※ 特別機動捜査隊 まえがき

捜査担当班の詳細については、wiki特捜隊-キャストを参照、また、(本放送)とはNETでの放送、(再放送)とは東映chでの放送を指します。出演者については配役名を略していますが、本文で書くこともあります。なお、出演者をもっと知りたいときは、リスト特捜隊で検索。

また(出演者)は、エンディングで、一列~三列で表示された男優・女優に限定しました。

 

【#478  謎の女】

 

(本放送)1970年12月30日

(再放送)2015年7月2日

(脚本)小川記正

(監督)天野利彦

(協力)警視庁、宮城県警察本部

(協賛)鳴子温泉横屋ホテル、仙台天龍閣

(捜査担当)立石班

西本捜一係長(鈴木志郎)、鑑察医(仲原新二)、鑑識課員(上田侑嗣)、

鑑識課員(新田五郎)、桃井刑事(轟謙二)、森田刑事(北原隆)、

山崎刑事(高島新太郎)、橘部長刑事(南川直)、笠原刑事(伊達正三郎)、

立石主任(波島進)

 

 

(出演者)

万里昌代、中原功二、剣持伴紀、中千鳥、森本景武、東隆明、小笠原まり子、

斉藤荘次郎、横山留吉、石井宏明、大友純、中庸介、大原譲二、日恵野晃、

天野新士

 

 

(あらすじ・予告篇から) 

※ナレーションをそのまま聞き写しています

 

年の瀬も迫ったある夜、発生した2つの殺人事件。

そこには、遠く仙台から上京、

真面目に生きようと夢見た青年がいた。

その青年を助ける1人の女・・・。

事件を追って特捜隊・立石班の捜査は、

仙台そして鳴子へと発展していく。

寒風吹きすさむ北国を舞台に、

ロマンとアクションでつづる、「謎の女」!

 

 

(備考)

・地方ロケは複数撮りをする慣習が、今回は1作のみ。

 

 

(視聴録)

料亭花房に向かう謎の女(万里昌代)、そこは賭博場が開帳されていた。テラ銭ぎれのため、預かった腕時計で金を借りようと貞吉(大原譲二)は、仲間の井上(中原功二)、岡田(東隆明)のいる控室に行き、井上に請け負ってもらう。しかし、警察の手入れと前後して、岡田は刺殺され、成り行きを見ていた大島(未詳)は射殺される。容疑者として井上を追う立石班は、遺留品を手がかりに仙台に向かう。恋人の清子(中千鳥)と合流した井上を巡り、謎の女、貞吉と仲間2人(中庸介、剣持伴紀)、旅行記者(天野新士)、謎の男2人組(日恵野晃、三島一夫)がそれぞれ動き回るというもの。

 

予告篇とは趣を変えたアクションものですが、初見のときは「#477  指名手配」のあと連続して当作を見たため、「予告篇とずいぶん違うな?」という印象でした。それが先入観としてあったため、次から次へと出てくる登場人物が整理しきれず、わかりずらい作品だなと思っていました。ところが、1年半近く間を空けて、単独で再見してみると、なかなか面白い部類の作品だと気がつきました。

 

1つの動きが次の動きを呼ぶ傑作に「#562  真夏の逃亡者」がありますが、監督は違えど、当作はその先鞭をつけるような作品です。ロマンというよりアクションに重点が置かれ、井上が容疑者のみならずなぜ各方面から追跡されるのか最後にようやく明らかになり、それゆえ当作の題名となるところなど、よく考えた作りです。ロケによるストーリー分散破綻をどうやって解消していくか、1つの答えを天野利彦監督は出したのではないかと思います。再見しなければ、当作の良いところは気づかなかったでしょうね。

 

万里昌代は新東宝出身女優。新東宝では、俗にいうエログロ路線に出ていて、コケティッシュな色気を振りまいていました(たぶんヌードになったことはないと思います)。それでも「スター殺人事件」「女巌窟王」の佳作にも存在感を見せて出演しており、それが大映移籍後作品での高評価につながったのではと思います。当作のアクションも、新東宝時代の「暴力五人娘」をほうふつとさせるようでした。ネット検索しても現況はわかりません、wikiだと1937年生まれなので、ご健在ならば当年80歳となります。

 

(2017年11月23日、全面追加)