※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しましたR6.9.17 (出演者)をエンディング表記された「全男優・女優」に訂正

 

【#525  ポルノイン東京 女人百景】

 

(本放送)1971年11月24日

(再放送)2015年12月17日

(脚本)小川記正

(監督)吉川一義

(協力)無し

(協賛)無し

(助監督)中津川勲

(劇中ナレーター)無し

(捜査担当)三船班

田中係長(山田禅二)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(田川恒夫)、

鑑識課員(西郷昭二)、関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、

白石刑事(白石鈴雄)、水木刑事(水木襄)、畑野刑事(宗方勝巳)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

三田登喜子、長沢大、高野ひろ美、真木沙織、小田まり、中島かつ美、菅原チネコ、

花乃みどり、前田敏子、小倉雄三、辻村真人、岡部健、竹村清女、石田守衛、

清水正、榎本英一、白川奈美、ローズ牧、市川治、直木みつ男、岩城力也、

長谷川弘、清水一郎、天野新士、太刀川寛

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーションをそのまま聞き写しています

 

・・・・・・・・(ベッドの男女)

男         「充分に成熟しきった君との再会、愛の炎が再び燃え、

               地上最大のロマンが展開する!」

・・・・・・・・(特捜隊の取調室)

石原刑事「中西、どうなんだ!? 田口をやったのはお前か!?」

中西  「違う・・・、違うんだよ!」

同じ取調室で2人を見つめる三船主任

・・・・・・・・(あるクラブ)

「遠くはなれて子守唄」を歌っている歌手・白川奈美

・・・・・・・・(以下、ナレーション)

激しく燃える女を巧みに操るポルノ作家・・・。

愛の破局に復讐を誓う、孤独な女・・・。

複雑極まる人間社会にポルノの世界が始まる・・・。

次回、特捜隊、「ポルノイン東京 女人百景」に御期待ください。

 

 

(備考)

・劇中に、特捜隊メンバー(男優名)の表記、水木刑事(水木襄)、石原刑事(吉田豊明)、三船主任(青木義朗)、関根部長刑事(伊沢一郎)、白石刑事(白石鈴雄)、畑野刑事(宗方勝巳)、田中係長(山田禅二)、がされている。

・高野ひろ美となっていますが、高野ひろみのこと。一時の旧芸名使用か?

(追加)R6.9.17

・単に原型作をリメイクしたのではなく、

#121 けだもの【スペシャルセレクション】(原型作、脚本・守田二郎)

#525 ポルノイン東京 女人百景(準リメ作、脚本・小川記正)

#792 情念の女(リメ作、脚本・小川記正)

のように、オリジナルの当作(準リメ作)を挟んだ、原型作→リメ作の関係にある、三部作ともいえる。この三部作が現存していることは、小川記正ワールドを知るうえでも、大きなことでもある。

・再見時視聴=

 

 

(視聴録)

ある夜、飲み屋「ドラキュラの店」でトップ屋・田口(長沢大)が青酸カリで毒殺された。三船班は同席していた同じトップ屋・中西(天野新士)をマーク、中西が田口宅を訪れ600万入りのバックを妻・みち子(高野ひろ美)に渡したところを逮捕した。だが、中西はつかみどころのない回答に終始、さらに釈放したものの、その間隙をつかれ中西が扼殺されてしまった。

三船班は、青酸カリの効果時間から田口殺害現場の店の周囲20分以内、みち子からの証言をもとに聞きこみ、クラブ夢幻を怪しいと睨み、訪れることになる。

ママ・千秋(三田登喜子)によると、田口殺害事件日は田口、千秋、ポルノ作家・下川宗一郎(太刀川寛)、ホステス・ひろみ(真木沙織)の4人でゴルフ場にいたが、キャディ・百合子(小田まり)のふとした発言から、田口と下川との間でゴルフ場の権利の件で揉め事が発生。その場は収まったが、その後クラブで飲み直しとなったとき、再度田口が蒸し返したので、下川はゲイの書生・ジェシー(ローズ牧)にお金をもって来させて、田口に現金を渡し解決。そして、その時に、下川が持っていた健康剤の瓶を田口が奪い取り、何錠か服用したという。

三船班は、下川を狙った線も考え、下川宗一郎の行跡も捜査し始めたが、そこにはドロドロとした男女の世界が広がっていた・・・。

 

膨大な小川記正脚本を、吉川一義監督がコンパクトにまとめての演出、改変というより(今回は単独脚本なので修正はできなかったと思います)テンポのいい省略が奏功した作品といえましょう。たぶん、大元は、中西の妻・みち子のくだり、下川がジェシーを書生にしたくだり、養鶏場主人(清水一郎)の娘のくだり、など盛りだくさんだったことが予想されます。そこを、上手くハサミで切り貼りしたところ、意外にもスッキリ仕上がったのかなとも思います。

個人的には、ドラキュラの店周辺での聞き込み部分を省いた方が良かったような気がしますが、すでに男優・女優を確保していたのでそれはできなかった・・・のかな。それとも、政治的な介入があったのか、そこは今ではわかりません。

 

当作はポルノ的作品という雰囲気が漂っており、それはそれで興味津々なところです。しかし、ラストの10分は欲情というより嫌悪が満ちる場面でもあります。なので、ポルノ作家・下川には同情もなければ、自業自得という感情しか湧きません。

また、トップ屋にしても、大義名分があろうが金を前にいやらしく人間性が変わっていく。田口にしてもゴルフやってる場合か、中西にしても細君をいたわれよ、という感情が湧いてきます。

もしかして、当作は男性に対してげんなりする効用をもたらすものとして、小川記正は脚本を書き上げたかもしれず、そういった意味では、人間を描く新生・特捜隊の要望に上手く答えたものだと思いました。

 

また、冒頭居酒屋で出てくるいかれた女を演じたのは、「#487 花咲かぬ春」で強烈なハナ役を演じた柏木緑ですね。彼女は、「#505 あるアイディア」では、普通に学園職員・ミキを演じていましたが、当作ではハナ役の再来を演じています。

ところが、最後のクレジットに柏木緑の名前がありません。配役名がわかりませんので、たどることが難しいのですが、改名したなら消去法で、かつみ役=中島かつみ、艶子役=花乃みどり、町子役=竹村清女、のどれかでは? インパクトのある役で柏木緑に間違いないと思うものの、もしわかる方がいれば、また訂正等あれば、ぜひ御教授願います。

(追加)

その後の特捜隊「#546 四匹の牝猫」「#561 ある警察官」などにより、花乃みどり、だとわかりました。

 

(2017年12月1日 全面追加)