※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#546  四匹の牝猫】

 

(本放送)1972年4月19日

(再放送)2016年2月25日

(脚本)島津昇弌

(監督)伊賀山正光

(協力)無し

(協賛)無し

(捜査担当)三船班

田中係長(山田禅二)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(田川恒夫)、

鑑識課員(西郷昭二)、関根部長刑事(伊沢一郎)、石原刑事(吉田豊明)、

白石刑事(白石鈴雄)、水木刑事(水木襄)、畑野刑事(宗方勝巳)、

三船主任(青木義朗)

 

(出演者)

万里昌代、夏海千佳子、生田くみ子、北村総一郎、逗子とんぼ、進藤幸、山本緑、

葉山美樹、野本博、花乃みどり、村井恵美、沢井早苗、寺島由美、丘寵児、

春江ふかみ、利根はる恵、天王寺虎之助、太刀川寛

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※当時のナレーション(=青木義朗)をそのまま聞き写しています

 

・・・・(コミカルな音楽の中、畑野刑事を映しながらのナレーション)

どうです、キザな男。

歌も歌えばダンスも上手い、典型的なプレイボーイ。

時には泥棒の真似もしたり、

暴力沙汰を起こしてはパトカーのサイレンに追っかけられる。

奇妙、キテレツ、変な刑事。

・・・・(音楽が変わり、4人の女を映しながらのナレーション)

それもそのはず、次回の話は、

四匹の牝猫どもが「卍巴」(マンジトモエ)と荒れ狂う。

まず、第1の猫!・・・・・・・・・・・・(優子のアップ)

続いて、2匹目!・・・・・・・・・・・・(礼子のアップ)

3匹目!・・・・・・・・・・・・・・・・(秋江のアップ)

そして、最後の4匹目は殺されていた!・・(京子のアップ)

こうして事件は、華やかな色模様に包まれて、軽妙に展開する・・・。

次回の特捜隊、「四匹の牝猫」に御期待ください。

 

 

(備考)

・「#525 ポルノイン東京 女人百景」で触れた柏木緑は、当作を見ると「花乃みどり」に改名していた模様。

・北村総一朗は制作当時は文学座所属で、本名の北村総一郎で出演。

・地方ロケではないが、改装前の西武園ゆうえんち(埼玉県所沢市)でロケをしている。

 

 

(視聴録)

 

三船班は、中野区富士見町の朝日マンションで、ダンス教師・三重街京子(生田くみ子)が殺害されたという通報を受けた。遺留品として、ライター、京子と戯れている男の写真、自分の娘・雪子(寺島由美)の写真の入ったロケットペンダントがあった。また、京子はダンス教師の傍ら、夜はクラブでバイトをしており、その同僚ホステス・まちだ礼子(万里昌代)と交友関係があることから、畑野刑事は身分を偽り、礼子に近づき潜入捜査を行なう。

 

礼子は歯科医の中西(太刀川寛)に接近、京子と写っているのは中西であり、妻・優子(夏海千佳子)にも京子と中西の写真を見せる行動をとる。また、礼子は勤務先のクラブ・リンデン以外にも、バー・オリオンに出入り、若い男・結城まさお(北村総一郎)と密談、畑野刑事の旧知のボーイ・山下しょうじ(野本博)によると、礼子は見かけない顔だが結城は中年女とよく来ているという。畑野刑事は礼子に接近、つかず離れずの距離を置いた関係で監視する。

 

さらに礼子は、優子の実家・大谷家にも出向き、父親・じゅうきち(天王寺虎之助)に注進するばかりでなく、有閑マダム・澤本秋江(利根はる恵)を電話で呼び出すなど、謎の行動をとるのであった・・・。

 

 

当作は、万里昌代がゲスト出演した「#478 謎の女」を見ているか見ていないか、いわゆる先入観の有無で面白さの度合いが変わる作品だと思います。出来ましたら、その作品を視聴のうえ当作にあたったほうがベターでしょう。

しかし、「#478 謎の女」を視聴していなくとも、潜入捜査のコミカルさ、犯行の目的は何だったのか、最後の西武園ゆうえんちへ至るまでのスピーディーな流れ、など見るべきところが多いのが当作です。特に、畑野刑事の役割が、場面転換の良いポイントになっているところも見どころであり、ラストは「#541 光と影のブルース」での水木刑事の、とある場面(謎が解けるきっかけとなる部分)からプロットをいただいた感じですね。

 

ただ、辻褄が合わないというか、直接証拠が無く状況証拠と推測によるところが大きいのが欠点といえば欠点で、たとえば扼殺と絞殺とを死体の現況で表わしておくとか、睡眠薬の入手経路とかを描くとか、工夫できたような気もします。まさか、これが「#550 ある異常人間」への布石になっていた、というのは考えすぎなような気もしますが・・・。

また、優子が父親・じゅうきちに小切手を返すところは唐突すぎで、ここにも目に見えない脚本の削除があるのではと感じました。ですので、面白い作品であるものの、佳作に届くか届かないかといった印象に終わりました。

 

あと、当ブログを書いている途中で、キイハンター・#087・女殺し屋 シカゴローズ只今参上、を放映していました。ゲストは、畑野刑事こと宗方勝巳(キイハンターでは宗方勝己表記)、当作を再見直後だったものでニヤニヤ笑いながら見ていました。

宗方勝巳のプロフィールを見ると、若い時を除き刑事ものと時代劇に出演作品が多いですね。コミカルな役が結構板についている印象なので、後年、現代もののコミカルな役に転換できなかったのかどうか、やや残念です。なお、宗方勝巳は大病を2度患ったものの、長内美那子ともども健在で、昨年「徹子の部屋」に夫婦そろって出演、子供・孫に囲まれた写真も公開されていました。

 

(2017年12月18日 全面追加)