【第4回再放送】が終わって市販された、
特別機動捜査隊 スペシャルセレクション<デジタルリマスター版> [DVD]
の作品から抽出しました。
市販品なのですが、東映chで再放送済みで、当方も視聴したことがあるため、過去のブログ記事に補足する形にとどめます。
※ 特別機動捜査隊 まえがき
捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。
また、1963年公開の、映画版・特別機動捜査隊全2作とは趣が異なることに注意。
なお、オープニングやエンディングで配役名表記がされない作品については、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」の原則だと平仮名だらけの文面となります。そこで役名・地名等は、検証本その他を引用、あるいは当方での当て字により、以下表記します。
配役名表記が有るため、従来の「発声のみの役名については平仮名表記」「オープニング・エンディングの表記と、劇中発声・表記が異なるときは、後者を優先」する原則に戻り、以下本文を表記します。例外は、その都度(備考)で示します。
☆・・・#664 女の罠
特別機動捜査隊(第664回)女の罠
(収録DVD)・・・VoL6、disc5、2021年10月13日発売
(本放送)・・・1974年7月24日
(脚本)・・・横山保朗
(監督)・・・若林幹
(協力)・・・無し
(協賛)・・・無し
(助監督)・・・中津川勲
(劇中ナレーター)・・・無し
(捜査担当・オープニング表記)・・・矢崎班
田中係長(山田禅二)、鑑識員(田川恒夫)、谷山部長刑事(和崎俊哉)、
岩下刑事(岩下健)、保田刑事(船水進)、桂刑事(佐竹一男)、
田坂刑事(倉石功)、矢崎主任(亀石征一郎)
(出演者・エンディング表記)
・・・配役名を省いた、ゲスト全出演者名を以下に表記
小笠原まり子、簗正昭、宇南山宏、鮎川浩、建部みち子、逗子とんぼ、
清水美佐子、三草由里子、山田貴光、射秀容、小野富士子、田浦正己、
小林裕子、須藤健、村田知栄子
(過去のブログ記事)・・・
当作の原型作
(補足視聴録)・・・
上記の通り、当作は約5年前の#403 蛇と香水【スペシャルセレクション】 (以下、原型作と略)のリメ作なのですが、やはり面白い!
詳細は、(過去のブログ記事)2作の拙稿をご覧いただければと思いますが、その「リメ作>原型作」の理由は書き綴った通りです。しかし、矢崎班の歴史的経緯とその出来具合を比較すると、なかなか興味深い。
(1) #654 矢崎班 緊急出動せよ (矢崎班初登場)
(2) #656 熱風への復讐 ↓
(3) #658 はみだした青春 ↓
(4) #660 結婚七年目 ↑
(5) #662 光と影の女 ↓
(6) #664 女の罠 ・当作 ↑
矢崎班デビューの(1)を基点とすれば、下降線をたどるかなと思ったところ、(4)で復調、また下がるかなと思っていたら当作(6)で復調といったアップダウン激しい経緯になっています。まあ、全話面白ければ越したことは無いのですが、どうしても脚本・監督が異なれば出来は変わってくるものであります。これは、(1)は田中秀夫監督、(4)は北村秀敏監督、でありながらも、とそれぞれ(5)、(2)とガクッとする作品をつくることもあるのが一例です。
当作は、若林幹監督の特捜隊最終演出回で、どうしてもキイハンターに代表されるアクション中心の監督のイメージのなか、原型作を上手くアレンジして、単なるリメ作に終わらせていないことに驚きます。原型作では「点」に重点を置きすぎたのか、ひとつの出来事が次の出来事に繋がらないきらいがありましたが、当作では「点」と「点」を繋げて1本の「線」にしています。
つまり、忍法分け身の術ではありませんが、怪しい人物が出てきてもすぐに証言・物証で否定、それが繰り返され、ある意味観賞者を翻弄させます。そして、ラスト10分の衝撃的展開となり、原型作での絶望的な場面を、当作ではプラスアルファしてこれからの希望に向ける場面に仕上げ、印象的なエンディングテーマとなるところもすばらしい。これは、原型作をあらかじめ再視聴して、構成を練り直したとしか思えず、脚本・横山保朗、助監督・中津川勲、監督・若林幹の功績であります。
その若林幹監督の特捜隊初演出は、誰もが一度は苦労する小川記正脚本の#626 女のみち でありました。今にして思えば、#200 女の終着駅【スペシャルセレクション】 のリメ作でもあったのですが、龍伸之介監督とは異なるアプローチで、
>視聴者の興味を引きつけるようなつくり
で、及第点の出来に仕上げました。
ただ、上記以降は作品の構成もあり、なかなか面白い作品に巡り会えませんでしたが、結果的に特捜隊最終演出作品で秀作を創り上げたことになります。そして、当作後は、特撮にも手を伸ばし、昨年9月だったか「大鉄人17」という巨大ロボットものが東映chで放送されていたのを思い出します。
さて、新境地とでもいうべき矢崎班ストーリーでしたが、当作以降、このスタイルは続いていくのかどうか? 矢崎班のスペシャルセレクションはあと4作、歴史的経緯を考えながらの観賞もオツなものですので、是非とも観ていただきたいと思います。