【第3回再放送】の立石主任(波島進)に引き続き、藤島主任=中山昭二、が関わった放送回を(捜査班、個人も併せ)抜き出してみました。

(1) 藤島班単独***全12作

(2) 立石班に藤島主任が協力***全2回

となります。各話エピソードで多少触れていますが、藤島班が主体となって動く回が少なく全容をうかがうには足りないのが実感。メンバーについては、関根部長刑事(伊沢一郎)が主で、笠原刑事(伊達正三郎)、内藤刑事(巽秀太郎)がサブでついているのか? という見方ですが、【第3回再放送】から見始めたため全14作の知識ではなんともいえません。

また、(2)については立石班が主役で、藤島主任の活躍ぶりについては、記憶が薄れています。まあ【第2回再放送】辺りを実見できていれば印象は違うのでしょうが、現時点での思うところを、(2)については立石班part2 で触れましたので、(1)について以下に綴ります。

 

 

#453 狙え!事件記者

当作が藤島班の初見となりますが、登場人物の整理、ストーリーの辻褄、映像の不整合さなどが目立ち、これは当作以降もしばらく続きます。藤島主任のキャラが、立石主任、三船主任(青木義朗)と比べおとなしめなところも目立つ点です。あくまで、立石班ヘルプの役割なのか、画面に引き込まれることが少なかった印象です。ところが・・・

 

#477 指名手配

では、脚本・横山保朗、監督・天野利彦、ゲスト・藤本三重子の妙もあり、おとなしめな藤島班の存在がむしろ奏功したのでしょう、程よい佳作に仕上がっています。また、直前放送された

#476 奇妙な男と女

のスキャンダラスな事件材料、犯人探し(多分に展開に?はつくものの)の点で、藤島班ストーリーにひかれたことも一因です。ですので、この2作をもって【第3回再放送】の藤島班のピークとみることも可能です。

 

その後は、藤島班の良いところというか、長所を見出すのが難しく

#497 人生試験地獄

で(リアルタイム)でも、唐突な藤島班最終話を迎えることになります。当作は、ブログ本篇でも触れたとおり「全体的に可もなく不可もなく堅実につくられた作品」であり、北村秀敏監督の器用さが生きた作品でもあります。ただ、ラストシーンで藤島班が全くでてこないというのは、脚本の問題なのか、藤島班終了が唐突に決まったからなのか、つい考えてしまいます。

 

中山昭二は、1928年2月28日生まれ。特捜隊は1963年の35歳から、途中降板しながらのレギュラーで、【第3回再放送】の1970年で42歳での最終回を迎えることになりました。

芸歴は新東宝で1953年(25歳)スクリーンデビュー、その後の大蔵貢体制になじめなかったのか1959年(31歳)で退社、東映に移籍となりました。そこでの活躍ぶり(?)は、多羅尾伴内 七つの顔の男だぜ  でも描かれています。ただ、東映でのスターの数は新東宝の比ではなく、だんだんと奥に追いやられて行った印象で、その他の男優・女優もそうですが、テレビへと活路を見出していきます。そのひとつが、特別機動捜査隊であり、藤島主任の役柄でありました。

 

ところが、並行して出演していたウルトラセブン(1967年-1968年)・キリヤマ隊長のイメージのほうが勝っていたのか、テレビ出演が増えたこともあり、特捜隊を#497 人生試験地獄 を最後に降板してしまいます。そして、意外なことにテレビ関係者からの要請か、悪役を演じることが多くなり、視聴者にも受け入られたため、特捜隊終了後も、長く男優生活を続けていました。

晩年は、日光江戸村で演技指導を行なっていましたが、1998年12月1日70歳で逝去してしまいました。ウルトラセブンでアンヌ隊員を演じていた、ひし美ゆり子のブログ・「あれから50年・・・アンヌのひとりごと」には、時折、中山昭二の思い出が語られています。