来事」もあるのですが、この点は省略します。
そのうえで、伊原の死体が発見された前日（土曜日）には
○ ある遺留品の購入時刻＝夕方←雑貨店主人証言
○ マチ子が再度さらわれた時刻=夜←回想場面
があり、これだとマチ子が「ある遺留品をある人物からもらった」という証言は、マチ子がさらわれる前にある人物が遺留品購入ということになり、時間的辻褄が合いません。これは、回想場面、上記の「ある出来事」、を夕方明るいうちにするか、雑貨店主人証言を「店を閉める前の夜」にすれば良いことでしたので、初見時は「あれっ？」と思ったものでした。
さらに、「高倉班の知らない場面」で、マチ子がパンダ人形を用水路に落としてしまい、それを追いかける序盤の描写が有ります。そして、後半になり、手ぶらのマチ子がさらわれる回想場面から、「パンダ人形を追いかけた場所」でさらわれたと解釈できます、しかし、実は、この場所は伊原発見現場の上流沿いの空地であり、物理的にパンダ人形が上流に流れ着くことは有り得ないわけです。
この点、#137 ハンドル【スペシャルセレクション】 と似通った矛盾であり、気にしなければ良いのでしょうが、刑事ドラマの範疇として甘い感じがします。
その他当作では、高倉班現場検証の時刻がわからないこともあり、「死後15時間以上経過」「犯行は夕方明るいうちに行なわれた」と言われてもピンときません。そこで、時系列を明らかにすることは、ある程度の流れも掴みやすいと考えました。
それでも（過去のブログ記事）では、
>上流工場の放水が午後10時であったことからそれ以前の時刻に殺害・放置
>されたものと考える。
としたのですが、わかりにくいことには変わりはありません。立石班・藤島班のころでしたら、こういう不備を島宇志夫ナレーションで補うことも出来たのですが、なかなか上手いようにはいかないものです。
こう書いていくと粗ばかりになりますが、「若者の性」に視点を向けると、後年の
○ #646 嘆きの天使 （高倉班最終話）（本放送・1974年3月20日）
○ #695 現代母親教育論（本放送・1975年2月26日）
との比較が可能です。
当作は、1972年12月20日に本放送されており、上記作品より1,2年ほど古いとはいえ、「未成熟の性意識」、そのことが「自分より弱者の異性に目を向ける」ところに至ったところ視点を置いたのは、脚本。横山保朗の慧眼かもしれません。
ただ、現在では、これをテーマにした作品を制作するのは不可能で、正直、よくDVDに収録できたたなあという驚きがあります。まあ、近年、永らく封印されてきた新東宝作品「九十九本目の生娘」がようやくDVD化されたこともあり、製作時のオリジナリティーを大切にするという気風が生まれたからかもしれません。
主人公（？）のマチ子については、勉の母を演じたのが長谷川待子、マチ子の母を演じたのが加藤真知子と面白い符号であり、子を持つ母という点でも、対比させる狙いがあったのかもしれません。
さらに、自分がかつて触れた、特捜隊常連女優の本多洋子が、庄司の娘・美佐子を演じています。この当時は、まだ野暮ったい風貌で、エンディング表記をみないとわからない程度でしたが、#801 浮気の報酬 （矢崎班最終話・最終回）【スペシャルセレクション】 まで脇役ながらも出演。スタッフにとって、特捜隊カラーに合った女優さんといえたのでしょうか？ なお本多洋子は、その後もテレビ朝日を中心に女優活動を継続。テレビドラマデータベースによると、最終出演作は特捜隊の後継番組、特捜最前線（第115回）チリアーノを歌う悪女！（本放送日、1979年6月13日）。特捜隊が番組終了してから、約2年あまりのことでした。。。
（追加）R6.5.17
特捜最前線（第115回）チリアーノを歌う悪女！での、本多洋子の役柄は、桜井刑事（藤岡弘）、吉野刑事（誠直也）に話しかけるホットドッグ店の店員。特捜隊と異なり、最前線ではエンディングに役柄表記が無いため、探すのが困難であり、特捜隊出演時より容貌が一変している感もありました。ただ、この作品が、本多洋子最終出演作とするには、特捜隊を観続けてきた立場からは寂しいものがあります。。。